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気候や環境も敵…。水泳競技はもともと海や川で行われていた

雑学カンパニー編集部

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水泳競技は昔、海や川で行われていたという雑学

夏になると海や川で遊ぶことを楽しみにしていた方も多いだろう。筆者も夏休みを利用して、一日中海や川で泳いだり、水遊びをした記憶がある。

ところで、この海や川では、現在は室内で行われることが当たり前となっている水泳競技が開催されていたことをご存じだろうか。そう、競技が室内プールで開催される以前水泳競技は海や川で開催されていたのだ。

この雑学記事では、かつて水泳競技が海や川で行われていた真相に迫っていく。

【スポーツ雑学】水泳競技は昔、海や川で行われていた

マッチョ課長
水泳競技が室内プールで開催される以前は、海や川(池)などで開催されるのが当たり前だったんだぞ。
新人ちゃん
マジっすか?自然の中で水泳するのはちょっと危険な気もするっすけど…。

【雑学解説】第1回近代オリンピックの水泳競技も海で行われていた

水泳がスポーツ競技として成立したのは、19世紀の産業革命後のイギリスにおいてだった。それまでレクリエーションとしての性格をもっていた水泳が、上流階級の青少年たちのあいだでスポーツ競技として普及していったのである。

この時代、水泳競技は屋外にある海や川(池)などで開催されていた。世界初の水泳大会が行われたのも、1837年イギリス・ロンドンの「サーペンタイン・レイク」という屋外プール(池)で開催されている。

マッチョ課長
これはウェストボーン川をせき止めて作られた人工池なんだ。

つづいて1896年、クーベルタンによって提唱された第1回の近代オリンピック「アテネ大会」で、水泳競技は正式競技として採用された。この大会も同様に、競技会場は海だったとされる。

当然ながら、屋外では気候や環境の影響を受けやすい。そのため、アテネ大会に出場した選手のなかには、体温の低下を防ぐために、ワセリンを塗って出場する選手もいたといわれる。

また実施された競技は、距離別に見ると、100・500・1200メートル自由形のおもに3つだったとされる。この大会の100メートルで優勝した選手のタイム・1分22秒2は、現在の自由形100メートルの世界記録および日本記録(47秒台)と比較すると、倍近く遅いタイムとなる。

新人ちゃん
そんなにタイムに差があるんっすか?!まぁ、屋外はハードっすもんね。

以降もオリンピックでは川や運河などが競技会場となったが、オリンピックで正式にプールが使用されるようになったのは、1924年の第8回のパリ・オリンピックからだった。

いまでこそ、室内プールで開催されることが当たり前となった水泳競技。だが、かつては屋外で行われていたことを考えると、選手の調子やタイムは当日の気候やコンディションに左右されやすいはずだ。現在では考えられない環境下で、選手たちは競技を行っていたのである。

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【追加雑学①】日本最古のプールとされるのは?

世界で初めて水泳競技が行われたのは、19世紀のロンドンにあった「サーペンタイン・レイク」と呼ばれる屋外プール(池)だった。では、日本最古のプールはどこに作られたのだろうか。

それは、19世紀に会津藩が運営する学校「日新館」の庭園内に設けられた「水練水馬池(すいれんすいばいけ)」と呼ばれる屋外プールである。

江戸時代に生まれた「日新館」は、幕府が運営していた昌平坂学問所(しょうへいざかがくもんじょ)と並んで、当時の全国の藩校でもトップクラスに入る教育水準を誇ったところだ。

日新館は学業のみならずスポーツにも力を入れており、その一環として「水練水馬池」という屋外プールで、水泳の演習も行った。当時の水泳の練習では、甲冑を着ての訓練もあったといわれるほど。

マッチョ課長
甲冑着用での訓練…スポコンアニメもびっくりなトレーニングだな…。オレは嫌いじゃない。
新人ちゃん
いや、普通に危険っすよ…。

なお「日新館」は一時廃校になったものの、昭和62年に場所を移して再建されている。またかつての学校跡地には、「日新館スポーツクラブ」という屋内プールが作られているという。

時代を経ても、日本初のプールを建設したその遺伝子は、着実に受け継がれていることが分かる。

【追加雑学②】日本初の屋内温水プールは?

日本初の屋外プールは、会津藩が運営する「日新館」の敷地内に作られた水練水馬池(すいれんすいばいけ)」だった。では日本初の屋内温水プールはどこに作られたのか。

それが日本YMCA関係者フランクリン・ハーレット・ブラウンという人物の提案によって、1917年、東京都・神田に作られた屋内温水プールである。

YMCAはイギリスを発祥とするキリスト教を母体に組織され、日本では1880年にはじめて東京に設立された。1913年、東京YMCA理事長だった江原素六(えばらそろく)という人物が、北米YMCA の施設を見学したことから、体育館とプールの建設を国内に建設することを決定した。

帰国から4年後、1917年に東京・神田の地に屋内プールを備えた体育館が建設されることになった。以下は、東京YMCAが制作した屋内温水プールを紹介する動画である。

マッチョ課長
2017年には、日本初の室内温水プールを建設してから100周年を迎えたんだそうだぞ。

施設内には、温水プール・シャワー・バス・更衣室・各種運動施設などが作られたという。当時は東洋一といわれ、画期的な施設として注目を集めた。

このプールでは日本古来の泳法のほかに、現在は一般的に普及している「クロール」や「バックストローク(背泳ぎ)」といった近代泳法も研究されたという。

なおこの初代体育館は1963年に取り壊され、46年の歴史に幕を閉じた。その2年後、2代目の施設が建設されている。

雑学まとめ

水泳競技が海や川で行われた歴史と、日本国内の屋内外のプールについての雑学をご紹介してきた。

現在では、室内プールで競技が行うことが一般的になっている水泳競技。当初、水泳競技は海や川で開催されていたため、当然ながら選手たちは水温や天候などの影響も受けやすかっただろう。

こうした競技における時代の変遷を見ていくと、スポーツの発展の歴史が垣間見えておもしろい。

マッチョ課長
ちなみに、『オープンウォータースイミング』という、川・湖・海などで行われる水泳競技もあるんだ。オリンピック競技にもなっているぞ。
新人ちゃん
へー。水泳の腕だけじゃなくって、サバイバル能力も問われそうっすね。

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