耳の前に生えている髪の毛のことを何と呼ぶだろうか? と聞かれたら、みなさんは躊躇することなく「もみあげ」と答えるだろう。しかし、この「もみあげ」という名称の由来について、気になったことはないだろうか。
耳の下まで伸びているのだから、どちらかといえば「もみあげ」より「もみさげ」といった方が正しいと思ってしまうが…。今回は、もみあげの由来についての雑学に迫ってみた。どうか、最後までご覧いただきたい。
【人体雑学】もみあげの由来は?
【雑学解説】もみあげを揉んで上げていたことが由来
江戸時代の頃、ロウソクの蝋(ろう)と松脂(まつやに)を混ぜたものをポマードのように使って、もみあげをもちあげるヘアスタイルが流行っていたそうだ。ロウソクの蝋(ろう)と松脂で髪を「揉んで」もち「あげた」ので、もみあげと呼ばれるようになったというわけだ。
このもみあげをもち上げてかためるという髪型、どういったものか想像しがたい。当時の写真をみると、がっちりと立派なもみあげが形成されていてワイルドに見える。しかし、今の感覚からすると変な髪型にも思える。
しかも、もみあげを固めるだけでなく、頭頂部の髪も剃っていた場合が多いよう。これは平安末期、武士が兜をかぶったときに蒸れないために頭頂部の髪を剃ったものらしい。野球部が坊主にするような感覚ということか。
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他のもみあげの由来とされている説
代表的な説は、耳の脇に生えている毛なので「耳腋毛(みみわきげ)」と呼ばれていたことから、それがなまって「もみあげ」に転じたというものである。
有力な説な最初にご紹介した「揉んで上げる」だが、本当のところははっきりとしていないようである。それにしても耳腋毛とは何とも汚らしい名称である。
もみあげは地方によって、いろいろな呼び方がある
「もみさげ」・「はえさがり」といった、生えさがっているもみあげのイメージに沿ったネーミングや、「チャリ」・「びんこ」・「びんちょ」・「ビンタ」など地方によって呼び方がさまざまだ。
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【追加雑学①】もみあげの薄い女性は意地悪が好き
もみあげの薄い女性は意地悪が好きだそうだ。もみあげが薄いということは毛髪の量が少ないということだが、毛髪の量は男性ホルモンに影響を受
けるので、もみあげの薄い女性は男性ホルモンが少ないということらしい。
そしてこの男性ホルモン(テストステロン)が低い人は、公平さに欠ける傾向があるようだ。一言でいうと、揚げ足をとる傾向があるそう。揚げ足を取られるのは嫌なものである。「そんなこと言わなくてもいいだろ」と思ってしまう。
女性に男性ホルモンを与えると、公正に振る舞うようになるという調査結果もある。しかし、そうなると毛深くなり、女性ならではの悩みも増えてしまうらしい。
公正さを身に着けようとすると女性らしさが失われてしまうのだ! なかなか難しいものである…。
【追加雑学②】もみあげと髭の境界線
理容業界では、もみあげと髭の境界線が明確に定められている。そして、その境界線とは「耳たぶから鼻に向かって引いた線」であるそう。顔の一部を標準線の目安とすることで、誰でも髭ともみあげを明確に区別できるようにしたのである。
もみあげが長い人物としてルパン三世が真っ先に思い浮ぶが、ルパンのもみあげは耳たぶのはるか下まで伸びているので、ルパンのもみあげの一部は髭ということになる。
雑学まとめ
今回の雑学はいかがだったろうか。説明してきたように、もみあげは江戸時代の武士たちの変な髪型がもととなり、「揉んで」「上げて」いたことからもみあげと呼ばれていたのだ!
これで自分の子どもや近所の子たちに「ねえ、もみあげってなんでもみあげっていうの?」と聞かれたときに、どや顔で答えられるだろう。その際は、追加雑学で紹介した2つも合わせて教えてあげると「おじさん、かっこいい!」となり、鼻高々になれるかもしれない。