担々麺といえば、辛くてひき肉が入っているラーメンというイメージがある。スープを飲もうとすると唇がヒリヒリするが、無性に食べたくなる一品だ。とくに暑い日は、担々麺を食べると汗をかいてしまうと分かっているのに、注文してしまうものだ。
さてこの担々麺だが、なぜこんな名前がついたかご存じだろうか? リズム感があって素晴らしいネーミングではあるが、どこらへんがタンタンしているのかと思ってしまう。
今回の雑学記事では、そんな担々麺の名前の由来をご紹介していこう!
【食べ物雑学】「担々麺」の名前の由来とは?
【雑学解説】「担々麺」の名前の由来「担ぐ」
担々麺は、もともと担いで販売されていて、「担ぐ」の「担」がその名の由来となっているのだ!
担々麺は四川省で考案されたので、四川料理の一種。四川料理といえば味や料理の種類が多く、香辛料を利かせた、から~い料理が特徴だ。担々麺のほかには、麻婆豆腐や回鍋肉などがある。
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担々麺の発祥は、中国の四川省で、陳包包(チェンバオバオ)という男が考案したといわれている。天秤棒を肩に担いで、片方の桶には鍋と七輪を、もう一方には麺や調味料などを吊るし、販売していたのだそう。
たまに「坦々麺」という表記になっている場合があるが、あれは誤り。「坦坦とした」なんていうときに使われる漢字だが、これは単なる誤変換。中華料理屋のメニューで見つけたら、見てみぬふりをしよう。
ちなみにラーメン屋に行くと「タンメン」というメニューがある。あれと担々麺は名前が似ているので、何か関係性があるのか疑う人もいるが、実はとくに関係がない。
タンメンは日本の関東地方発祥の麺料理で、野菜や豚肉といった炒めた具材を、鶏ガラスープで煮込み、中華麺とともに盛り付けたのが一般的。担々麺は中国の四川で考案された料理なので、使っている麺の種類は同じであれど、タンメンと担々麺は根本的に異なるのだ。
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【追加雑学①】本場の担々麺は汁無し
日本の担々麺は汁ありのものだが、実は本場中国の四川の担々麺は汁無しのものが一般的。思い出してもらいたいが、もともと担々麺は、天秤棒で担いで運ばれていた。汁なんか大量に入っていたら、こぼれてしまうだろう。
本場の担々麺は茹でた麺の上に調味料をのせ、豚肉のそぼろや刻みネギなどの具材をかけたシンプルなもの。
担々麺を日本に普及させた人物は陳建民(ちんけんみん)さんという人。担々麺だけでなく、四川料理を日本に広めたスケールのでかい人物だ。
最初は本場の汁無し担々麺を日本でも発売したのだが、あまり受け入れられなかったので、日本人好みにスープを加える形でアレンジしたのが、日本における汁あり担々麺の元祖。
汁をいれたほうが辛さが抑えられるそうで、皆さんが普段食べている汁ありの担々麺はあれでも本場に比べれば辛くないものらしい。本場の四川料理はえげつない辛さなのだ!
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【追加雑学②】担々麺とラーメンの違いは?
端的にいえば、担々麺はラーメンの一種。ラーメンは中華麺を使用した麺類の総称で、担々麺は中国四川省発祥の辛みを利かせたラーメンのこと。
日常生活では、ラーメンと担々麺を分けて使っているが、「ラーメン食べにいこう」と誘われ、お店で担々麺を食べたとしても、それはラーメンのひとつなのだから、本来の目的は達成しているのだ。
とんこつラーメンや味噌ラーメン、油そばなどと同じ括りにカテゴライズされるイメージだ。
最後に担々麺のレシピが紹介されている動画を載せておく。
担々麺の雑学まとめ
担々麺の「担」は、もともと担いで販売されていたことが由来となっているのだ!
具材や麺、器などを天秤棒を使って肩に担いで販売していたのだから、それなりには重労働だろう。昔のラーメン屋さんは、ラーメンを作るだけでなく、こうして自分の体を使って販売していたのだから、さぞ大変だったことだろう…。