今ではすっかり使用する機会が減ってしまった公衆電話。私が小学生のころはテレカは絶対もっていて、学校に備え付けられている公衆電話で「体操服忘れたからもってきて!」などと母に電話したものだ。
そんな公衆電話、最近は携帯電話の普及により使っている人を見かけなくなった。道端にあるものは特に。
若い子は、公衆電話の使い方や「テレホンカード」を知らない人も多いとか。「テレカ? トレカじゃなくて? クレカでもなくて?」…というレベルだそうだ。
しかし、公衆電話に取って代わった携帯電話は、便利だが通話料金が高いのがネックだった。
通話料金に関していえば、昔の公衆電話が最強だったのだ! 今回は、使い放題だった昔の公衆電話についての雑学をご紹介するぞ。
【生活雑学】昔は公衆電話が10円で使い放題だった
1970年まで、10円を入れればどちらかが電話を切るまで通話し放題だった。
【雑学解説】10円で使い放題だった公衆電話は、長電話をする人が続出!
現在は、スマホがあればとりあえずなんとかなるという時代。電話はもちろん、地図を見たり天気予報を見たり支払いができたり。独り寂しいときも、「Hey」…と声をかければ話し相手にもなってくれる。
友だちとの待ち合わせだって、スタンプひとつで間に合ってしまう。
しかし、昔の通信手段は電話。しかも家の固定電話。スマホなら、夜寝る前の長電話もベッドに入りながら誰にも聞かれずにできるが、固定電話で長電話なんかしたら家族に怒られる。
…そんなとき、公衆電話が活躍するのである!
公衆電話の基本料金は10円。現在は、数秒ごとに料金が加算されていくスタイルだが、昔の公衆電話では10円を入れて相手に電話を掛けたら、どちらかが電話を切るまで無限に使い続けることができたのだ。
家族に聞かれたくない内緒話をしたい人や、遠距離恋愛でなかなか会えない恋人の声をずっと聞いていたい人が使ったかもしれない。とにかく、10円で公衆電話使い放題は画期的なサービスだったのだ。
使い放題サービス廃止
そんな夢のようなサービスも、1970年に廃止されてしまった。理由は、長電話する人が多すぎて他の人が使えなかったから。
めっちゃ単純な理由! そりゃ使うよねぇ。10円だもの。
「〇〇放題」というのは、ちょっとやりすぎちゃう人が少なからず出てくるものだ。食べ放題で食べきれないとか、飲み放題で悪酔いするとか。
皆が使えなければ、「公衆電話」ではなくなってしまう。…ということで、1970年以降は「10円で3分間」という制限ができたのだ。
そして、現在は10円で約1分! これは、8時から23時のあいだに、同じ区域内の固定電話にかけた場合。深夜の時間帯はもう少し長く話せる。
逆に、かける相手が遠いところに住んでいる場合は短くなってしまう。たとえば40km離れた地域にかけた場合、昼間は10円で22秒程度しか話せないようだ。
公衆電話から携帯電話にかける場合にいたっては、相手のキャリアによって異なるが、10円で10秒から20秒ほど。…ぜんぜん話せないじゃないか!
とりあえず、LINE電話のすごさを思い知った筆者であった。
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【追加雑学】公衆電話に関するトリビア
今では使う人がめっきり少なくなった今でも、公衆電話は道端にある。数はだいぶ減ったが、それでもすべて撤去されることはない。
なぜなくならないのかご存知だろうか? ここからは、そんな公衆電話に関するプチトリビアをご紹介するぞ!
公衆電話がなくならないワケ
実は公衆電話は、法律によって設置が義務付けられているのだ! 市街地ではおよそ500m四方に最低1台、その他の地域ではおよそ1km四方に最低1台は設置しなければならない。
総務省によると、「社会生活上の安全と戸外における最低限の通信手段を確保するため」だそう。携帯電話をもってこなかった・電池切れた・なくした…というときに、緊急で連絡しなければならない場合もあるかもしれない。
そんなとき、途方に暮れないために、公衆電話は設置の義務があるのだ! しかし、相手の電話番号がわからなければ意味がない。万が一のときのために連絡先の電話番号を覚えておくか、メモを持ち歩くようにした方が良さそう…。
ちなみに、110番や119番なら、公衆電話から無料でかけられるぞ!
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設置が義務付けられている地域以外に置かれる公衆電話は、利益になるかならないかで撤去するかしないか決めるそうだ。この場合、1か月に4,000円以上の利益が出なかったら撤去の対象になるのだとか。
もしどうしてもなくしてほしくない公衆電話がある場合は、とりあえず自分で4,000円分使っておけば安心だ。
公衆電話に鏡が付いているのはなぜ?
公衆電話を使ったことがある人にしかわからないかもしれないが、電話ボックスの中には鏡が付いている。これは何のためについているのかお分かりだろうか?
身だしなみを整えるため…ではない。実は、後ろに待っている人がいないか確認するためのものなのだ!
携帯電話が普及する前は、出先での連絡は公衆電話が一般的だった。今ではほぼ見ることのない「公衆電話の順番待ち」もよくあったそうだ。
電話中に鏡で後ろに待っている人の存在を確認してしまったら、普通の人なら長電話しようという気も起こらないだろう。
鏡が付いているのは、公衆電話の回転率を上げるためだったのだ!
公衆電話がハイスペックすぎる
公衆電話には、以下のような携帯電話にはない機能がある。
- 災害時などで電話が込み合っているときも、公衆電話は通信制限の対象にならず優先的に使える
- NTT東日本とNTT西日本の通信ビルから電話回線を通じて電力が供給されているため、周囲が停電していても電話が掛けられる
すごい特別感! 緊急時は公衆電話が輝いて見えるだろう。しかし、そんなハイスペックな公衆電話も使い方を知らなければ意味がない。
若い世代の子には、公衆電話での電話の掛け方を知らない子もいるようなので、ここで紹介しておこう。
これで緊急時でも大丈夫だ! あとは10円をもっておけば完璧。私が小学生の頃は、名札のケースに10円玉を1枚入れておくのが流行ったなぁ…懐かしい。
雑学まとめ
昔は10円で使い放題だった、公衆電話にまつわる雑学を紹介した。今は10円で約1分と大幅に値上げし、携帯電話の普及でだいぶ数は減ってしまったが、まったく役に立たないというわけではない。むしろ、災害時・緊急時には携帯電話より役に立つのだ!
私が小学生になるころには公衆電話の使い方を知っていたが、今の小学生は公衆電話の使い方を知らないという子も多いのではないだろうか。
自分はどのように使い方を学んだのかは、もうウン十年も前のことで覚えていないが、今の子どもにも公衆電話の使い方は教えてあげたほうが良いと強く思った。いつ何が起こるかわからないからね。
スマホの連絡帳に頼りすぎて、自宅の電話番号すらうろ覚え…という人もいるかもしれない。しかし、万が一のときのため、緊急時の連絡先をひとつくらいは暗記しておこう!
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