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声優養成所に舞台演技は必要ない?現役講師が解説します

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声優養成所で舞台演技は必要?

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声優養成所のレッスンを現役講師が解説!アフレコがない…?

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どうも、福原安祥です。

ナレーターをしたり、声優養成所の講師をしたり、会社の経営をしたりしています。

本日は『声優に舞台は必要なのか?』というテーマについて解説していきたいと思います!

このテーマ…「声優に舞台は必要派」と「いらないんじゃないか派」で結構長いこと論争になっています。

声優養成所でも、舞台のレッスンがある声優養成所とない声優養成所があって、それぞれの声優養成所の考えによってカリキュラムがわかれたりもしています。

プロでも声優の舞台経験の有無で評価がわかれたりしちゃうこともあるので、そういうところも含めて「声優の舞台経験」についてお話ししていこうと思います!

今回は声優養成所や専門学校に入る前の方、そして現役の声優養成所生・専門学校生から、事務所の準所属・預かりの方まで幅広い人たちに向けてお話ししていきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

動画はこちら↓

声優養成所で舞台演技は必要?

声優養成所で舞台演技は必要?まず結論から言います。声優に舞台は必要かというと…「どっちでもいい!」というのが僕の持論です。

でも、どっちでもいいっていうと、いろんな人、特に50歳オーバーの人から怒られちゃうので、これは絶対チクらないでくださいね!

さて、ここについて解説していくと、「声優に舞台経験は必要」説がいき過ぎちゃうと、「あの声優は舞台経験がないから演技が下手なんだ」っていう評価になったりしちゃいます。

なんでこういった説が出てくるのかというと…「声優の演技は舞台演劇が発祥」という歴史があるからなんですよね。

だから声優の演技の根本である舞台を経験しないと、声優の演技もうまくならないという主張になってくるわけですね。

ただ一方で、「根本を経験しなければならない」という理屈だったら、「野球をするならまずクリケットをしろ!」みたいな話にもなってきちゃいません?そんなこと言う人います?たぶんいませんよね。

野球とクリケットが全然違う競技になってしまっているように、声優と舞台も、現代では全然違う職業になってしまっているので、「声優演技の根本だから舞台を経験するべき」…とは一概に言えないんじゃないかなって思うんです。

声優の歴史と舞台

声優の歴史は、昔の舞台俳優の「副業」から始まったんですよ。

当時は、声優は職業にすらなっていなかったんです…。声優が「職業単体」で認知されはじめたのはごく最近の話。なので、舞台と声優の技術の棲み分けができ始めたのも、これまたごく最近のことなんです。

野球とクリケットの例のように、もしかしたら50年~100年後には、声優と舞台についての論争は、今と状況がぜんぜん変わっているかもしれません。

とはいえ、演技の根本が舞台であることに変わりはないので、「声優たるもの舞台を経験せよ!」という問題については、まだまだ微妙な状況が続きそうです。。

声優の「舞台に対する強迫観念」

声優の「舞台に対する強迫観念」ただ、よくないところでいうと、僕も後輩から聞くんですが…「舞台をやらなきゃいけない」という強迫観念が新人声優さんにスゴく多いんですよ。

でも、「舞台を経験しなきゃ演技はうまくならない」と思っていたとしても、定期的に舞台に出なきゃいけないっていうことではないんです!

これって話をよく聞いてみると、自分の技術が向上しない原因を、「舞台のせい」にしちゃってるところがあるからなんですよね…。

これを読んでくれているあなたは「声優の仕事をする」のが目標のはずなので、舞台のエッセンスを吸収して、自分の演技力に活かすことが必要です。

なので、舞台って「経験しなきゃいけないもの」ではなくて、あくまで「活用するもの」としてとらえておいてほしいんですよ!

声優としての立場をぶらさずに、舞台は自分の演技のレベルを上げるために経験するものとして考えてくださいね。

声優が舞台をやるメリットは?

舞台を経験するメリットは、結論からいうと…「動き」です。

声優には「脳内でキャラクターの動きを再生できる」という能力が必要不可欠です。キャラクターは作品の世界の中では「生きた人間」ですよね?生きているとなると、必ず動きます。

そのはずなんですけど、声優養成所とかでセリフを聞いてると「動きが全くない」人が多いんですよ…。

動きがないっていうことは、人間なのにずっとジッとしているっていう、なかなかありえない状況なんですね。なので、セリフがうまくない人の特徴の1つとして「動きがない」というのがあるんです。

上に貼ってある動画では、動きのないバージョン、動きがあるバージョンを具体的に読んでます。お時間があるときにチェックしてみてくださいね!

ちなみにセリフの解説をすると、動きがないバージョンは、最初から最後まで同じテンポで読みました。それに対して動きのあるバージョンは、頭の中で「セリフに伴う行動をイメージ」しながら読みました。

その結果、セリフを読むなかで、その行動に応じてテンポや間が変わってくるんですね。

セリフの「動き」を考える

声優の「舞台に対する強迫観念」こんなふうに、「動き」をちょっと考えるだけで、セリフがガラッと変わるんです。これを「セリフが立体的になる」といいます。キャラクターが人間らしい感じになり、リアリティーが増します。

このように、「キャラクターに動きをつける」というものが、舞台で得られる能力なんですよ!

どういうことかといいますと、「キャラクターに動きをつけて」って言われても、自分が動いた経験がないと、人間なかなか難しいんですよね…。

でも舞台では自分が実際に動いて、目線をはずしたりとか、普段やらない動きとかをしたりします。自分の肉体や声、表情を使って表現するので、自分に舞台の経験があると、キャラクターにつける動きを想像しやすくなるんですね。なので、舞台を経験したほうがいい、という話にもなるわけです。

逆にいうと、舞台を経験しなくても「脳内でキャラクターの動きをつける能力が高い人」は、舞台をやる必要はあまりないと思います。

舞台の必要性って「脳内でキャラクターに動きをつける能力」が高いか低いかに左右されるので、ほんとうに人それぞれなんです。

ただ、ここで1つ、重大な落とし穴があるのでよく聞いてください!

声優が舞台をやるときの落とし穴…

「舞台に出る」ってなったときに、その舞台を頑張るのはもちろんスゴく大事なんですけど、「舞台演劇をうまくなろう!」とすればするほど、声優からどんどん離れていっちゃうんですよ…!

声優と舞台で使う技術が違うところっていろいろあるんですけど、わかりやすいのは「発声」ですね。

舞台では、端のお客さんとか後ろのお客さんまでちゃんとセリフを伝えられるように、広い角度で発声します。逆に声優の場合は目の前のマイクに向かって、一点に声を当てる技術が必要なんです。

なので、マイクに向かって舞台の発声をしてしまうと、声が拡散してしまって、エネルギーがムダになっちゃうんですね。

声優の発声は声の範囲を縮めて、矢のようにマイクに向かって1点集中させる感じになるわけです。

(この2つの発声も、実際に僕が動画内でやっているので、お時間があるときにぜひチェックしてみてください)

舞台演劇を頑張りまくっちゃうと、いつの間にか技術が舞台寄りになってしまっている…なんてことにもなりかねないんです。

あくまで声優になりたいのであれば、舞台からは「動き」などのエッセンスだけをもらって、自分の声優としての演技力を高める、というふうに活かしてみてください!

声優と舞台のまとめ

声優と舞台のまとめというわけで、今回は『声優には舞台が必要なのか?』というテーマでお話ししてきました!

まとめると、声優の演技をするうえで、舞台の経験というのは非常に大事で、役に立つこともいっぱいあるけど、“絶対”に必要というわけではない…ということでした。

もしも自分が舞台に立つ場合は、あくまでも「声優としての自分」に活かすかたちで頑張ってください!

このチャンネルでは、かつて、僕が仕事がなかったころに「欲しかったな~」と思う情報をメインにお届けしています。

今見てくれているあなたと同じように、僕も当時メチャクチャ悩んでいましたので、これからも役に立つ情報を配信していきたいと思います!

それではまた。

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