小説や漫画などを発表する際に使用される、ペンネーム。
最近ではSNSの普及により、ブログやツイッターなどで、本名使わずにペンネームで活躍している人が多くなっている。
また、コンテンツ制作者や副業でライターをしている人も、一度は「ペンネームをどうしようか」と考えたことがあるのではないだろうか。
SNSで世界が繋がり、個人が様々な形で世の中に発信できる現代だから、ペンネームがより身近なものになりつつあるのは間違いないだろう。
そこで考えてみたいのが、世界最古のペンネームは誰か? ということだ。早速調べてみたので、雑学としてご紹介しよう!
【歴史雑学】紫式部は最古のペンネーム
【雑学解説】「紫式部」はなぜ本名ではないのか?
約100万文字・22万文節・400字詰めの原稿用紙で約2400枚という大作の『源氏物語』。「日本文学史上最高傑作」とまでいわれている作品を書いた紫式部、なぜ本名ではないのか?
それは、その当時(平安時代中期)の日本では、女性の名前は夫にしか明かさないという風習があったからだ。「○○の妻」や「○○の娘」のような呼び方をされていたようである。
当時は家系図などにも、女性の名前は記載せずに「女子」とすることが一般的だったといわれている。
高貴な女性は別として、ほとんどの女性の名前は後世に伝わっていない現実があるのだ。
紫式部の名前の由来は?
では、「紫式部」という名前はどこから来ているのだろうか?
「紫式部」の夫は、藤原宣孝(ふじわらののぶたか)という人物なので、「紫式部」の姓は「藤原」となる。「式部」というのは、父親の役職名から来ているので、それらを組み合わせると「藤式部(とうしきぶ)」になる。
当時は「藤式部」と呼ばれていたようである。
後になって、源氏物語に登場する「紫の上」が、容姿や性格ともに素晴らしい女性として描かれていることから、「藤式部」から「紫式部」に名前を変更していったようだ。
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【追加雑学】ペンネームの様々な使い分け
話は現代に戻り、ペンネームには様々な使い分けがされている。
たとえば、自分の性別をあかしたくない場合は、性別と反対のペンネームにしたり、どちらの性別とも分からない中性的なものにしたりする。
有名人が、あえて別のペンネームを使うことで、作品と作者を切り離して評価してもらう場合もある。また、ジャンルや作風によって複数のペンネームを使い分けている人も少なくはないだろう。
このように、ペンネームは本名と違い、様々な使い分けができるため、公私を区別することで自由な表現ができるということだ。
ただ発音しやすいこと、読みやすく覚えやすいこと、そして親しみやすくブランド力があることなど、様々な要素がペンネームには求められる。ペンネームをつけるときは、熟考することをおススメする。
雑学まとめ
今回は最古のペンネーム「紫式部」についての雑学をご紹介した。これだけの大作を書き上げたなら、本名を発表して、後世に名を残したいと思うのが自然であるが、当時の日本はそれを許さない男尊女卑の社会であったのだろうか。
教養ある家系に生まれ、知性が高かった「紫式部」は、『源氏物語』という長編恋愛小説を書き上げることで、その社会を痛烈に批判していたともいわれている。
今や「紫式部」というペンネームは、世界最古の女流長編小説の作者として、日本はもちろんのこと、世界でも鳴り響いているので、本人はとても満足しているのではなかろうか。
年齢に限らず、本名よりもあだ名で呼び合ったほうが親しみを感じるのはたしかである。「紫式部」は、これからも本名をもしのぐペンネームとして現代人に愛され続けていくであろう。
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