辛いときや悲しいとき・感動したときを含め、我々は様々な場面で涙する。美しい女性の涙に弱い、という男性陣も多いことだろう。
涙といえば、悲しいときに流すものを思い浮かべると思うが、実は涙は3種類に分類できるのを知っているだろうか? 涙が3種類? いったい、どんな分類になるんだろうか?
そこで今回は、人がさまざまな場面で流す涙の種類について、くわしくみていこう。涙もろい人は特に、自分が流している涙はどの種類になるのかを考えながら読んでいってほしい。
【人体雑学】涙は3種類ある
涙は1種類ではなく、「反射性の涙」・「基礎分泌の涙」・「情動性の涙」の3種類に分類できる。
【雑学解説】実は涙は3種類ある!?
悲しいときに涙が出るのはもちろん、まばたきをしても涙は分泌される。実は涙の分泌は全部で3種類に分けられるというのだ。
3種類…。涙の分泌にそんなにも種類があったなんて、初耳ではないか。一体、どうなっているんだろうか?
① 玉ねぎを切ったときによく出る、「反射性の涙」
玉ねぎを切っているとじわ~と目ににじむ涙。知覚神経が刺激を受けて涙が分泌されるもので、これを「反射性の涙」と呼ぶ。
目にゴミが入った場合も反射性の涙になるが、あくびをして出た涙は当てはまらない。なぜなら、あくびの涙は顔の筋肉が動き、それまで流れずに溜まっていた涙が単に押し流されただけなのだ。
つまり、あくびでたくさん涙が出たという人は、それだけ大きなあくびをして顔の筋肉が動いたということになる。
もしも、あくびを注意されたら今のことを相手に伝えてみよう。ひょっとしたら、感心して怒られずに済むかもしれない。ただし、保証はしないから自己責任で実践してほしい…。
② 目を守るための「基礎分泌の涙」
瞬きをして分泌される涙、これを「基礎分泌の涙」と呼ぶ。1日あたり成人で1~3ミリリットルほど分泌されており、この涙のおかげで我々の目は乾燥や細菌から守られている。
しかし、加齢や目に炎症がある場合、この基礎分泌の涙が正常に分泌されにくくなる。するとどうなるのか? これがドライアイである。
最近ではドライアイに関する研究もどんどん進み、適切な治療を行えば症状が改善できるようになってきてもいる。もしも、目に違和感を感じたならば早めに眼科を受診してみると良いだろう。
③ 感情によって流れる「情動性の涙」
悲しいときはもちろん、嬉しいことがあったときに流す涙もある。これを「情動性(じょうどうせい)の涙」と呼ぶ。
涙もろい人は、この情動性の涙をよく流しているということになる。この情動性の涙、最近の研究でストレス解消に効果的といわれているようだ。
これが本当ならば、ストレス社会に生きている現代人にとって、そのストレス解消方法の1つとしてすごく重要なものとなるかもしれない。
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【追加雑学①】涙は液層と油層の2層構造をしている
涙は水分だけという単純な構造ではなく、液層と油層という2層構造をしているのだ。涙め、なかなか複雑な構造じゃないか。やるな…と思わず感心してしまう。
さて、この2層構造それぞれの層には何が含まれているのだろうか?
涙の大部分を占める液層
まずは液層。涙全体の95%を占めており、水分・ムチンといった主成分以外に、たんぱく質やミネラルといった多くの成分が含まれている。
ここで、さっきから何回も登場している「ムチン」って何? と疑問に思っている人のために解説しておこう。
ムチンは、目の表面を保護・目の表面の涙を均一にするという重要な役割がある。もしもムチンがなければ、涙は均一に目に広がらず、すぐに流れていってしまう。
涙がすぐ流れ落ちたらいけないの? とも思っただろう。
涙はなにも泣いたときだけではなく、まばたきだけでも生まれているのだ。この涙のおかげで、物を正しく見る・目への異物感染を防ぐなどといった重要な役割をしている。つまり、涙が目にとどまらないと日常生活に支障がでるということである。
涙よ、こんなにも素晴らしい働きをしていたとは…。
涙の蒸発を防ぐ油層
どんなにムチンが頑張って、目の表面の涙を均一にしてくれていても、片っ端から涙が蒸発していったのでは意味がない。
そこで登場するのが、なんとびっくり…油なのだ。油が1つの層となり、眼球全体を覆うことで涙は蒸発せずにいることが出来る。
つまり、涙には油が含まれていないと意味がないということになる。涙と油と聞くとミスマッチに思えるが、実はこんなにも重要なものだったとは…。涙って奥が深いんだな。
【追加雑学②】今、「涙活(るいかつ)」が注目されている!
「涙活(るいかつ)」という言葉を聞いたことがあるだろうか? 涙活は最近の研究で、ストレス解消に効果があるのではないかといわれている。それが本当ならば、ストレス社会に生きているわれわれにピッタリではないか。
気になる涙活のやり方をみてみよう!
やり方はとっても簡単。リラックスした状態で感動的な映画見たり本を読んだりして、涙を流すだけである。
それだけ? と思ったそこの君。感動できる映像を用意したから、まずは実際に涙活をやってみてほしい。
どうだろう? うまく涙が流せただろうか?
「あ~、スッキリした! でもまだなんか物足りないんだよね~」というそこの君。より涙を流したい場合は、各地で開催されている涙活イベントへの参加をおすすめするぞ。断っておくが、決してイベントの回し者ではない。
同じイベントに参加した人たちと一緒に、同じ場所で涙を流そう。これだけで1人で泣くよりもさらにスッキリとし、ストレス解消に効果抜群といわれている。「人前では恥ずかしくて泣けないよ!」と抵抗がある人は、さっきの動画を見て涙を流すのも良いだろう。
雑学まとめ
涙の分泌は3種類に分類でき、それぞれの涙がわれわれの目を守るために、重要な役割をしていることが分かった。
とくに、涙を流すことはストレス解消になるというのだから驚きだ。ということは、涙もろい人はストレス解消を常にしているということなんだろうか?
もしも身近に涙もろい人がいるのであれば、今度その人が流している涙の種類について観察してみるのも面白いだろう。ただし、あまりも観察しすぎると、トラブルに発展する可能性があるので、見過ぎは注意。