江戸時代

武士だけじゃない…!切腹して死んだ女性は誰?

雑学カンパニー編集部

雑学カンパニーは「日常に楽しみを」をテーマに、様々なジャンルの雑学情報を発信しています。

切腹は男性だけのものではなかったという雑学

外国人に日本のイメージを聞くと「ハラキリ」と答える人がたくさんいる。さすがに、今の時代でも日本人が切腹しているなどとは思っていないだろうが、海外の人から見て、それほど強烈なインパクトがある日本文化だということだ。

罪を悔い改め、自らの腹を切るその姿は潔く、そこに武士の男らしさを感じさせられるのもわかる。しかし、実は、切腹をしていたのは男だけではないその時代を生きた女性もまた、武士たちに負けない潔さをもっていたのだ。ここでは、かつての日本の切腹についての雑学をご紹介していこう。

【歴史雑学】切腹は男性だけのものではなかった

秀吉くん
切腹っていうと、武士がするもんっていうのが一般的なイメージっすよね。
信長さん
そうだな。しかし、女性には切腹という処罰はなかったにもかかわらず、自らこれを選んだケースもあるんだぞ。

【雑学解説】女性も自分の美学に基づいて腹を切った時代

女性も自分の美学に基づいて腹を切った時代についてのトリビア

江戸時代になると、武士の処刑において切腹が一般的になってくる。しかし、対象になるのは武士で、女性が罪に問われても切腹させられることはなかった。しかし、男性に比べると少ない割合だが、女性の切腹はあったのだ

例となる話をここでは2つ、ご紹介するぞ!

浅野吉長(あさのよしなが)の妻・節姫

徳川家光の時代の安芸広島藩主・浅野吉長(あさのよしなが)の妻・節姫の話

当時はお偉いさんになると、側室といって正妻以外にも妻がいることは珍しくなかった。しかし、節姫はいわゆる姉さん女房で大層気が強く、吉長に自分以外の側室を作ることを許さなかったのだ

しかしやはり吉長も男だ。40歳を超えた頃から若い女性が恋しくなり、頻繁に浮気をするようになる。これを知った節姫は、なんと吉長を非難するために切腹して死んでしまうのだ

自分が浮気をしたがために女房が死んでしまったのだから、吉長も「取り返しのつかないことをしてしまった…」と後悔し、節姫を手厚く弔っている。

たしかに、これ以上ないぐらいの薬にはなりそうだが…そのために死んでしまうとは。

秀吉くん
ひぃぃ…女の嫉妬って怖いっすね~!

吉村嘉六(よしむらかろく)の娘・礼津(りつ)

また、武州岩槻城主・阿部正盛(あべのまさもり)の家臣・吉村嘉六(よしむらかろく)の娘・礼津(りつ)は、許可が出ていない状態で父のかたきを討ち、その罪を償うために切腹した

このとき実は、礼津のかたき討ちは正当な理由があってのものだとして、罪には問われないことになっていた。しかし、礼津は藩主に向かって「それでは世間に示しがつかないでしょう」といい、自ら切腹を選んだのだ

節姫といい、礼津といい、法で裁かれたわけではなく、自分の美学を元に切腹したことがわかる。自害することがいいとは思わないが、この時代の女性の強さには圧倒される…。

信長さん
たしかに今の時代の価値観として、自害は悪ではあるが、芯の通った女性たちだと思うとあっぱれだな。

スポンサーリンク

【追加雑学】切腹が名誉な死に方とされるきっかけを作ったのは豊臣秀吉

切腹が名誉な死に方とされるきっかけを作ったのは豊臣秀吉についてのトリビア

豊臣秀吉

切腹は古くは室町時代から行われていたが、これも約100年後の戦国時代までは単に自殺の一種に過ぎなかった。切腹が名誉な死に方となるきっかけを作ったのは、なんとあの豊臣秀吉だ

秀吉くん
てへへ☆
信長さん
なぜそこで照れる、キモ猿めが。

1582年の備中高松城の戦いで秀吉は水攻めを使い、毛利家配下の清水宗治(しみずむねはる)を追い詰める。しかし、途中で本能寺の変が起こってしまい、戦どころではなくなってしまった

秀吉は信長の元へ帰るため、やむを得ず戦を中断し、毛利家と和睦を結ぶことにする。そのとき秀吉はなんと、「城主が切腹するなら、和睦を結んでもいいぞ」と、毛利家側に条件を突きつけるのだ。

考えてみれば、自分の都合で和睦を結びたいというのに、なんとも虫のいい話である。しかし有利を取られている毛利家としては、これに応じるほかない。そして、城主の清水宗治は水上に舟を出し、その上で切腹してみせた

その姿があまりにも潔く、秀吉一行は感服したという。以来「切腹は潔くてかっこいい」というイメージが浸透していったのだ。

信長さん
猿、お前はけっこうえげつない男だな…。それに引き換え清水宗治の潔さよ…。

おすすめ記事

伊達政宗が死んだあと、家臣が20人も後追い切腹したという雑学
殉死禁止なのに!伊達政宗の死で家臣20人が"後追い切腹"した

続きを見る

雑学まとめ

武士だけじゃない…!切腹して死んだ女性は誰?という雑学まとめ

今回は切腹についての雑学をご紹介した。江戸時代、女性が罪に問われて切腹を命じられることはなかった。しかし、それでも彼女たちは、自分の覚悟を表すかのごとく腹を切ったのだ。命じられて切腹する男よりも、何倍も潔いではないか…

考えてみれば子供を産むことだって、男性には絶対に耐えられない苦痛が伴う。単に腕力で勝るというだけで、内に秘めた強さでは、男は女性には適わないのかもしれない

信長さん
なんだかんだいって女性の方が精神的に強い気がするぞ。そういえばお前んところ、かかあ天下だったんだろ?
秀吉くん
ああそうっすね。ねねはけっこう強い女性だったっすけど、やっぱそういう芯の強いところが良かったっすね~。

いま読まれている記事

  • この記事を書いた人

雑学カンパニー編集部

雑学カンパニーは「日常に楽しみを」をテーマに、様々なジャンルの雑学情報を発信しています。