ダニがみんなの嫌われ者であることは、疑いようもない事実だ。
部屋の中のホコリや食べかすなどを食べて増殖するのも気持ち悪いし、アレルギーの原因ともいわれている。ちなみに、筆者は引きこもりニートのときに、母親から「お前は我が家のダニだよ!」という素敵なお言葉を頂戴した。
そんな嫌われ者の彼らだが、実はわれわれの顔にも、「顔ダニ」と呼ばれるダニがいるという噂がある。毎日念入りに顔を洗っていてもだ。…これはなんともショッキングな事実である。
顔ダニとは一体何者なのか…今回はそんな彼らの実態に迫ってみたので、雑学として解説していこう!
【人体雑学】人間の顔にはほぼ100%ダニがいる
【雑学解説】かわいいあの子の顔にも存在する「顔ダニ」
顔ダニ…響きは最低だ。文字通り、顔に生息するダニのことである。「ニキビダニ」や「毛包虫(もうほうちゅう)」と呼ばれることもあり、全長0.2~0.3mmほどのニキビダニ科ニキビダニ属の生物のことを指す。
顔ダニは、赤ちゃん以外のほとんどの人間の皮膚に潜んでおり、なんと、大人では100%に近い確率で寄生しているといわれているのだ。
以下の動画に映っているのが、顔ダニである。虫が苦手な人は閲覧注意だ。
こういってはなんだが、短い脚を使ってニョロニョロと動くさまは、けっこうかわいいものである。個人的には「動きの鈍いネコバスみたいだな」と思ったのだが、ジブリファンの知人にいったら怒られた。
ところでニキビダニという別名をみると、まるでこのダニがニキビに寄生する生物であるかのように感じられるが、そういう訳でもない。顔ダニは、人間の毛穴の中に潜んでいるのだ。
そして残念ながら、ニキビのないツルスベ肌の持ち主の顔面にだって、顔ダニは存在する。……いや、顔だけではない。全身に生息している。その数、顔だけで約200万匹に及ぶのだという。
なんと、毛穴ひとつあたりに、5~6匹の顔ダニさんが住んでいらっしゃるらしい。ということは、かわいい彼女の頬に触れるのと同時に、何万匹もの顔ダニにも触れることになるのか…?
「ばっちぃ!」と思ってしまったあなたも安心してほしい。顔ダニは毛穴から出てくることはないそうだ。しかし、好きな子が顔で飼っているのなら、ダニさえも愛らしくみえてくることはないか…?
顔ダニによるトラブル
誰の肌にもいる顔ダニだが、過剰に繁殖してしまうと肌のトラブルのもととなってしまうので、少々注意しておきたい存在でもある。
顔ダニによってアレルギーを発症してしまい、皮膚のかゆみを引き起こしたり、顔ダニの抜け殻や死骸が毛穴につまることで、ニキビができてしまうことがあるのだ。
顔ダニが増えてしまう原因は、「脂っこい食事」だといわれている。
顔ダニは皮脂を食べて育つ。油ぎっとりな食生活を送ることで、過剰に分泌された皮脂は顔ダニたちの温床となるのだ。揚げ物は美味しいが、皮膚の健康のためにも食べすぎには気をつけたいところである。
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【追加雑学】実は顔ダニは必要な存在
肌トラブルの例などをみていると、顔ダニは駆逐すべき宿敵のように感じられるだろう。ましてやダニという名前が不潔そうで、その気持ちにも拍車をかける。
たしかに顔ダニはトラブルの原因になる。しかし、われわれの肌に必要な存在でもあるのだ。皮脂を食べて生きる顔ダニは、皮脂の量をコントロールする役割を果たしている。
このように顔ダニは、人間の体に寄生している病原性がない生物「常在菌(じょうざいきん)」に似た役割を果たすのだ。常在菌の代表例といえば、腸内環境を整える腸内細菌などもそうである。
最近では、「顔ダニがニキビの原因になる」という情報から、過剰に洗顔を繰り返し、かえって肌のトラブルを悪化させるというケースが増えている。
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顔ダニの存在そのものが、必ずしもニキビを引き起こす直接的な原因であるとは限らない。過剰な皮脂分泌も原因の一部となることを考えれば、むしろニキビができるのを防いでくれているともいえるではないか。
ニキビに悩んでいる方がいれば、顔ダニのせいと決めつけるのは早計だ。ホルモンバランスの乱れなど、自分では対処が難しいケースもあるので、一度皮膚科で診てもらった方が良いだろう。
雑学まとめ
人間の毛穴には顔ダニが潜んでいるという雑学をご紹介した。ダニという名前を持っているせいで悪役のように嫌われているが、彼ら自身が悪さをすることはない。
ただし、顔ダニの数が異常に増えてしまうと、アレルギーや肌荒れなどを引き起こしてしまう。顔ダニの餌となる皮脂が増えすぎないよう、栄養バランスのとれた食生活を送ってほしい。