時間になると小窓から鳥が姿を現し、鳴き声で時刻を教えてくれる鳩時計。
鳩時計というからには出てくる鳥は「ハト」だと思っている人が多いだろうが、実はハトではないのだ!
「ポッポー」と鳴いてるうえに、「鳩時計」という名前もついている。それなのに、なぜこの鳥がハトではないのか、今回の雑学ではその正体を解説してみよう。
【生活雑学】鳩時計の鳥はハトではない
【雑学解説】鳩時計の鳥の正体とは!?
「閑古鳥」とはカッコウの別名である。そう、鳩時計の鳥の正体はカッコウだったのだ。
「ポッポー」と鳴いていると思っていたのも、「カッコー」と鳴いているのが正しい。よく目にする一般的なハトの鳴き声は「クルックー」とか「ポロッポー」と表現する方が近いだろう。
そして、こちらが本物のカッコウの鳴き声。鳩時計の音はまさにこれだ!
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【追加雑学①】鳩時計と呼んでいるのは日本だけ
鳩時計はドイツのシュヴァルツヴァルト地方で普及した、重りで動く木製の振り子時計。カッコウをモチーフにしているため「クッククスウアー(カッコウ時計)」と言われている。
カッコウが採用されたのは、カッコウの鳴き声が高音と低音の二音のみで表現でき、作りやすかったため。なんでもニワトリの声は複雑すぎて断念したらしい…。
また、ヨーロッパではカッコウのことを「春告鳥(はるつげどり)」と呼び、農民の間では縁起の良い鳥とされていた。カッコウが鳴くのを聞いたときにお金を持っていたら、その年はお金に困らないという金運のシンボルにもされていたりで、幸運を運ぶ鳥として親しまれているのだ。
英語でもフランス語でも「カッコウ時計」と呼ばれ、「鳩時計」と呼んでいるのは日本だけ。ドイツの時計工房の職人に「鳩時計」と言うと、嫌がられてしまうこともあるんだとか!?
【追加雑学②】なぜ日本では鳩時計と呼ばれているの?
ヨーロッパでは縁起の良いカッコウも、日本で「閑古鳥が鳴く」と言うと、さびれた様子を表す言葉でありイメージが良くない。そのため、鳴き声も「ポッポー」と聞こえなくもないから平和の象徴のハトにしよう! といった経緯でハトが選ばれたという説がある。
もしくは、ドイツから日本に入ってきたときに、単純に日本人がカッコウをハトだと思い込んでしまい「鳩時計」として売られたという説もある。
どちらにしろ、「カッコウ時計」よりも「鳩時計」の方が呼びやすいし、ハトの方が日本人には浸透しやすかったと思われるので、これで良かったのではないだろうか。
雑学まとめ
「鳩時計」についての雑学、いかがだっただろうか。ハトだと信じて疑わなかった「鳩時計」の鳥の正体は「カッコウ」だった。
山奥から聞こえる、カッコウのもの悲しい鳴き声も、海外では幸運を呼ぶ鳴き声なのだ。
正体がわかったところで、「鳩時計」と呼ぶのは変わらない。が! 「鳩時計」と呼んでいるのも日本だけなので、海外では通じない、もしくは通じてもプライドの高い職人には知らんぷりされるかもしれないので要注意!
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