クレジットカードや電子マネー、お財布携帯。キャッシュレス化が加速するこのご時世、スーパーやコンビニで小銭をじゃらじゃらさせて支払うのが気恥ずかしいこともあるのではないだろうか。
いやいや、やっぱり現金を持っていないと何かと不便だという人もいるだろう。中には硬貨コレクターという景気の良い趣味をもつ人もいる。
誰もが知っているように、硬貨には製造年が刻印されている。いつ作られたかが一目で分かり、レアな年のコインに収集家は目を輝かせるわけである。
が、しかし! 硬貨にはあるのに、紙幣には製造年月日が記されていないことにお気付きだろうか? 同じお金なのになぜだ?
今回はそんな、紙幣製造年月日の謎についての雑学をご紹介するぞ!
【生活雑学】紙幣に製造年月日が記されていない理由
【雑学解説】紙幣に製造年月日が記されていない理由は、そういうデザインだから!
そういうデザインだから! って、あっさり言われても納得できな~い! というアナタ。では説明しよう。
まず、紙幣や硬貨のデザインは誰が決めているのかという点である。日本で流通しているお金は、日本銀行が発行していることはよく知られているだろう。しかし実は、紙幣の製造は、独立行政法人「印刷局」によって行われている。
デザインはというと、日本銀行・印刷局・財務省の間で協議がなされ、最終的に財務大臣が決定するようだ。
日本国民すべてが毎日手にするお札の絵柄をめぐって、きっと熱い討論が繰り広げられてきたことであろう…。その話し合いの末、お札には製造年が記されないデザインになったのだ。
その理由は、硬貨が何十年も使用されるのに対し、紙でできた紙幣は数年で寿命がきてしまうから、年を書いても意味がないというものだ。
紙幣の使用年数は、一万円札でだいたい4~5年、千円札と五千円札だと1~2年ほどだといわれている。日々数えきれない人の手汗がにじみ、いろんな機械の摩擦にさらされる。どんなに上質な紙を使用しても、紙幣の命ははかないのだ。
スポンサーリンク
【追加雑学①】貨幣に製造年月日が記されている理由
佳人薄命、女性に年齢を聞くのは野暮よ、という感じで、寿命の短い紙幣に製造年が不要なのは分かった。それにしても、なぜ貨幣にはすべて製造年が刻まれているのか。
それには貨幣の歴史にヒントがある。現代の日本の硬貨は、白銅・青銅・ニッケル・アルミニウムなど、比較的原価の安い金属でできている。しかしかつては、貨幣に金や銀が含まれていて、貨幣そのものに価値があった。
さらに、金や銀の含有量はその年によって異なっていた。そのため、貨幣に製造年が刻まれ、貨幣自体の価値がはっきり分かるようにしていたのだ。
現代の硬貨にはそれ自体にさほど付加価値はなく、毎年同じ材質で作られているので実際には製造年を記す必要はないのだが、昔の名残で今も製造年が書かれているわけだ。
おすすめ記事
-
硬貨と紙幣、お金の製造コストはどのくらい?【動画】
続きを見る
【追加雑学②】古くなって使われなくなった紙幣はどうなる?
紙幣は寿命が短いとのことだが、古くなって使われなくなった紙幣はいったいどうなるのだろうか?
紙幣は銀行と市場だけを行き来しているだけでなく、定期的に日銀へ送られている。日銀は戻ってきた紙幣をチェックして、まだ使えるものだけを再び金融機関に送る。
古くなって劣化が激しいものは廃棄したり、トイレットペーパーなどにリサイクルしたりするそうだ。
この雑学を知ると、再生紙利用のトイレットペーパーに対するイメージがちょっと変わるだろう。用を足した後の始末にお札を使うなんて、なんてセレブなんだ! この1ロールに何万円使われたのかと思うと、トイレで一人ニヤついてしまうだろう。
雑学まとめ
今回は、紙幣に製造年月日が記されていない謎についての雑学をご紹介した。
その理由は、紙幣は硬貨とは違って寿命が短いので、製造年を書いても意味がないという、明快かつ合理的なものだった。
そして、役目を終えリサイクルされたお札は今、アナタのトイレでさらなる仕事のためにスタンバイしているかもしれない!
おすすめ記事
-
破れた紙幣を銀行で交換できる条件とは?どのくらい残っていればOK?
続きを見る