お線香は仏壇やお墓へのお供えに欠かせないものだ。しかしこのお線香の意味をちゃんと知っている人は少ないのではないだろうか?
私としては「亡くなった人の供養のため」という意味で使っているものだと思っていたのだが、どうやらそれだけではなく、複数の意味が込められているようだ。
お線香から良い香りがすることや、煙がまっすぐ立ち上ることなども、それらの意味に関係しているというぞ!
今回はそんなお線香に関する雑学を紹介しよう!
【生活雑学】仏壇やお墓にたてるお線香には様々な意味がある
【雑学解説】供養のためだけじゃなかった!お線香の色んな意味
仏壇やお墓にお線香をたてることには、大きくわけて3つの意味がある。以下よりそれぞれ解説していこう。
故人の食べ物
実は仏教では「香りは仏さまの食べ物」という考えがある。そのため、お線香の香りは故人の食べ物になるのだ。炊きたてのご飯を仏壇に供えるのも、ご飯の湯気や香りが、食べ物ととらえられるからである。
仏さまに食べ物をお供えしても、もちろんその食べ物がなくなることはない。しかしそれなら仏さまはお供え物を食べていないのか…という話になる。こういったことから、「香りを食べている」とされたのだろう。
最近ではお菓子の香りを使ったお線香なんてものもある。香りのレパートリーが増えて、仏さまも喜んでいるのではないだろうか。
お清め
お線香の煙は、「自分自身の身を清める」とされている。お寺に行くと、香閣(こうかく)という、大きな香炉にお線香がたてられているところがある。参拝者が煙を手で仰いで浴びているのを見たことがある人もいるだろう。
あの煙にはお清めの意味があるのだ。
仏壇やお墓と相対するということは、仏さまと相対するということ。そのため、お線香によって身を清めておく必要があるのだ。これは大事な人と会うときに身なりを整えることとよく似ている。
仏さまと向き合う機会
お線香に火をつけると、煙が立ち上る。この煙は、自分と仏さまを繋げて、向き合う機会を与えてくれるものだと仏教では考えられている。
そのためお墓や仏壇などで故人と向き合うときは、お線香をたてるのだ。まっすぐ伸びるお線香の煙は、まるであの世とこの世をつなぐ糸のようである。
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【追加雑学】宗派によってお線香の立て方は違う
日本の仏教には、いろんな宗派がある。実は、宗派によってお線香のたて方も異なることを知っているだろうか? 宗派ごとの違いは以下の通りだ。
宗派 | お線香の立て方 |
浄土真宗 | 1本を2つに折って寝かせる |
浄土宗 | 特に本数は決まっておらず、立たせても寝かせても良い |
日蓮宗 | 1~3本を立てる |
真言宗・天台宗 | 3本立てる |
曹洞宗・臨済宗 | 1本たてる |
正直こうもバラバラだと「ややこしいから統一してくれ…」と思ってしまうのは内緒だ。まあ…自分の宗派さえ覚えていれば問題ないだろう!
ちなみに、1本たてる場合は香炉の真ん中に、3本たてる場合は逆三角形になるように立てるのが一般的である。
雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。お墓や仏壇でお線香をたてることには、「故人の食べ物」・「お清め」・「仏さまとの繋がり」といった、さまざまな意味があった。
お線香ひとつをとっても、多くの意味が込められていることには、それだけ昔の人たちが仏さまとの向き合い方を考え続けてきたということが表れている。古くからのしきたりを辿ってみると、往々にして人の想いが込められているものなのだ。
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