「ゲゲゲの鬼太郎」のメインキャラクターの1人・ねずみ男。彼は作中で「ビビビのねずみ男」と名乗ることがあるが、"ビビビ"も、"ねずみ男"も本名ではない。
実のところ、ねずみ男には人気のキャラクターにしてはかなりヒドい意味の本名があるのだ。…ねずみ男って名前もたいがいだと思うけど…その比ではないと…? いったいどんな名前なんだ?
今回は、そんなねずみ男に関する雑学を紹介しよう。
【面白い雑学】「ゲゲゲの鬼太郎」のねずみ男の本名は「ペケペケ」
【雑学解説】ねずみ男の本名の意味が普通に汚い…
ねずみ男の本名は「根頭見ペケペケ」。
原作の『鬼太郎地獄編』にて、ねずみ男の故郷を訪れる話があり、その際に故郷の仲間に呼ばれたことで彼の本名は発覚した。
ねずみ男というのは種族名のため、故郷に住んでいるのは全員ねずみ男。「ペケペケ」と呼ばないと誰のことかわからないため、仲間たちがその名前を呼んだのだ。本人は300年前に故郷を出ている手前、完全に忘れていたのだが。
ちなみにねずみ男の出自については、鬼太郎が長く連載されている作品とあって、シリーズごとにコロコロ設定が変わる。あの世とこの世の境にある"ねずみ男の世界"から現世に迷い込んだことになっていたり、ねずみだけがいる島に突如現れたことになっていたり…。
で、肝心なのはその名前の意味である。名字の根頭見は"ねずみ"の当て字だとわかる。でも"ペケペケ"ってなんなんだ? 響き的には可愛い気もするけど…。
ねずみ男の本名「ペケペケ」の意味は"ウンチ"
ペケペケという名前の由来は、1943年、太平洋戦争にて作者の水木しげるがニューブリテン島(南太平洋にあるパプアニューギニアの領地)に出兵していた時代にさかのぼる。
出兵中の水木は、現地に住んでいたトライ族の人たちがあるものを指して"ペケペケ"と呼んでいるのを聞いた。
なんと…"ペケペケ"と呼ばれていたものは"大便"。正真正銘のウンチである。
そう、ねずみ男の本名は「ウンチ」という意味だ。…全然可愛くなかった。
不潔なことが売りのねずみ男だが、さすがにウンチ扱いはひどい…。でも清々しいぐらい真っ直ぐな悪口で嫌いじゃない…。複雑な感じである。
「ペケペケ」はトライ族との思い出が詰まった言葉?
水木しげるは、ねずみ男のことを「鬼太郎のキャラクターで唯一好き」と発言するほど気に入っている。これはキャラクター性ももちろんだが、ニューブリテン島での生活が水木にとって特別なものだったことも関係しているのではないか。
水木は太平洋戦争にて、左腕を失う重傷を負っている。しかしそんな状態になってもなお、現地に残りたいと希望するほどトライ族と親しい間柄になっていたというのだ。
小学生のころは誰しもウンチで大笑いする。まるでそのやり取りのように、トライ族たちとペケペケを指して大笑いする場面もあったのでは…と想像が捗る。
ペケペケは水木にとっては単にウンチを表す言葉ではなく、トライ族たちとの思い出が詰まった言葉だったのではないか。
【追加雑学①】ねずみ男は妖怪ではなく「半妖」
『ゲゲゲの鬼太郎』のメインキャラクターは、知っての通りほとんどが妖怪である。だって妖怪の話だし。
しかし、ねずみ男は妖怪ではない。"半妖"という、妖怪と人間のハーフなのだ。それゆえ、妖怪のなかでも辛辣な扱いを受けてきた過去をもっている。
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半妖であるがゆえにはみ出し者扱いされていたことを言及することもたびたび。アニメ版6期では、その鬱憤を鬼太郎にぶつけるシーンも登場した。
「妖怪からも人間からも、鼻つまみ者なんだよ…俺は
幽霊族の末裔だか何だか知らねぇが、いつも仲間に囲まれているお前とは違う!
俺はずっと1人でやってきたんだ…」
「ゲゲゲの鬼太郎」6期13話より
ただ…そんな半妖にだって、妖怪より優れているところはある。彼らは、妖怪なら弱点になることをしても、効かない場合があるのだ。
たとえば鬼太郎の世界では、妖怪はその動力源である妖力を吸い取られると動けなくなってしまう。しかし、半分は妖怪、半分は人間として動いているねずみ男は、妖力を吸い取られても人間として動く力が残っているため、まだまだ動くことができる。
ほかにも、妖怪には通れない結界を通れるなど、人間の血が混ざっているからこそできることは意外に多い。
正直、ねずみ男にそこまで強キャラのイメージはないが、彼がいなければ突破できない場面は少なからずある。鬼太郎の仲間として、実は欠かせない存在なのだ!
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【追加雑学②】実は普通に強いねずみ男
前述のように、半妖の特性を活かして鬼太郎たちにはない強みを発揮するねずみ男。ただ…その点を除いたとしても、彼は決して弱くない。強さの秘密はなんといっても、「生まれてこのかた、風呂に入ったことがない」というぐらいの不潔さである。
彼の主な戦法は以下のとおり。
- 数メートル先のハエを落とすぐらい強烈な口臭
- ヤクザを壊滅させるほどの威力をもつオナラ
…下品極まりないが、ある意味最強である。オナラに関しては普段から腐ったものやゴキブリなどを好んで食べているため、体内に尋常でない量のメタンガスを溜め込んでいることでその威力を発揮する。
ジェット噴射のように放出するだけでもその効果は絶大だが、火を近付けて引火させれば兵器レベルの爆発を起こす。鬼太郎の毛針とか下駄飛ばすやつより強い気がするぞ…。
【追加雑学③】ねずみ男の服はシリーズによって色が変わる
あなたは「ねずみ男の服の色」と聞くと、何色を思い出すだろう。実は、ねずみ男の服の色はシリーズによってちょっとずつ変わり続けている。
アニメ1期~6期までの服の色を並べてみると、これでもかというぐらいバラバラ。「あ、服の色変わった!」と気付いていた人はいるだろうか。1期は白黒時代だったので割愛するが、それ以降のシリーズは以下のとおりである。
シリーズ | 色 |
2期 | 灰色 |
3期 | 青みがかった灰色 |
4期 | 黄色 |
5期 | 濃い黄色 |
6期 | 青みがかった灰色 |
おおきくは灰色か黄色かといった感じだが、同じ色味のなかでも微妙なマイナーチェンジが行われている。ちなみに、原作では黄色。水木しげるのイメージを尊重すると黄色ということか。
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なぜ一部のシリーズが原作と違う灰色なのかは、調べても決定的な情報はなかった。しかし、アニメイトが行った東映の永富プロデューサーと小川監督のインタビューで、以下のような会話が見られたぞ。
――古川登志夫さんがねずみ男の役を以前から演じたかったというお話を聞きました。
永富:そうなんですよ。古川さんは1980年代から、『うる星やつら』の諸星あたる役などを演じ、役者として第一線で活躍されているんです。その当時、放送されていた第3期の『ゲゲゲの鬼太郎』のねずみ男役は富山敬さんが演じていたんです。
古川さんは富山さんのことを本当に尊敬していらして。その富山さんが演じたねずみ男が抜群で、古川さんは「いつか自分もねずみ男を演じたい」っておっしゃっていて今回のオーディションのフリートークでも「ぜひ、やりたい」と熱弁してくださってたことを思い出します。
――ドラマがありますね。
永富:でしょう! そしたら、ねずみ男の着ている服を(第3期と同じ)灰色にせざるをえないじゃないですか(笑)。
『ゲゲゲの鬼太郎』(第6期)ねこ娘が八頭身な理由、そして犬山まなに込められた監督のこだわり――プロデューサー&監督インタビュー(animate Times)より抜粋
このインタビューから、6期は富山敬さんが演じていた3期に合わせてねずみ男の服の色を変えたことがわかる。また、服の色が黄色だった5期と差を付けたかったために、服の色を変更したとも語られている。
シリーズごとに服の色が変わるのは、それこそ新章が始まったことを視聴者に認識してもらうためなのだろう。猫娘とかも昔に比べてめっちゃ可愛くなってるし。
もっとも6期の作画は「鬼太郎っぽくない」という人もいて、賛否両論あるみたいだが…。
萌化と言うか現代アレンジって自分好みの作画でも敬遠がちだったけど
6期鬼太郎はすんなり受け入れる事が出来たな
何でだろう pic.twitter.com/OMZoOUtB2q— でんぱのようせい (@z054M4xRajUNcoB) April 8, 2018
私はねずみ男といえば黄色の服というイメージだったのだが、6期の鬼太郎を見ていると灰色の服のねずみ男もだんだんと定着してきた。
こちらは6期のねずみ男が映ったCMだ。
あなたがイメージするねずみ男の服の色は、何色だろうか?
ねずみ男の雑学まとめ
ねずみ男の本名は「ウンチ」の意味をもつとんでもなく不名誉なものだった! という雑学を紹介した。数あるキャラクターのなかでも、彼ほど汚い名前を付けられた例はないのではないか…。
ただねずみ男は水木しげるのお気に入りだし、作品のファンにも「ねずみ男が一番好き」という人はやっぱり多い気がする。ひどい扱いを受けているキャラクターってそれだけ注目度が高くなるし、なんだかんだ愛されるもんだよね。
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