囚人服といえば、皆共通して上下シマ模様のボーダーのイメージを思い浮かべるかと思う。しかし、なぜ囚人服はボーダー柄なのか考えたことがあるだろうか?
上下ボーダーを着ている人なんて一般人ではいないだろうし、目立つから脱走しても見つかりやすいから? しかし、これは間違い! では囚人服がボーダー柄である本当の理由は何なのだろう。調べてみたので今回の雑学ではこの結果を記す。
【ルール雑学】囚人服=シマ模様(ボーダー)なのはなぜ?
【雑学解説】西洋ではシマ模様(ボーダー)が不吉のシンボルだった
いまでこそポップでキュートなイメージのあるボーダー模様であるが、昔の西洋では不吉の象徴だったのだ!
早いことに10世紀あたりには、ボーダーは忌み嫌われる者に貼り付けられるレッテルのような役割を果たしていたのだ。囚人だけでなく、死刑執行人や売春婦、道化師など社会的に蔑まれた職業では、ボーダーの衣服の着用が義務付けられていたのだ。
この傾向は長いこと続き、18世紀後半くらいまでボーダーは「不吉」や「排斥」のシンボルとして使われていた。
しかし、アメリカ独立とともに、そんなボーダーがもつ悪いイメージが一気に変わり、今度は「自由」のシンボルとして扱われるようになったのだ! アメリカの国旗は横シマ模様だが、これが自由のシンボルの最たる例である。
そしてボーダー模様がもつ自由のイメージは、フランス革命にも引き継がれ、人々はこぞってボーダーを身に着け、シマ模様の三色旗がいたるところで見られるようになった。
その後水兵さんも着るようになり、どんどん流行っていき、ボーダー服の専門店「セントジェームズ」も誕生し、ボーダー服の大衆化が進んでいったのだ。ボーダー服が自由主義の宣伝の役割を果たしていたことになる。
今はなにげなく着ているボーダーだが、こんな歴史があったとは驚いた。
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【追加雑学①】ボーダーとストライプの違い
横のシマシマをボーダー、縦のシマシマをストライプと呼んでいる人も多いが、実はこれは間違いである。
実はシマ模様は全てストライプであり、ボーダーはそもそもシマ模様を表す言葉ではないのだ。縦のシマシマも横のシマシマも斜めのシマシマも全てストライブ。だから「ボーダー=横シマ」が存在するのは日本のみである。
じゃあボーダーは何なのかということだが、もともと英単語の「border」から来ており、「ヘリ・縁・境界・国境」という意味がある。だからひとことでいうと、ボーダーは「境界をはっきりさせるもの」という意味しかなく、ストライプのように柄を示す言葉ではないのだ。
では、なぜ日本人はボーダーを横シマだと考えているのだろう? それはおそらく端っこに横シマのデザインが入っている靴下やシャツをみて、勘違いしてしまったのではと考えられる。
ボーダーソックスなどあるが、あれは単にシマ模様が入っているものではなく、靴下の端っこにシマ模様が入っているものだ。
【追加雑学②】ボーダーを着るとモテない?
ボーダーを着ている女性はモテないという噂を聞いたことがあるだろうか? わたしは聞いたことがなかったが女性のあいだでは定説になっているようだ。
その理由としては、ボーダーはボーイッシュなイメージがあるし、シンプルなコーデになりやすいからだそうだ。
いわれてみればそうかもしれない。つまりお洒落がしづらく、可愛くしにくいということか。「シマウマみたいだから」と一瞬考えたが、それはちがったようだ。
雑学まとめ
囚人服とボーダーについての雑学を紹介してきたが、いかがだっただろうか。今では好んで着ている人も多いボーダー柄だが、昔は不吉の象徴だったらしい。囚人服がボーダーなのもそのときの名残なのだ。
ボーダーはポップで可愛いイメージがあるので、囚人が着ているのを見ると、どんだけ凶悪犯で極悪面をしていても間抜けな印象を受ける。だから罰ゲームのような意味あいもあるのかと考えていた。
しかし歴史を紐解くと、政治や思想と関係があり、罰ゲームのような軽い意味ではなかった。軽く考えていた自分を殴ってやりたい…。