どこか懐かしく、ついつい注文してしまうナポリタンは、幅広い世代から多く愛されるスパゲッティのメニューである。
スパゲッティというとイタリアを思い浮かべる人が多いと思うが、この大人気メニュー・ナポリタンは日本発祥ということは知っていただろうか?
今回は、日本人なら誰もが知っているナポリタンスパゲッティについての雑学を詳しく説明していこう!
【食べ物雑学】ナポリタンスパゲッティの発祥は横浜!
【雑学解説】ナポリタンスパゲッティの発祥について
まずはナポリタンスパゲッティがどこで生まれたのかを説明しよう。
ナポリタンスパゲッティが誕生したのは、神奈川県の横浜市。第二次世界大戦が終わった1945年頃、横浜の山下通りにあるホテルニューグランドの2代目総料理長・入江氏が作り上げたといわれている。
当時は戦後だったので食べ物が少なかった。米軍の兵士は、元々ケチャップを食べる文化があったので、スパゲッティにケチャップをかけて食べていた。
その姿を見ていたホテルニューグランドの入江氏が、ケチャップだけで具がないスパゲッティはつまらないと思った。そこで、生のトマトを使いニンニクなどで作り上げたトマトソースに、ハムやピーマンなどのおなじみの具材を入れたのが始まりである。
【追加雑学①】ナポリタンスパゲッティの名前の由来
実はナポリタンという名前は本場イタリア料理ではなく、フランス料理の名前からとったものなのだ。
フランスではトマトソースを使った料理のことを、ナポリ風という意味の「ナポリテーヌ」と呼んでいた。このナポリとは、本場イタリアの都市ナポリから取っている。このナポリテーヌという言葉が「ナポリタン」と聞こえたから、という説がある。
では、なぜイタリア料理ではなくフランス料理からなのか。
実は、日本の洋食は開国した際に伝わったフランス料理・ドイツ料理・イギリス料理が合わさって西洋料理として広まったものなのだ。その中で、外交などの重要な場面で出されていた洋食が、フランス料理だったのである。
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【追加雑学②】ナポリタンスパゲッティは2種類ある?
ナポリタンというと、ケチャップで炒めたスパゲッティというイメージだが、入江氏が最初に作ったナポリタンスパゲッティには、生のトマトを使ったトマトソースが用いられている。
そのナポリタンスパゲッティが喫茶店などへと広まるにつれて、民衆では手に入れやすいケチャップを使った、親しみのあるナポリタンスパゲッティができあがった。今でもホテルニューグランドでは、トマトソースで作ったナポリタンスパゲッティを食べることができる。
一方で、ケチャップのナポリタンスパゲッティを提供する店として有名なのが、同じく横浜の野毛にあるセンターグリルである。トマトソースとケチャップのナポリタンスパゲッティを食べ比べてみたい!
本場イタリアではケチャップは使わない
日本ではすっかり馴染んでいるケチャップだが、イタリアでは基本的に料理にケチャップを使わない。
イタリアで使うのは、生のトマトから作ったトマトソースなのだ。一方、ケチャップを使用するのはアメリカといわれている。イタリア人が初めてナポリタンスパゲッティを見たときは、さぞ驚いたことだろう。
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【追加雑学③】日本人向けにしたナポレオンの麺
スパゲッティといえばアルデンテであるが、このアルデンテは本場イタリアの茹で方である。周りが柔らかく中に芯が残るように茹で上げて、つるんと食べやすい絶妙な食感にしている。
しかし、当時の日本人の口には、このアルデンテがあまり馴染まなかった。
そこで、うどんのようなもっちりとした食感になるように、入江氏は茹で上げたスパゲッティを数時間寝かせたのである。その一手間を加えることで、日本人に受けるナポリタンスパゲッティができあがったのだった。
こちらの動画を見れば、自宅でももっちりとした食感の美味しいナポリタンを作ることができるので、ぜひチェックしてみてほしい。
https://youtu.be/JUJMAB1W0wk
ナポリタンの雑学まとめ
今回の雑学記事では、ナポリタンスパゲッティがイタリアではなく、日本発祥の洋食料理だということが分かった。
また、2種類のソースのナポリタンスパゲッティがあることや、こだわりの食感のお陰でここまで日本人に浸透していった点を知ることができた。
本場のナポリタンスパゲッティは、横浜市で食べることが可能だ。横浜は中華街も有名だが、美味しいナポリタンスパゲッティをぜひ食べてみたい!