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【声優養成所講師が解説】声優とナレーターの違いとは?読み比べてみた
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どうも、福原安祥です。
ナレーターをしたり、声優養成所の講師をしたり、会社の経営をしたりしています。
本日は…超大事な『声優養成所の自己PRについて』解説していこうと思います!
今回は声優養成所の話なんですけども、ナレーターの養成所でもだいたい同じ感じなので、ナレーター志望の方も参考にしてみてください。
皆さんお分かりだと思うんですけど、声優養成所の自己アピールというものはメチャクチャ大事で、自分の「人となり」っていうのをアピールできるチャンスでもあるわけですね。
僕は声優養成所の講師もやっているので、その辺のお話も絡めつつ解説していこうと思います。「こういうところに気をつけなきゃいけないんだ…」っていうのがわかる内容だと思いますので、ぜひ最後まで見ていってください!
動画はこちら↓
声優養成所の自己PR対策
まず、「声優養成所のオーディションではなにを見られるのか」という点を整理しておきましょう。
声優養成所のオーディションではなにを見られる?
声優養成所のオーディションでは「総合力」を見られているというところを意識してください!どういうところかというと…
「総合力」とは?
- 技術力
- コミュ力
- 自己PR
こういう感じで大きく3つあります。一番大事なものはどれだと思いますか?
これは…当たり前なんですけど1番の「技術力」ですね。声優になるための声優養成所なので、技術力が高い、つまり文章やセリフを読むのがうまいっていう人は絶対に採られます。
ただ、総合力と言ったのは、技術力がすごくても、2番目のコミュニケーション能力が壊滅的…なんていう場合はとても厳しい状況だということです。
なぜかというと、声優の仕事というのはご存知のとおり「チームプレイ」です。
他の声優さん達だけじゃなく、音響監督さんやミキサーさんやプロデューサーさんとか、いろんな人が関わって一つのアニメや外画が作られるんですね。なので「チームワーク」がとれる人じゃないと、現場はかなり難しいということになります。
「ナレーターは一人だからいいんじゃない?」と思われる方もいるかもしれませんが、ナレーターの場合、演者は一人ですが、ディレクターさんがいて、ミキサーさんがいて、お客さんであるクライアントさんがいて…というチームプレイになりますよね。
一人で仕事をするわけではありません!なので2番目の「コミュ力」がない、という人はやっぱり難しいということですね。
ポイントとしては、「自分はコミュ力がある!」って思ってる人はけっこう危険で、なぜかというと、オーディションの審査員は、「その日、その時のあなた」しか知らないからなんです。
オーディション当日に緊張してなにも喋れなかった…という場合、普段どんなに人気者だろうが関係ないんですよね。。
そうすると、初対面の、しかもエラい人と喋って、ちゃんとコミュニケーションがとれるのかっていうところがスゴく大事になってくるっていうわけです。
でもコミュ力が高い人ってそこを油断しちゃうんですよ…。普段の自分ではなくて、緊張する場所に立ったときの自分がちゃんと喋れるかということのほうが大事なので、そこを注意してくださいね!
声優養成所オーディションの自己PRの配点
さて、技術力とコミュ力の話をしてきましたが…ここで今日の本題の3つ目「自己PR」についての話に移りたいと思います!
この3つのなかだと、オーディションにおける配点は自己PRがぶっちゃけ「一番低い」んですよ。たとえば、技術力が高くてコミュ力があるのに、自己PRが「頑張ります。。」だけだった場合…これでも合格できちゃうんです。。
なぜかというと、コミュ力が高ければ、そのときの自己PRで多少やらかしても「大丈夫だろう」って思われるからです。
とはいえ自己PRもちゃんとできたほうがいいですし、技術力とコミュニケーション力が飛びぬけていない場合、自己PRがすごく大事になります!なので、自己PRもちゃんと頑張ろう、ということですね!
審査員は自己PRのなにを見てる?
自己PRで審査員は何を見てるのかっていう話なんですが…これはもうただ一つ「伸びしろ」です!自己PRのあなたの言葉を通して、審査員は伸びしろを判断するということです。
じゃあどういうふうに伸びしろを見せるかということなんですが、これには「具体性」が必要です。具体性がない自己PRでは、審査員に伸びしろを見せることができません。
たとえば…「僕は声優を目指しています!やる気だけは誰にも負けません!よろしくお願いします!」っていう人と「僕は声優になるために、毎日発声と滑舌のトレーニングを積んできました。それを全部録音して、その日のよかったところと悪かったところを全部ノートにメモするようにしています。そのノートは1年半くらい続けて5冊くらい貯まったので、今後も続けていこうと思います。」
これ、どちらにやる気や伸びしろを感じますか?今後成長しそうだと思いますか?
絶対2人目ですよね。
声優志望の人は本当に気を付けてほしいんですけど、オーディションってやる気大会じゃないんですよね。。
上記は例なので、これまで努力してきたことを絶対に言えということではもちろんないんですけど、どういうふうなアピールポイントがあるのかっていうのを具体化することが大事です。
「自分の今後、楽しみじゃない?」っていうふうに提示できればこちらの勝ち、できなければ負けになります。
自己PRではなにを言えばいい?
では自己PRでどういうことを言えばいいのかっていう核心的なところなんですが…まず一番最初に、当たり前なんですけど、「アピールしたいことを決める」ということです。
ここでかなり差がひらいてしまうので、アピールしたいポイントというものを突き詰めて考えるようにしてください。
ノート5冊の人の例だと「継続して努力できる」ということをアピールポイントにしました。継続=ノート5冊で、努力=毎日のトレーニングという感じですね。
ここで考えてほしいのは「あなたのアピールポイントはなんですか?」ということですね。自分自身で考えてみてください。
これってスゴく難しく考えがちですが、「人とすぐ仲良くなれる」とか「なんにでも興味を持つ」とかのレベルの話でもいいんです。ただ、それだけで終わっちゃダメということなんですね。
そこに「聞いた相手が伸びしろを感じられるエピソードを足す」ということがものスゴく大事なんです!
例えば、人とすぐ仲良くなれるとして、「高校のクラス替えの後に、すぐ新しいクラスメイト全員と仲良くなった」くらいだと、エピソードとしては弱いんですよね。。
「バックパッカーでカナダに行って、行きの飛行機代しか持っていかなかったけど、帰りは現地でできたたくさんの友達が飛行機代を出してくれました」っていうエピソードのほうが、インパクトが強くて伸びしろも感じさせることができるというわけです。
簡単にいうと「この子伸びそうだな、大きくなりそうだな」というふうなことを審査員に感じさせれば成功!
ちなみにカナダのバックパッカーの話を読んで、「自分には人にアピールできるポイントってないな…」と思った人、ヤバいのはヤバいんですけど、そもそも人に言えるスゴい経験ってあんまりないと思うんです。。
でもさっきのノート5冊の努力の例なら、誰でも今日から始められるし、継続して努力できる人間ということはアピールできちゃうので、わざわざカナダにバックパッカーに行く必要はないということです。大事なのは「なにをアピールしたいかを、まず決める」ということですね!
やっちゃダメな自己PR
最後に、ありがちなんだけどやっちゃダメな自己PRというものを5個紹介したいと思います!
1.コミュニケーションがとれない自己PR
1個目はさっきも言いましたが「コミュニケーションがとれない」自己PR。。
これは相手に「この子はちゃんとやっていけるのか?」というマイナスイメージを与えてしまうので、自己PR中でもコミュニケーションはしっかり取りましょう。
コミュニケーションがとれないと、伸びしろもクソもないという判断をされてしまうんですよね。。
解決方法としては、普段から頑張って人とたくさん喋るということしかないです。陰キャも陽キャも関係なく、それぞれ気の合う人同士でバンバン喋って、普段からの言葉数を増やすようにしていってください。
それから、考えた自己PRをたくさん練習することも大事なのですが、一人で自己PRをしゃべれるようになったら、身内の方とか友達とか先輩とかに聞いてもらって、感想をもらうこともスゴく大事です!自分だけだと見えないことが見えてくるので。。
あとは恥ずかしいと思いますけど、練習するときに録音ではなく録画して、その時の自分の姿を確認してみてください。「意外と笑ってない」とか「意外と早口だな」とかけっこう反省点が見えてくるはずです。
2.タレントとしての自己紹介になっていない自己PR
2個目は「タレントとしての自己紹介になっていない」自己PRです。。
これは、趣味について話す人によくありがちな話なんですが、趣味についてブワーってしゃべって「こんな私(僕)ですが、よろしくお願いします」みたいな場合。「クラス替えのあとの自己紹介か~い!」っていう話なんですよね…。
オーディションの自己PRなので、そこを同じにしちゃダメっていうことです。ただ、趣味でも、カナダのバックパッカーみたいに面白くてインパクトのあるエピソードなら、ぜひ喋ったほうがいいと思いますよ!
3.当たり障りがなさすぎる自己PR
3個目は「合コンか!?」っていうエピソードを話しちゃう自己PRです。
「三大話してはいけないこと」があります。
- 読書
- 映画鑑賞
- 音楽鑑賞
これを自己PRに混ぜるのは相当マズイです。当たり障りがなさ過ぎて、まさに合コンの会話かよってなっちゃうんですよね。「趣味なに〜?」「うーん、映画かな〜」みたいな。
厳しい声優業界・ナレーター業界の中にこれから飛び込んでいくときに、誰にでも言える自己PRをした時点で負けなんです…!伸びしろなんて感じるはずがありませんよね。。
4.当たり前のことを語る自己PR
4個目は「自己PRで当たり前のことを語るべからず」ということです。
これもめちゃくちゃありがちなんですけど「こういうアニメが好きで、こういうアニメをよく見ていて、こういうキャラクターが好きで、やってみたいです」言う人。
「アニメはみんな好き~!」って話なんですよ!声優業界の方ならアニメはみんな好き、という当たり前な話はダメということですね。。
5.声優になろうと思ったきっかけを話す自己PR
5個目は「声優になろうと思ったきっかけを永遠としゃべる自己PR」というものです。
これはやりがちなうえに、ダメだと気づきにくいケースなので気を付けてください。
なぜダメかというと、このエピソードはとにかく審査員が聞き飽きているんですよ…。お腹いっぱいなんです。。
なので、完全にダメとは言いませんが、声優になろうと思ったきっかけを自己PRに入れるのはオススメできないという感じですね。
ちなみに僕が聞いた中だと「今は退院できたけど、昔重い病気にかかってしまっていた友人が生死の境をさまよっているときに、友人から『お前は俺の代わりに自分の夢を叶えてくれ』という一言をかけてもらって声優を目指した」というものがあるんですね。
感動的なエピソードだと思うし、頑張れって思うんですけど、これはその人の「想いのエピソード」であって、その人の「具体的な行動のエピソード」ではないんです。
大事なことは「具体的な行動のエピソード」なんですね。なので想いだけしか伝わらないエピソードはオススメできないということです。。
ということで、やりがちだけどやってはいけない自己PRを5個を紹介してきましたが、決してすべてがすべてダメということではないんですよ!
例えばさっきダメな例に挙げた読書でも、「年に1000冊読みます!」みたいな場合は自己アピールになります。つまり…ありふれた趣味でも突き抜けちゃってれば、自己PRの材料になるということなんですね!
声優養成所の自己PR対策まとめ
というわけで、本日は声優声優養成所のオーディションにおける自己PRについて解説しました。痛いところを突かれた方も多いんじゃないでしょうか。。
もう一度まとめますと…「審査員に自分の伸びしろを見せられれば、こっちの勝ち」ということですね!
このチャンネルでは、過去の僕自身が欲しかったなと思う情報を配信しています。引き続き、皆さんの役に立てる情報を配信していきたいと思います。
それでは、また!
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