「味噌ラーメン」。なんて魅力的な言葉だろう。口にしただけで味噌ラーメンの絵が頭に浮かび、お腹が空いてくるのは筆者だけではないだろう。
そんなみんなから愛される味噌ラーメンだが、そもそも発祥はどこなのだろう? 古くから日本人が親しんできた味噌を使うからには日本作られたのであろうが、日本のどこだろう?
今回は、味噌ラーメン発祥についての雑学に迫る!
【食べ物雑学】味噌ラーメンの発祥と歴史とは?
【雑学解説】味噌ラーメンの発祥は意外と最近
ラーメン自体の歴史は明治中期ごろに遡る。横浜や神戸の中華街でラーメンの原型である「南京そば」が食べ始められたのがきっかけであると言われている。
しかし、味噌ラーメンが考案されたのはわりと最近だ。札幌市内の大衆食堂「味の三平」の初代店主である大宮守人(おおみやもりと)氏によって、1955年に考案されたメニューなのである!
札幌ラーメンといえば味噌ラーメンの代名詞でもあるが、それまでは札幌でも普通の醤油ラーメンなどが食べられていたようだ。
味噌ラーメンが開発された背景
当時、「リーダーズ・ダイジェスト」という雑誌に掲載された、スイスの食品メーカー・マギー社の社長の「味噌の効用は高い。日本人は味噌をもっと料理に活用するべき」という言葉に、大宮氏が感銘を受けた。それがきっかけで、味噌ラーメンの開発を始めたという。
その後、日本各地から様々な味噌を取り寄せて試してみたり、試作品を常連客に味見してもらい、意見を取り入れたりと試行錯誤が続いた。その結果、1963年、正式に「味噌ラーメン」が店のメニューに載ったのである。
その後、高島屋の物産展で実演販売をして知名度を上げたことや、インスタントラーメンである「サッポロ一番味噌ラーメン」が売り出されたこと、さらには「どさん子ラーメン」のフランチャイズ展開も相まって、爆発的に全国的に広まっていったようだ。
札幌ラーメンといえば味噌ラーメンだが、そのイメージはここから来ているのだ。
因みに、「味の三平」は現在も絶賛営業中で、人気メニューはもちろん「味噌ラーメン」(850円 税込み)だ。※深夜は閲覧注意である。お腹が減ること間違いなしだ!
本家「味の三平」の味噌ラーメンは、シンプルな具材とどこか懐かしい味のスープ。いわゆる昔ながらの味噌ラーメンのようだ。文字通り「元祖」味噌ラーメンを食べに、遠方からわざわざ訪れる人も多い。
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【追加雑学】札幌だけじゃない!日本各地のご当地味噌ラーメン
確かに味噌ラーメンの発祥は札幌であるが、現代ではさまざまな味噌を使ったご当地味噌ラーメンが存在するようだ。
ここでいくつか例を挙げ、その特徴をご紹介しよう。
仙台ラーメン
宮城県仙台市周辺で食べられているラーメン。
実は仙台は昔から味噌が特産品であり、現在においても味噌ベースのラーメン店が多い。店によって個性はあるが、「味の三平」の優しめの味噌とは違い、辛味噌を用いた味噌ラーメンが主流なようだ。
赤湯ラーメン
山形県南陽市(旧赤湯町)で食べられているラーメン。山形ラーメンと言えば醤油ベースのラーメンだが、赤湯ラーメンは味噌ベースのスープに、さらにトッピングという形で辛味噌が添えられている。
赤湯ラーメンを考案した「龍上海」は2005年に「新横浜ラーメン博物館」への出店も果たしているので、知っている方もいるのではないだろうか。
新潟味噌ラーメン
新潟県新潟市西蒲区の「こまどり」という店が発祥の味噌ラーメン。
野菜がたっぷり入っていてスープはコクがあり、こってりとしているのが特徴のため「新潟濃厚味噌ラーメン」とも呼ばれる。
入善ブラウンラーメン
富山県入善町で考案された味噌ラーメン。
地元産の味噌と地元の水や塩、エビのエキスを使っており、通常の味噌より少し赤みがかかったスープが特徴である。
味噌ラーメンの雑学まとめ
今回は、ラーメンの中でも「味噌ラーメン」にスポットを当てた雑学をお届けした。
発祥はイメージ通りの札幌で、現在でも大人気のお店「味の三平」の初代店主が試行錯誤の上、開発したことがわかった。この人がいたから「味噌ラーメン」というジャンルが確立したのだ。
また、札幌だけではなく、ご当地の「味噌」と掛け合わせたご当地味噌ラーメンが日本各地にあり、一言に「味噌ラーメン」といっても、その種類は多様である。
これからも各地で味噌ラーメンは独自の進化を遂げていくだろう。今後も楽しみだ。
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