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【声優養成所講師が解説】プロの声優になれる確率は何%?
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どうも、福原安祥です。
ナレーターをしたり、声優養成所の講師をしたり、会社の経営をしたりしています。
今回のテーマは『演技のテンションについて』です!
これを読んでいるアナタも「テンションが低いんだよねぇ~」とか「テンション自体が低いから演技もダメなんだよ、もっとテンション上げないと!」というようなダメ出しを受けたこともあるかもしれません。
この「演技におけるテンション」といものはメチャクチャ大事で、初心者の8割くらいがブチあたる「壁」ともいえるかもしれません。。
テンションが高くないと、まず絶対に「いい芝居・いい演技」はできませんし、そこそこ演技に自信がある方でも、演技のテンションを正しくとらえることで、もっともっと伸びる可能性がありますよ!
ぜひ最後までチェックしてもらって、演技のテンションというものを理解して、自分の演技に活かしてくださいね!
動画はこちら↓
「演技のテンション」ってなに?
まずは「テンションってなんなの?」という話からしていきたいと思います。
先に結論を言っておくと…日常のテンションと、演技のテンションは「まったく違う」ものだということを押さえてください!
日常の「テンションが高い」状態というと、アナタはどういう状態を想像するでしょうか?
わかりやすく言うと「渋谷の若者」の状態なんですね。動画内で、疲れながらも実際にやってみているので、チェックしてもらったらわかりやすいと思います!
「渋谷の若者のテンション」と聞いて、「テンション高いな」とか「頭がおかしいかんじかな」と思った方もいるかもしれないんですけど、渋谷の若者は演技的にいうと…「テンション低い」んですよ!不思議ですよね。。
テンションが高い=心が張りつめている
解説していきますね。テンションというのは、日本語訳すると「緊張」という意味なんですよ。ということは「テンション=張ってる状態」なわけですね。
例えば、1本の紐をプランとたゆませている状態が「テンションが低い」状態だとすると、その紐をピーンっと張っている状態が「テンションが高い」という状態になります。
これを人間の精神に置き換えると…「心が張りつめている=テンションが高い状態」で「心が張りつめてない=テンションが低い状態」ということになるんですね!
渋谷のウェーイ☆みたいな状態って、精神が張りつめてないですよね?「テンションが低い」と説明したのはそういうことなんです。演技的にはテンションが低い状態ということなんですね。
逆に、アナタがオーディションを受ける場合、当日はメチャクチャ緊張しますよね?電車に乗って会場に行くまでの間も、ずっとドキドキしていると思います…。これ、張りつめてますよね?
心が張りつめているので、その日のアナタは「テンションが高い」ということなんですよ!
「悲しみ」にも「テンション高い」はあり得る
演技的にテンションが高い状態というのは、喜怒哀楽のうちの、「喜」とか「楽」とかを想像しがちなんですけど、「哀」でもテンションが高い状態っていうのはあるんです。
例えばバーでドチャクソに凹んでるおじさんがいたとしますね。そのおじさんにマスターが「どうしたんですか?」って優しく聞いたとします。
するとおじさんが「リストラされて、嫁と子供が家を出て行っちゃったんだ…」って言ったとしましょう。これ、メチャクチャおじさん張りつめてません?
悲しい状態で張りつめてますよね?これも「テンションが高い」ということになるんですよ!
「日常のテンション=気分が上がってるかどうか」だとしたら、「演技のテンション=心が張りつめているかどうか」ということなんですね。
この演技のテンションというものを、声優はキチンと使わないといけません。
というわけで、後半は「テンションの使い方」について解説していきますよ!
「演技のテンション」の使い方
日常のテンションと演技のテンションが違う、ということを理解してもらった上で、「声優はテンションをどう扱えばいいのか?」というところをお話ししていきますね。
造語なんで、習っている講師の方とかには通じないと思うので注意してほしいんですけど…僕は演技のテンションのことを「内的テンション」と呼んでいます。心の中(内側)のテンションだからそう呼んでるんですね。
この「内的テンション」を高めることが、スゴく大事なんですよ!
内的テンションを高めた状態でセリフを言わないと、セリフになりません。これはナレーションも同じですね。
今回は声優の場合で話を進めていきますね。
まず大事なことは…日常のテンションで演じたら「キャラにならない」ということです!
キャラクターってもともと一枚の絵ですよね?そこに命を吹き込むとなった場合に、演者はものすごいエネルギーを使わなければいけません。
普通の日常のテンションでやってもキャラクターに命が宿るわけがないだろって話なんですよね。。
なので、内的テンションを高めた上でキャラクターを演じなきゃいけないんですよ。精神が張りつめた状態を、演技中は常にキープしなきゃいけないっていうことですね。
なので、聞いたことがあるかもしれないんですけど…演技って疲れるんです!
演技は疲れる
疲れずに演技をしてる人って、内的テンションを上げずに、日常のテンションでやってるんだと思うんですよ。
日常でもそうですよね?悩み事がある日々がずっと続くとか、例えばオーディションまであと3日ってなったときに、その3日間ってスゴく疲れると思いませんか?
それと同じ状態なんですよ。そんなふうに心が張りつめている状態を、演技中はずっとキープしとかないといけないんです。だから演技って疲れるんですね。。
ここって特に初心者の方が陥りがちなミスなんですよね…。
では、実例を交えながら説明していきたいと思います!
「演技のテンション」を実践!
ここからは動画で実際にセリフを読んで解説しているので、時間があるときにチェックしてもらえたら、より理解しやすいと思いますよ!
「日常のテンション=内的テンションが低い」状態でセリフを読んだ場合と「内的テンションを高めた」状態でセリフを読んだ場合…全っっっ然違ってきます。
内的テンションが低いと、そもそも張りつめてないので、出す音が「小さい・薄い・浅い」んです。声に存在感がないんですよね。。
なので先ほど言ったとおり、演技をするときやセリフを読むときは、内的テンションが常に高い状態をキープすることをクセにしないといけないんですよ!
整理していきますね。
セリフを読む際は、声を出す前に、まず内的テンションを高めるんです。
高まって、心が演技ができる状態になったことを、僕は「演者モード」と言ってます!
その演者モードになったとき、プライベートのアナタはどっかに行っちゃってください。アナタのプライベートで何があろうと、演者モードになったら関係ありませんよ!
演者モードになったら…そこで初めてセリフを読んでください。
内的テンションを高める→演者モードになる→セリフを読むという順番ですね。
これは家で練習するときも絶対やんなきゃダメですよ!演者モードになってないうちにセリフを読んでも全然練習にならないんです。
養成所のレッスン以外の、家での練習のときでも、内的テンションを高めて、心を張りつめた状態にして、演者モードになってからセリフを読む…。これを繰り返して、「一瞬で演者モードになれる」ことが声優の第一の条件なので、がんばってくださいね!
「演技のテンション」のまとめ
というわけで、今回は『演技のテンション』について解説してきました。まとめると…
ポイント
- 日常のテンションと演技のテンションは全然ちがう
- 演技のテンションは心が張りつめた状態のこと
- 内的テンションを高めて、演者モードになったら声を出すことを習慣化する
ということでした!
内的テンションを高めて、演者モードになるスピードを速めるには練習しかないんですよ。。
なので自分の喜怒哀楽の感情がザワつくことを考えて、心が張りつめた状態になって内的テンションが高まって、セリフを読む…ということを繰り返すしかありません!
5秒以内には演者モードになれるようにしてください。それが現場をゲットするための最初の条件だと思いますので、がんばってくださいね!
それでは、またお会いしましょう。
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