僕の大好きなクラ~リネット パパからもらったクラ~リネット…
「クラリネット壊しちゃった」の出だしの歌詞だ。この歌、子供の頃に歌ったことがあるという方も多いだろう。
では、そのままサビの部分まで歌ってみてほしい。声を出せる状況にない人は、心の中で。「どーしよう どーしよう」のあとがサビだ。
…このサビの部分で首を傾げた人も多いのではないだろうか。
サビ部分の歌詞は、一体どういう意味なのか。そもそも意味はあるのか。調べてみると、意外な事実が判明したぞ! 今回はそんな「クラリネット壊しちゃった」のサビについての雑学をご紹介していこう!
【生活雑学】「クラリネット壊しちゃった」のサビはどういう意味?
【雑学解説】「パパ」が「僕」を励ましている場面を歌った歌詞
「オーパッキャマラド パッキャマラド パオパオ パンパンパン オーパッキャマラド パッキャマラド パオパオパ」
これが、「クラリネット壊しちゃった」のサビ部分だ。先ほど歌っていただいた、または思い浮かべていただいた歌詞と合っていただろうか。
「パパからもらったクラリネットを練習してたんだけど、音が出ないよ! 壊しちゃった、どうしよう!」と困った男の子がパニックになって、急に叫びだした…わけではない。
歌うとテンションが上がる呪文のようなもの…でもない。
実はこれ、フランス語なのだ。
「クラリネット壊しちゃった」は元々フランスの歌で、日本語訳されるときに「リズムに乗ったフランス語のままの方が楽しく歌えるから」という翻訳者の意図で、訳されずそのまま残った部分である。
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サビはフランス語。ではその意味は…?
サビ部分をフランス語で書くと、
Au pas, camarade, Au pas, camarade, Au pas, au pas, au pas
Au pas, camarade, Au pas, camarade, Au pas, au pas, au pas
Au pas, au pas...
となる。
読み方は、
「オ パ キャマラード、オ パ キャマラード、オ パ オ パ オ パ」。
一番知りたい意味についてだが、解釈が複数あり「リズムに合わせるんだ、同士よ」や「仲間よ、共に進もう」という意味になるそうだ。
- au=定冠詞の縮約形(カフェ オ レの「オ」の部分)
- pas=ステップ、歩み
- camarade=同士、仲間
- au pas=直訳では「並足で」だが、この曲の中では「リズムに合わせて」とか「ステップを踏んで」とか「いざ進め」になる
また「Au pas」は軍の号令でも使われるそうで、その場合は「Au pas 〇〇!」と名前などを入れて、「〇〇、前へ進め!」という意味になるのだ。
いずれの解釈でも、『パパ』が『僕』を励ましているという場面が思い浮かぶ。
サビ部分は、日本語で歌うときに「オーパッキャマラド~」とつなげて歌うから意味不明な言葉のようになってしまうわけで、本来はちゃんとしたフランス語の文章なのだ。
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【追加雑学①】クラリネットは壊れていない
日本語の歌詞の中の『僕』は、クラリネットを吹いても音が出ないから壊れてしまったと思っている。
だが実は壊れているのではなく、うまく音が出せていないだけ。
クラリネットは音を出すのが難しい楽器なのだ。たとえばリコーダーなら、指の位置が適当でも息の吹き出し方が悪くてもとりあえず音は出る。
しかしクラリネットは、指の位置を「ド」の音に合わせても、吹き方が悪いと音が出にくい。
『僕』はまだまだ練習不足というわけだ。
そんな『僕』に、「さぁ音楽を愛する同士よ、リズムに合わせて。一緒に練習しよう。」と『パパ』が言っているのかもしれない。
【追加雑学②】「クラリネット壊しちゃった」はナポレオンの時代の行進曲を参考にした!?
「La Chanson de l'oignon(玉ねぎの歌)」というものがある。ナポレオン・ボナパルトが率いた大陸軍が歌っていたとされる行進曲だ。
この「玉ねぎの歌」の中に、「オ パ キャマラド~」のメロディーと同じメロディーがある。「玉ねぎの歌」の動画を発見したので聞いてみてほしい。
まったく同じメロディーではないか…!
しかし、この「玉ねぎの歌」に関する情報は少なく、この曲が「クラリネット壊しちゃった」の原曲であると結論付けることはできないという。
ちなみに「玉ねぎの歌」の日本語訳は、「油で揚げた玉ねぎ大好き。玉ねぎうますぎ。玉ねぎがあれば獅子にもなれる! オーストリア人にはあげない。玉ねぎマジ愛してる。さぁ行くぞ戦友よ!」
という感じらしい。
玉ねぎは長期保存可能で調理方法も様々。当時の軍隊の食料として重宝されていたようだ。玉ねぎへの愛を叫びながら行進するとは…みんな本当に玉ねぎが好きだったに違いない。
雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。「クラリネット壊しちゃった」のサビは、クラリネットを練習するもうまく吹けない息子を父親が励ますという、ほっこりするストーリーだというのが解釈の1つだ。
しかし、日本語バージョンの歌詞では原曲から省略されている部分もある。フランス語版では、また違うストーリーがあるかもしれない。
どんな解釈であれ、「クラリネット壊しちゃった」は老若男女に知られ愛されている曲である。
翻訳者が「フランス語のままの方がリズムが楽しいから」と、あえて残したサビの部分。今までは「何いってんの?」と思いながら歌ったり聴いたりしていた。しかし、次にもし歌う場面が来たら、父と子がクラリネットを練習している場面を思い出して楽しく歌いたいものだ。
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