「人間の鼻の穴は2つある」そんな当たり前のことを、いきなりいわれても困ってしまうだろう。では、「鼻は片方の穴しか使っていないのだ」といわれたらどうだろうか。「いやいや、片方しか使っていないのなら2つある意味がないだろう」という声が聞こえてきそうである。
しかし、実際に人間の鼻は片方の穴しか使っていないようである。本当であれば、実に興味深い雑学になる! 今回はこの噂を検証してみた。
【人体雑学】鼻は片方の穴しか使っていない?
【雑学解説】空気が通る方の鼻の穴は数時間おきに変わっている
空気が通る鼻の穴は数時間おきに変わっている。一度に片方の穴しか使っていないだけでも驚きなのに、数時間でスイッチ(切りかわり)しているとは仰天だ!
鼻風邪をひいているときならなんとなくイメージが湧きやすい。片方の穴が鼻水でふさがり、もう一方から鼻水が垂れてくるということはけっこうある。しかし、風邪をひいてしまう前から、健康なときでも、空気が通る穴は片方だけである。
「交代制鼻閉」になると、片方の鼻の奥が腫れたようになって、空気が通りにくくなる。4時間ほどたつと腫れはおさまり、また反対側に移る。
しかし、なぜこんな仕組みになっているのだろう。両方で一気に空気を取り入れたほうが量を一度に取り入れられるから効率がよさそうなものだ。その理由についてご理解いただくためには、まず鼻の穴がなぜ2つあるのか、そこから説明せねばならない。
そもそも鼻の穴はなぜ2つあるのか
鼻の穴が2つあるのは、ずばりそのほうが臭いに敏感になれるからである。呼吸を片方の穴にまかせることで、もう一方で臭いを感じることに集中できるのだ。なるほど、いわれてみるとたしかにそうかもしれない。
空気を取り入れると同時に臭いを感じているのだと今まで思っていたが、それは違っていた。鼻は穴同士で役割分担をして、その機能を果たしていたのだ。これはいわれてみないと分からない人体の神秘である。
鼻の穴が2つあるのは、そのほうが見た目が可愛いからという理由ではないのだ!
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【追加雑学①】それぞれの鼻の穴で空気の流れる速さを変えている
鼻の機能はそれだけでない、それぞれの穴で空気の流れる速さも変えているのである。こうすることで、たくさんの種類の臭いをかぎ分けられるようになるのだ!
この仕組みを説明する。まず、臭いを感じるというのは空気中の浮遊物質を嗅ぎ分けるということである。鼻の中に受容体があり、浮遊物質と一時的に結合するのだが、結合することで脳に匂っているという感覚が届く。
浮遊物質の中には、受容体にくっつきやすいものもある。そうした物質の場合、吸い込む空気の流れが速くないとかぎ分けにくいのだ。鼻の入り口ですべて受容体にくっついてしまい、奥まで届かなくなってしまう。
一方、「くっつきにくい物質」もあり、それはゆっくりした空気の流れでも奥まで届く。
鼻には空気をあたためる能力がある
鼻にはそれ以外にも、外の冷たい空気をあたたかくして、肺に温かい空気を送り込む役割もある。いわば、空気の橋渡し役である。
【追加雑学②】鼻スゴイ!恐怖をにおいで感じ取ることもできる
人間は、恐怖で臭いを感じ取ることが出来るらしい。オランダで行われた実験では、ホラー映画を鑑賞した男性のわきの汗のにおいを、何の関係もない女性にかがせてみたところ、彼女たちの表情はにわかに曇り、恐怖に憶する表情に変わった。
多くの動物は、自らの発する臭いで仲間たちに危険を知らせることがあるらしいが、人間にもこの能力が備わっているのである。
雑学まとめ
今回の雑学を読んで、いかがだったろうか。鼻の穴が片方しか稼働していないとは驚きだった。今こうしているあいだにも、鼻は片方しか活動していないのである。これは非効率かと思いきや、複雑な臭いをかぎ分けるために、こうなっているというのだから奥が深い。
あなたの鼻は今どちらが稼働しているか、お分かりだろうか。わたしは指先で感じ取ろうとしたが、分からなかった…。
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