地球は人間たちの楽園である。同様に、この宇宙のどこかには、人間以外の生物の楽園もあると思う。昔、猿の惑星という映画があった。
しかし、これがもしフィクションじゃないとしたら?
事実、21世紀のこの時代、地球上にはサルの楽園が存在する。なんとその楽園、日本の宮崎県にあるという。
そこで今回はサルの楽園「幸島」についての雑学をご紹介するぞ!
【生活雑学】宮崎にはサルの楽園がある
【雑学解説】サルしかいない無人島「幸島」
宮崎県串間市には、野生のニホンザルが生息する無人島「幸島」がある。無人島とはいえ、実際に人はいるが、京都大学の霊長類研究施設の研究員が常駐しているのみだ。
地元では通称「猿島」と呼ばれており、幸島のサルは和子様(わこさま:神の使い)と呼んで大切にされている。また、野生ではあるが餌付けされている。その餌であるサツマイモを海水で洗って食べることで非常に有名だ。
動画を見ると、動物園とはまた違ったかわいさがお分かりいただけると思う。
【追加雑学①】なぜ生息しているか不明
地元では昔からいたといわれているこのサル軍団。生息している理由は不明らしいが、人為的に持ち込まれた説があるとのこと。その中でも一番有名なのが、平家の落ち武者が幸島に隠れ住んだときにサルを飼ったというものだが、信憑性は低い。
霊長類研究施設が本土と行き来するサルをわずかながら確認していることから、自然に住みついた可能性が高そうだ。
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【追加雑学②】「百匹目の猿現象」発祥の地
幸島のサルは「百匹目の猿現象」発祥の地としても有名である。
起源は1953年頃。餌であるサツマイモに土が付いており、それを一匹のサルが川の水で洗って落とせることに気がついた。
それが群れに広がると、今度は海水で洗うサルが出てきた。塩味が美味しいと発見したのだ。
サルは群れごとに固有の文化を作ることから、島中のサルがサツマイモを海水で洗いだした。そこまでなら想定内だったが、なんとこの芋洗いを200km以上離れた大分県高尾山のサルが同じ様に洗ったというのだ。
これをアメリカの思想家、ケン・キース・ジュニアが「百番目のサル」という本で紹介した。その内容を簡単に説明すると、
「群れで同じ行動を取るサルが100匹に達したとき、遠く離れた地のサルも同じ行動を取るようになる」
という内容だ。残念ながらこれは事実ではなく空想だったが、この本のおかげで幸島のサルは世界中で有名となった。その様子を見てみると、洗うという行為とは別に明らかに味付けをしているのがわかる。
【追加雑学③】歩いて渡れる島、幸島
幸島は海流によって砂が堆積しているため、引き潮のときなら歩いてへ行くことができるほど浅い。本土からの距離も200mとかなり近い。
そのため、サルが島外へ脱出する可能性があり、2017年4月から串間市教育委員会が対岸にサル専用の監視員を配置した。だが、中には泳げるサルもいるため脱走を完封するのは難しそうだ。
楽園とはいえ、逃亡しないよう監視されているとは。真の楽園とは程遠いのかも知れない。
海で埋まるとは思えないほどきれいな道だ。そこからサルが脱走すると想像するととてもかわいらしい。
雑学まとめ
「幸島」についての雑学、いかがだっただろうか。
芋を洗うことで有名になった彼らだが、数が増えすぎたため、2013年には餌の量を減らされてしまった。ツアーで行けば芋を与えることができるので、芋を洗う姿を見たい方はツアーがおすすめだ。
最近では減った食料をカバーするために、自力で魚を捕まえて食べるという文化が生まれたから驚きだ。芋を洗い、魚を捕まえるサルが見たい方はぜひ、宮崎県へ。
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