日常生活で音を大事にしている人は、スピーカーの質に大変なこだわりをもっている。自宅で音楽や映画を鑑賞する際、いいスピーカーを使えばいい音が出るというのは多くの方が理解しているところであろう。
しかし、どれがいいスピーカーなのか。現代においては技術の進歩により、スピーカーの種類が多く、正直、素人の私には全く区別がつかない。
なにやら「5.1chサラウンド」というものがいいらしいということは、日常生活の中で得る情報でなんとなく知ってはいるのだが、「5.1」って何よ。しかも、「2.1」や「7.1」といった種類まであるようで、もう何が何やら…
そんなあなたにお届けする、スピーカーにまつわる雑学。これを知れば、スピーカー選びで迷わなくて済むかも。
【生活雑学】5.1サラウンドの「.1」とは?
【雑学解説】5.1サラウンドとサラウンドシステム
まずは、サラウンドシステムについて解説していこう。
サラウンドシステムとは、聞く人を囲んでスピーカーを配置するシステムで、前後左右から出る音のズレで臨場感・立体感を演出するサウンドシステムのこと。
なるほど、ということはスピーカーの数が多いほど、音は立体的になるということか。それなら「7.1」一択なのでは? いやいや、必ずしもそうとはいえない。「2.1」や「5.1」も負けてはいないという。
「2.1」は前面に2つのスピーカーのみ、とスピーカーの数こそ少ないものの、ドルビーやDTSなどの良質な技術が組み込まれ、2つのスピーカーのみで立体的な音響を実現している。「5.1」や「7.1」に比べ、価格面でもリーズナブルで、コストパフォーマンスに優れている。
「5.1」は前面左右・背面左右と正面にスピーカーを配置した、サラウンドシステムの定番型。自宅用の鑑賞機としては現実的であり、現代の主流となっている。
サラウンドシステムのサブウーファーとは?
一方、「.1」と記載されるサブウーファー。こちらは低音域専用のスピーカーで迫力ある音響の演出には欠かせない存在だ。しかし、スピーカーの数は増やしてもサブウーファーの数はどのタイプも1のままなのはなぜだろう。これにはいくつかの理由がある。
- 低音域は人間の聴覚では音の方向を捉えづらいため、1台でも臨場感を演出できる。
- 低音は音圧変化への影響が大きいため、2台以上置くと打ち消しあってしまう。
- サブウーファーは効果を高めるために大型で、2台以上は置き場にも困る。
このような理由から、サブウーファーは2台以上設置する意味がないため、どれだけスピーカーの数を増やしても、サブウーファーは1台のみなのである。
映画館のような音響システムを自宅で味わおうと思ったら、スピーカーを増やさなければならないのか… うちにはそんなスペースもないしな…。
そんな方へ朗報である。ヴァーチャルサラウンドを用いれば自宅でも省スペースでリアルな音響が楽しめるのだ。
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【追加雑学】ヴァーチャルサラウンドという技術
ヴァーチャルサラウンドとは、前方2つのスピーカーのみを使って、疑似的に上方や後方から音が聞こえるようにするシステム。自宅などでスピーカーの配置にスペースが確保できない方へは、まさにうってつけの代物だ。
このシステムは人間が二つの耳のみで前後左右・高さの音を認識する仕組みを利用して、たとえば、右側で鳴る音は、右耳には大きく、左耳には小さく聞こえるようになっている。いってしまえば簡単だが、これを高度なデジタル信号処理技術で再現することで、仮想的な音響空間を作り上げている。
このシステムのすごいところは、前述のようなスピーカータイプのほかに、ヘッドホンタイプも存在しているところである。ヘッドホンタイプであれば、自宅であろうが外出先であろうが、気軽に大音量で本格的な音響を楽しめるのだ。
スペースにお困りの方は、一度お近くの電気屋さんで体験してみてはいかがだろうか。
雑学まとめ
今回はサラウンドシステムについての雑学を紹介したが、いかがだっただろうか。たかが音、されど音。音響に疎い私には豚に真珠かもしれないが、一度味わってしまったらなかなか離れられないものなのだろう。
巷ではVRの発展もあり、仮想空間が気軽に楽しめる未来の時代になっている。ここ10年ほどで急激に進化する映像・音響技術の10年後、20年後が逆に怖くなってしまう。