サラリーマンであれば仕事の日には毎日袖を通すこととなるワイシャツ。白いワイシャツは清潔感がでるので、ビジネスシーンには最適だ。そんなワイシャツだが、着用していて気になった点はないだろうか?
そう、裾の長さが一定ではなく、前後の部分だけ長くなった不思議な形になっていて奇妙さを感じたこともあるだろう。今回の雑学ではワイシャツの前と後ろが長い理由について調べてみた。最後までお付き合いいただきたい。
【生活雑学】ワイシャツの前と後ろが長い理由
【雑学解説】裾は下着の名残だった!?
上着の内側に着る衣類としてワイシャツが生まれたのは17世紀ごろのフランスであった。当時はブリーフやトランクスなどの下着として使っている衣類がまだ発明されておらず、ワイシャツを下着として着用していた。
もともと当時の人は何も履かずに直でズボンを履くという、ズボン版・石田純一スタイルをとっていたのだが、さすがに何も履かないのは衛生的に良くないと考えた。そのためワイシャツの前後の裾を伸ばして、大切な部分をくるんでいたのだ。今でいうところのふんどしのような使い方をしていたのである!
一番下のボタンを後ろの裾のボタン穴に収納して、きちんと股間を覆っていたそうだ。現在のワイシャツの一番下のボタンが余っているのもこの名残らしい。
つまり現在のワイシャツの形状は当時の名残がそのまま残されている格好になる。現在はほとんどの人が下着を着用しているので、もう前後の裾を伸ばしておく必要はなさそうだが…。
同じく下着が由来のTシャツに関しては、裾が水平にカットされ、美しい直線の裾が形成されているのにワイシャツはそのままである。なぜだろうか? もしやパンツを履かずに外出してしまったサラリーマンのための配慮だろうか?
ちなみにふんどしやブリーフ、肌着のシャツなどは白のイメージが強いが、ワイシャツが白が基調になっているのも、もとは下着として使っていたためだと考えられている。
さらに当時のワイシャツは襟やカフスなど目立つ部分は取り外しが可能で別途洗えるようになっていた。それ以外の部分は今のようなビジネスマンの仕事着というイメージではなく、下着そのものだと考えられていたのだ。
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【追加雑学①】ワイシャツの語源は?
ワイシャツという名称をはじめて聞いた時、「ワイシャツってどこがYなんだろう?」と疑問が生じただろう。ワイシャツのどこがYなのかと問われれば襟の三角ゾーンのことだと思われるが、実はワイシャツの由来はYの形をしているからではない。
英語の「ホワイトシャツ」が訛ってできた日本独特の言葉なのだ! そのため日本以外の国でワイシャツといっても通じないので注意いただきたい。
今は青・ベージュ・グレーなど、様々なカラーのワイシャツが発売されているが、もともとの意味は「白いシャツ」であり、単にシャツの色を示した言葉なのだ。「そのブルーのワイシャツ似合ってますね。」なんて日本ではよく聞く表現だが、本来の意味とは違うのでは?
一応頭に入れておいていただければ嬉しい。
【追加雑学②】カッターシャツとの違いは?
カッターシャツと呼ばれているシャツの種類があるが、見た目はほぼワイシャツと変わらないため、ワイシャツとカッターシャツはどこが違うのか疑問に思った人も多いだろう。実はカッターシャツもワイシャツのひとつ。
カッターシャツ独自の特徴は、もともとはスポーツ用品メーカー「ミズノ」が作ったスポーツ用シャツだったということ。つまり、もとは企業の商標名だったのだ!
西日本ではワイシャツよりもカッターシャツが言葉としてよく使われるが、これはミズノの本社が大阪にあり、呼称が浸透しやすかったためだと考えられている。
雑学まとめ
今回はワイシャツについての雑学をご紹介してきたが、いかがだっただろうか。ワイシャツを下着として使っていたとは今でもにわかには信じがたい。あの波型の裾で股間をくるんでいたとは驚いたものである。
今でも形が維持されているのだから下着として使うことは可能だ。もし興味があるなら試してみてはいかがだろう。どうせ見えない部分だし…。
まぬけな形をしていると思っていたワイシャツの裾だが、その形にもちゃんと意味があったのだ。ワイシャツが下着だと考えると夏場はみんな下着姿で仕事をしていることになる。そう考えると苦手な上司も滑稽で可愛く思えるかもしれない。
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