大相撲の中継が始まると、お父さんやおじいさんにテレビを占領されて、仕方なく相撲を見ているという人も多いのではないだろうか。
狭い土俵の中を行司さんが小刻みに駆け回りながら「はっけよ~い、のこったのこった」と叫ぶ姿に、「いい声だな」「大変だな」などと相撲そっちのけで感心している私だ。
さて、何の疑問もなく聞いている「はっけよい、のこった」の掛け声。「のこった」は何となくわかるが、「はっけよい」って何だ! さっそくこの雑学について調べてみることにした。
【スポーツ雑学】「はっけよい」「のこった」ってどういう意味?
【雑学解説】「はっけよいのこった」の「はっけよい」には3つの説あり
「はっけよい」の意味には3つの説がある。
1つの言葉に説が3つってどんだけあるんだ!? 解説していくぞ!
「発気揚揚」説
これは「発気揚揚(はっきようよう)」と読み、取組で力士が動かなくなった時に「気分を盛り上げて、もっと力を出して勝負しなさい」という意味が込められている。
「はっきようよう」→「はっきよい」→「はっけよい」となる説である。
「当たるも八卦当たらぬも八卦」の「八卦」説
「八卦」とは占いで使われる易の基本図像のことで、占いで良い結果が出たことを「八卦良い」といった。
相撲でも良い結果が出せるように「はっけよい」と呼び掛けるようになったとか。
「早競へ」説
これは「早競へ(はやきほへ)」と読み、「早く競いなさい」という意味で、やはり力士が動かなくなった時にかける掛け声としては適しているといえる。
「早競へ(はやきほへ)」→「はつきょい」→「はっけよい」と変わったようだ。
微妙なおやじギャグのようである。若干無理があると思うのは私だけだろうか…。
他にも諸説あるが、以上が代表的な説である。個人的には明るい感じがする1番目の説を推したい。
「のこった」の意味は?
それでは「のこった」とは何だろう。お気づきの方もいらっしゃると思うが、その字の通り「残った」が語源である。
相撲は土俵に残った方が勝ちになるため「頑張って残りなさい」という意味の掛け声としていわれている。
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【追加雑学】「はっけよい」「のこった」以外の行司の掛け声とは?
「はっけよい」「のこった」以外でも、行司が掛けている言葉がある。
あまり気に留めたこともないという人が多いと思うが、注意して聞くと要所要所で掛け声を発していて、行司によって言い回しが独特だったりとおもしろい。
行司の掛け声の代表的なものを紹介していこう。
時間前では「見合って」・「構えて」・「睨み合って」・「油断なく」など。
時間いっぱいになったときは「時間です」・「待ったなし」。
その後「手をついて」・「腰を下ろして」・「手をおろして」となり、取組が始まると「はっけよい」「のこった」となる。
次に相撲を観戦するときは、行司の言葉にも注目してみたい。
行司のお仕事は「はっけよい」「のこった」だけではない!
行司のお仕事は、相撲のときに「はっけよい」「のこった」と言うだけではないぞ!
実は退園な仕事だ。以下の動画では、行事のしごとが解説されている。
想像以上に細々とした用事が多い。力士の相談役にまで…。気を使うお仕事だ。
「はっけよいのこった」の雑学まとめ
今回の雑学では行司の掛け声のあれこれに迫ってみた。1500年以上続く相撲には、やはり歴史があり「はっけよい」「のこった」という言葉からもその伝統を感じることが出来る。
相撲は最後の一番だけ見たいから、6時前になったら見ようなどと思わず、今後は行司の掛け声や呼び出しにも注意して見てほしい。
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