突然だがみなさんはライガーをご存知だろうか。ライガーといってもプロレスラーではない。ここでいうライガーとは、父親がライオン・母親がトラのハーフのことである。
ライオンとトラは同じネコ科ではあるが、違う種類の動物であると私は認識していた。しかし、人間が手を貸したとはいえライオンとトラのハーフは実際に存在しているのだ。
そこで私は考えた。ヒトコブラクダとフタコブラクダを掛け合わせるとどうなるのだろうか。ミツコブラクダ誕生の予感である。
今回は、砂漠の舟ともいわれるラクダについての雑学を調べてみた。
【動物雑学】ヒトコブラクダとフタコブラクダを掛け合わせるとどうなる?
【雑学解説】ブフト(bukht)と呼ばれる雑種のラクダが生まれる
コブ3つにならないのか…とだいぶがっかりした。背中に荷物や人を乗せるのが主な仕事のラクダ。背中に3つもコブがあったらじゃまだろうから、結果オーライかもしれない。
ヒトコブラクダとフタコブラクダを掛け合わせると、「ブフト」と呼ばれる雑種がうまれる。ブフトはどちらの種よりも体格がよくなるため、運搬などに重用されるとのことだ。
種を超えた交配をすると、子ども世代には生殖能力がない場合も多い。しかし、メスのブフトはフタコブラクダと交配することができる。
ブフトはヒトコブラクダとフタコブラクダの遺伝子が50%ずつ入っている。そのため、メスのブフトとフタコブラクダが交配すると、ヒトコブラクダの遺伝子25%・フタコブラクダの遺伝子75%の、より乗用に適したラクダを生み出すこともできるのである。
ただ、ヒトコブラクダは野生としては絶滅しているし、フタコブラクダも野生種は減少の一途をたどっている。そのため、ブフトを増やすよりもそれぞれの種として数を増やした方がよさそうだ。
【追加雑学①】出生時は背中のコブがない
ラクダにはコブがある。それは小さな子どもでも知っている。しかし、生まれたばかりのラクダにはコブがないのだ。
ラクダのコブの中には脂肪がつまっている。体に必要な栄養を脂肪にかえて、徐々にコブの中にためていくのである。
そのため、生まれたばかりの子ラクダの背中にはコブがない。そのかわり、子ラクダの背中は皮がたるんでいて、そこに脂肪をためられるようになっているのだ。
うまれたときから脂肪をためるためのスペースがあるとは驚きである。実は、背中に脂肪をためるのはエネルギー確保のためだけではない。背中に集中した脂肪が断熱材として機能しているのだ。
また、背中に脂肪が集中していることによって、他の部位にはほとんど脂肪がつかない。つまり、背中以外の場所からは簡単に放熱することができるのである。
ラクダのコブは砂漠で生きるための知恵であり、非常に有益であるといえるだろう。
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【追加雑学②】ラクダは一度に80Lも水を飲める
先ほどお伝えしたように、ラクダのコブの中身は脂肪だ。しかし、それが判明するまではコブの中身は水だと思われていた。
なぜなら、ラクダは2~3週間水を飲まなくても平気だからだ。人間は4~5日水を飲まないと脱水症状で命の危機に瀕することを考えると驚異的である。
そのかわり、水を飲むときには一度に大量に飲む。その量はなんと80L! と、こちらもまた驚異的なのだ。
こちらの動画をご覧いただきたい。
こちらは動物園で飼育されているフタコブラクダなのだが、みるみるうちにバケツの水が減っていくのがわかる。日本で飼育されていてこれだけの勢いで飲むのだから、砂漠にいたら言わずもがなである。
そんなに大量に飲んだ水はどこにいくのかとお思いの方もいるだろう。実は、ラクダは他の動物と違って、血液中に水をたくわえることができるのだ。
他の動物では、一度に大量の水分を摂取すると溶血(ようけつ)を起こしてしまう。これは血液中の水分が赤血球にまで浸透することで、赤血球が破裂してしまう非常に危険な現象である。しかし、ラクダの赤血球は2倍に膨らんでも破裂しないのだ。
ラクダほど乾燥地帯に適した動物はいないといえるだろう。
【追加雑学③】ラクダ乳は砂漠の遊牧民の主食とされていた
2週間以上水を飲まなくても生きていけるラクダだが、大きな分類でいうと人間と同じほ乳類である。つまり、子育ての際にはラクダ乳がでるのだ。
牛や羊・ヤギのように、その家畜の乳を人間が飲む場合は多い。そしてラクダも例外ではない。身近にいないため考えたこともなかったが、ラクダ乳は飲用可能なのだ。
ヤギや羊の授乳期間は約3ヵ月、1日の搾乳量は1~2Lであるのに対し、ラクダの授乳期間は約13ヵ月と長い。しかも1日に5Lほど搾乳できるときもあるとか。
そのため、ラクダ乳は遊牧民にとって貴重な食料だったのだ。
雑学まとめ
ミツコブラクダ誕生にならず非常に残念であった。よく考えたら、ミツコブラクダが誕生していたら確実に図鑑に載っているだろう。載っていない時点で気づくべきだった。
ラクダについての雑学を調べれば調べるほど、ラクダは乾燥地帯に適した動物であることがわかる。ばっさばっさと長いまつ毛も、吹き荒れる砂から目を守るためなのだ。
ラクダ乳が飲めるというのも驚きだ。加工が難しいため、ラクダ乳のバターやチーズは希少価値が高く、高級品なんだそう。もしどこかで見かけることがあればぜひ食してみたいものである。
怒ると胃液を吐くと聞いてから、動物園でもあまり近づかないようにしているラクダだが、今度会うことがあったらじっくり見てみたいと思う。
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