昔祖父の家にハリセンボンの提灯が飾ってあった。まんまるのトゲトゲボールみたいでかわいいなあ、と思ってながめていた。するとおじいちゃんが「悪いものが家に入ってこないようにぶら下げているんだよ。魔よけだよ」って教えてくれた。
提灯を見ていたので、実際のハリセンボンもあのまんまるの状態で海を泳いでいるものだとずっと思っていた。しかし、水族館で泳いでいる姿を見て、衝撃を受けたのは記憶に新しい…。ふくらんでないし、見た目フグやん…!
なんだかハリセンボンの生態がめっちゃ気になってしまったので、今回の雑学では、ハリセンボンの針の数や生態について調べてみたよ! 最後に紹介するハリセンボンの給餌シーンでは、ハリセンボンの魅力と癒し効果に取りつかれること間違いなし!
【動物雑学】ハリセンボンの針の数は?
【雑学解説】なぜ千本じゃないのにハリセンボン?
ハリセンボンというと、フグのようにぷくーっとふくらんで、トゲトゲのからだと愛嬌のあるまん丸な目が特徴的。そんなハリセンボン、名前のとおり針の数が千本あるのかと思いきや、350~400本しかないというから肩透かしもいいところだ。
なぜ千本じゃないのに「ハリセンボン」と呼ばれるようになったのだろう?
昔の人は、「数が多いこと=千」と表していたというのだ。四字熟語にも、千差万別とか千客万来などあるように、多くのものや人を表すときには、「千」や「万」を使っていた。
昔の人はハリセンボンをパッと見で、針の数が多いというだけで「こいつはハリセンボンだな!」なんて付けてしまったのだ。そのまんまやん…。
【追加雑学①】ハリセンボンの針は針ではない
ハリセンボンは針を逆立てて敵から身を守っているが、実は針ではなくウロコだそうだ。ウロコが進化して針状になっており、皮に埋没しているため引っこ抜こうと思っても抜けない。
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ハリセンボンはフグの仲間だが、毒はないため毒針ではない。ハリセンボンは危機を感じると2秒足らずで2倍以上の大きさにふくらむそうなので、天敵という天敵もいない。ごく稀に大型の魚(マグロやサメなど)の胃袋から見つかるそうだが、2秒でふくらむのでは大型魚以外攻撃できないだろう。
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【追加雑学②】ハリセンボンは無敵!?
ハリセンボンは口につめ切りのような鋭い歯があり、ウニとか貝などをかみ砕く肉食系! というのだから、かわいい顔してハリセンボン無敵! …といいたいところなのだが、実はそうでもない。
実は泳ぐのがめっちゃヘタだというのだ。
ハリセンボンはサイドに羽のように透き通るひらっひらのヒレがあり、その頼りないヒレを必死に動かして泳ぐのだが、他の魚と比べると遅い。あげくに、一度膨らむと元に戻るのに少し時間がかかるというのだ。
膨らんだ状態で自由がきかず、もぞもぞぱたぱたと必死にヒレを動かしている姿は、愛らしくてたまらないが、自然界でこれは大丈夫なのか?
実は全然大丈夫ではなかった。
ハリセンボンは暖かい地域で生まれ育つのだが、このとおり泳ぐのがニガテなため暖流に乗って北上してしまう。そして、たどり着いた先は極寒の日本。寒さに耐えられずに死んでしまうというのだ。悲しすぎる…。
【追加雑学③】ごはんを食べるハリセンボンはかわいい!
ハリセンボンをじっくり観察したことはあるだろうか? 今回はハリセンボンの給餌シーンの動画をご紹介するが…あまりのかわいさに悶絶すること間違いなし!
こんなおちょぼ口で幸せそうな顔をして食べるなんて、どんだけかわいいんだハリセンボン! 捕食もヘタすぎ…!
お次はハリセンボンにカニをあげたらどうなる!? お茶目すぎるハリセンボンの給餌シーンにぜひ癒されてくれ!
6:05あたりからハリセンボン vs サワガニが見られる。必死すぎる2匹の攻防+1匹のとまどいっぷりがとてもおもしろいので、ぜひご覧あれ!
雑学まとめ
ハリセンボンの針は350~400本しかなかったという雑学、いかがだったろうか。
防御力と魅力はトップクラスの魚なのに、泳ぎと食べることがヘタという致命的な欠点があるハリセンボン。そんなかわいらしいハリセンボンの生態を調べていたら、予想外のかわいさにハリセンボンのとりこになってしまった。これはぜひ実物も見てみたいね!