昔は普段着として着ていた着物。浴衣は夏祭りに何回か着たことがあるし、自分で着付けもできるけど、着物は着たことないなぁという方、多いのではないだろうか?
そこで、着物と浴衣の違いって何なのだろうか?
今回は浴衣と着物の違いについての雑学をご紹介しよう!
【生活雑学】浴衣と着物の違いは?
【雑学解説】浴衣と着物の違いは大きく分けて4つ!
まず1つ目は素肌に着れるかどうか、という違いである。浴衣は下着の上に直接着ることもできるし、中に着るといったらタンクトップやキャミソール、下半身はショートパンツかステテコというラフな格好の上から着ることが出来る。
しかし着物を着るとなれば、「長襦袢(ながじゅばん)」という和装用の下着を中に着なければならない。この長襦袢は単に汗や汚れを防ぐだけではなく、この長襦袢と着物の生地の相性によりふっくら見せたり着やせして見せたりと、着物の着姿が変わってくるという。
長襦袢は下着として着物の下に着るので、外見上はあまり見えない。しかし、襟元の半襟や袖口、振りからチラリと長襦袢が見えるだけで、オシャレな着物通という印象を与えることも出来るのだ…!
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浴衣と着物の生地の違い
次に、生地や素材の違いについてだが、浴衣の場合は主に綿や麻との混合生地。最近ではポリエステル生地も多く販売されているという。
ポリエステルの特徴は、吸水性と速乾性に優れていたり生地が丈夫なため型崩れをしにくかったり、安価で発色もいいのでデザインやカラーバリエーションが出たり、というメリットがあるのだ。
一方、着物はというと、絹・木綿・ウールが主であるので、浴衣と比べてしっかりしていて、裏地も付くので透けにくい。またバリエーションが豊富でポップな印象の浴衣に比べると、上質かつ上品で、落ち着いたデザインのものが多いのだ。
フォーマルな場で着れるのは着物
浴衣と着物の違い3つ目は、フォーマルな場で着ることが出来るか、という違い。冠婚葬祭で着物を着ている人を見たことはあるが、夏だからと言って浴衣を着た人を見たことはあるだろうか? 答えはNOだ。
元々浴衣はお風呂上りに着るものであり、江戸時代になってから夏の外出用として使われるようになったのだとか。つまり浴衣は部屋の中でくつろいだり、涼しく過ごすための普段着であるため、冠婚葬祭に着物を着ていけても、浴衣はNGというわけである。
足袋を履かないのが浴衣、履くのが着物
そして最後の違いは、足袋を履くか履かないか。今はおしゃれとしてレースの足袋を浴衣と合わせる、という人もいるみたいだが、浴衣は基本的に裸足に下駄というスタイル。一方、着物は足袋を履いて下駄というのが基本なのだ。
もし街中で「あれは浴衣かな? それとも着物かな?」と思ったときには、まず足袋を履いているかどうか、次に襟元、袖口を見て長襦袢が中から見えるかどうかで判断が出来る。さらに、長襦袢が着物とあっていてオシャレだった場合は、かなりの着物上級者さんということも分かるぞ…!
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【追加雑学】浴衣と着物の襟が右前の理由
旅館に行ったときに、温泉上がりに着る浴衣。たまに着るからこそ、普段よりもなんだか色っぽく見えたり、かっこよく見えたりするものである。
だが! 温泉からでたあと、「あれ? 浴衣って右が前だっけ? それとも左?」なんてキョロキョロして、隣の知らない人の着方を真似しながら着る…なんてことはないだろうか?
右が前でも左が前でもどっちでもいいんだよー! だったら気にすることはないのだが、この浴衣というものは、襟が右前か左前かで、「生きているか死んでいるか」という違いが出てきてしまうので注意が必要だ…。
しかも「右前でしょ? 右の襟が前に来ればいいんだよ。」なんて思っている方はいないだろうか? 「右前」というのは、自分から見て右の襟が前に来るのではなく、右の襟を体側にして左の襟を前に出すという意味である。つまり人から見た場合は「左前」。なんて紛らわしいんだ…!
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なんと右前・左前かは法律で定められていた!
まず知ってほしいのが、この右前か左前かというのは、なんと719年に法律で決められていたのだ! ではなぜ、右前になったのか?
右前になった理由として、まず太陽はどこから昇るか? というのが今回の鍵である。太陽というのは、かつて日本では天照大神として崇められていた。
太陽は「東から昇り、西へ沈む」。それを北から見ると「左から昇り、右へ沈む」となり、そのことから先に太陽が来る左の方が右よりも上位という考えが生まれたという。
そこで719年、日本で一番偉い人、つまり天皇と接見した場合に備えて「右前」というルールが作られたのだ。つまり自分から見て右側を下にして左襟を前に出す! というのが、日本の右前作法の理由だったわけである。
だから、位の高い人は左前。その他大勢の庶民は右前にしなさいって説もあるらしいよ。
雑学まとめ
今回は浴衣と着物の違いについての雑学を紹介した! まさか右前が法律で決められていたことだったとはびっくりだ。
ちなみに、右前とか左前とか分からなくなった場合の一番わかりやすい確認の仕方は、「右手が懐に入れられるかどうか」で確認できるぞ。旅館などに行って、分からなくなってしまった場合はぜひやってみよう!