2018年にNHKの朝の連続ドラマ「まんぷく」で取り上げられたこともあり、以前からインスタントラーメンの元祖といえばチキンラーメンという認識が広まっている。
しかしながら、日清食品がチキンラーメンを発売した1958年(昭和33年)の数年前に、即席麺を発売した別の会社があったのをご存知だろうか?
実は、チキンラーメンが発売される3年前の1955年(昭和30年)、現在の「おやつカンパニー」の前身である松田産業が「味付中華麺」という即席麺を販売しているのだ! これが事実ならば、「まんぷく」の主人公は松田産業の社長でなければならないはずだが…。
とはいえ、世間一般にはチキンラーメンが初めてのインスタントラーメンとされている。それは、いったいなぜだろうか? 今回の雑学記事では、その理由やインスタントラーメンの歴史について説明していきたい。
【食べ物雑学】インスタントラーメンの歴史とは?
【雑学解説】日本初のインスタントラーメンとは?
先ほども述べたように、日清食品のチキンラーメンは1958年に発売され、1962年(昭和37年)には、その製法である「瞬間油熱乾燥法」の特許を取得している。
そして「瞬間油熱乾燥法」とは、「麺を油で揚げて乾燥させて保存性を高め、お湯を注ぐだけで食べられるようにする製法」であり、この製法で作られた麺がインスタントラーメンとされているのだ。
つまり、上記の製法で作られたチキンラーメンこそが、初のインスタントラーメンというわけである。
一方、松田産業が販売していた「味付中華麺」は、麺を昔ながらの天日干しで乾燥させたものであり、従来の乾麺との区別が微妙だったようだ。そのため、商業的には失敗しており、初のインスタントラーメンの座もチキンラーメンに譲ることになっている。
しかし、松田産業が躍進するのは、ここからの話。味付中華麺の製造過程で出てきた麺のかけらを、「もったいないから」という理由で袋にまとめて社員に配ったところ、それが美味しいと評判になったそうだ。
それだけ評判がいいなら、いっそのこと商品化してしまえ…というわけで、食感や味付けを調整して1959年(昭和34年)に売り出されたのが、「ベビーラーメン」。のちに「ベビースターラーメン」と改名され、誰もが知っているお菓子となる商品である。
1993年(平成5年)には、「おやつカンパニー」へと社名を変え、完全にお菓子製造会社として生まれ変わった同社。もともとは同じような商品を売っていた日清食品とは、完全に別の道で発展しているのは興味深いところだ。
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【追加雑学①】海外のカップラーメンは麺の長さが短い
ラーメンを食べるときのあのズズーッという音は、聞いてるだけで食欲を刺激する悪魔の音色である。
しかし、日本を訪問する外国人が多くなったことで、「ヌードルハラスメント(通称:ヌーハラ)」と呼ばれる、麺をすする音に関する問題が浮かび上がっている。こればかりは文化的な違いであるので、どちらがいい悪いの問題ではないだろう。
しかし、カップヌードルなどの日本発祥のインスタントラーメンは世界中で人気のある商品であり、長い麺を食べるときはすする必要がでてくるのではないだろうか?
実は、海外では音を立てずに食べられるよう、日清食品のカップヌードルは麺の長さが短くなっているらしいのだ。さすが、世界的に人気のカップヌードルだけあって、国ごとの文化に対応しているのは素晴らしいとしかいいようがない。
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【追加雑学②】インスタントラーメンは水で作ることもできる!
災害時の備えとして、インスタントラーメンを非常食として準備している人も多いだろう。保存性がよくて軽く、熱湯を注ぐだけで手軽に食べられるインスタントラーメンは、まさに災害時にうってつけの食べ物だ
とはいえ、非常時ゆえにお湯があるとは限らない。そうなると、インスタントラーメンは食べられず、非常食として役に立たないではないか! そのように不安になった方は安心してほしい。
警視庁警備部災害対策課が、twitterでインスタントラーメンを水で作る方法を紹介しているのだ。
災害時を想定して一度やってみようと思っていた『水でカップ麺作り』に挑戦!麺に味がついたカップ麺を用意し、水を注いで15分。麺は少しかためでしたが、スープもちゃんとしみ出して味もイイ感じ(驚)!試食した息子たちから「冷やしラーメンみたいでありだよ、あり!」と感想が出ました! pic.twitter.com/vOiEXtWspS
— 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) August 22, 2017
作り方は簡単で、チキンラーメンなどの味がついたインスタントラーメンに水を入れ、15分間待つだけ。水で作るインスタントラーメンは美味しくないのでは…と疑問に思うかもしれないが「冷やしラーメンみたいであり」という感想もあり、味に関しては心配する必要はなさそうだ。
警視庁警備部災害対策課のtwitterは、ほかにも災害時に役立つ情報が満載なので、なにか起こる前にぜひ一読をオススメしたい。
インスタントラーメンの歴史|雑学まとめ
初めてのインスタントラーメン=チキンラーメンという頭だったため、それ以前にもインスタントラーメンが発売されていたのにはビックリだった。
しかも、それがロングセラーのお菓子・ベビースターラーメンの元だったことには、二重にびっくりである。おやつカンパニーには、ベビースターラーメンをさらに発展して、子ども達の舌を楽しませてほしい。
そういえば、おやつカンパニーという名前はどこかのサイトの名前に似ているような…。そう、この「雑学カンパニー」と名前が似ているのである。おやつカンパニーのように誰からも親しまれるサイトを目指すので、これからも雑学を楽しんでもらえれば幸いだ。