筆者は、4本の親知らずをすべて抜いた。
20代前半の生えてきた当初は「お、歯が4つも増えてなんだかお得?!」という感覚だった。
だが、かかりつけの歯医者に「あなたの親知らずの生え方は前の歯を圧迫しているので、歯並びがひどくなり、さらに虫歯の原因になりますよ」といわれてしまったので、1年以上かけて全部抜き取ってしまった。
一般的に、けっこう痛いといわれる親知らずの抜歯施術。たしかに麻酔は痛かったが、歯を抜かれる感覚はなかなかオツなものであった。周囲にはドン引きされたが、Mの方なら分かってくれるかもしれない(著者は女性である)。
ところで、「親知らず」という名前、不思議ではないだろうか? どうしてこのような名前がついたのであろうか? 今回はそんな「親知らず」についての雑学をご紹介!
【人体雑学】「親知らず」の由来は?
【雑学解説】「親知らず」=親に知られることなく生える歯
親知らずとは、あごの一番奥の方に生えてくる歯のことである。上下左右全部で4本あり、32本ある歯の中では生えてくる時期が一番遅い歯だ。また、人によっては全部は生えそろわなかったり、あるいは1本も生えないこともある、不思議な歯である。
この「親知らず」という響き、なんだか怖いと思わないだろうか? 親に何もいわずに、海外でほぼ住所不定無職生活をしている筆者にはなんとなく、この言葉が「親不孝者」という響きをもっているように感じられてしまう。
しかし、「親知らず」という不思議な名前がこの歯に与えられたのには、以下の由来があるのだ。
親知らずが生える時期は遅い。その時期は、大体10代後半から20代前半が一般的である。また、中には40歳くらいで生える人もいるのだそうだ。
このころになると、親が子どもの口腔内なんて見ることはないであろう。「お口アーンしてぇ~! あれぇ、○○ちゃん、新しい歯が生えてきたでちゅねぇ~!」なんて、親にいわれる年ごろではない。
子どもが精神的自立をし、親離れする年齢で生えてくる歯なので、「親知らず」と名付けられたのだそうだ。
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【追加雑学】海外では親知らずはどう呼ばれているのか?
それでは、親知らずは海外ではどのように呼ばれているのだろうか?
まずは、英語から。英語で親知らずは「wisdom teeth」といい、意味は「知恵の歯」である。これは、物事の良し悪しが判断できる能力が身に付いたころに生えてくる歯であるということが由来なのだという。
しかし、知恵なんて名前、なんだか立派すぎないか? 「男は50歳過ぎてから」の枯れ専の筆者からいわせると、20代なんてまだまだ坊やもいいところである!
さて、他の言語ではどうであろうか?
フランス語では「dent de sagesse」、ドイツ語では「weisheitzahn」、中国語では「智歯」…どれも、英語同様「知恵の歯」という意味をもつ。イタリア語では「denti del giudizio」と呼ばれ、直訳すると「判断の歯」となるが、これも知恵の歯に通ずる意味であろう。
だが、韓国語の親知らずはひと味違う。「사랑니 (サランニ)」というのだが、この意味は「愛の歯」である。これは、恋愛というものを知るお年頃に生えることが由来しているのだという。おぉ、韓国、Romanticが止まらない!
今後、筆者は親知らずのことを「愛の歯」と呼ぶことにする。
雑学まとめ
今回は「親知らず」にまつわる雑学を紹介させてもらった。「親知らず」は10代後半から20代前半にかけて生えてくる歯のことであり、この時期には親から精神的に自立をしていることが語源となっている。
また、世界的にみると「知恵の歯」と呼ばれることが多いこの歯は、韓国では「愛の歯」という素敵な名前が付けられている。
どれも共通していえることは、この歯が生えるころには、精神的に大人になっているという意味合いを含んでいることではないだろうか? 永遠にネバーランドの住人である筆者にも親知らずが生えたのは、不思議で仕方がない。
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