数多くのお寺や神社があり、歴史と伝統を感じる町が京都だ。修学旅行の行き先の定番でもあるので、学生時代に京都へ行ったことがある人も多いだろう。
そんな京都の最大都市である京都市には、おへそがあるらしい。初耳だ。おへそって体にあるおへそのことか? それとも、京都の方言ではおへそに違う意味があるのかもしれない。今回の雑学では、京都市にあるおへその真相を解明していこう!
【生活雑学】京都市にはおへそがある
【雑学解説】六角堂の「へそ石」は京都のほぼ中心地点
京都市におへそがあるとは、どういうことなのか。調べてみると、京都市のおへそは「六角堂」の名で親しまれている、「頂法寺(ちょうほうじ)」というお寺にあるらしい。
どんなお寺なのか、動画で確認してみよう。
動画の中ごろで「へそ石」という石が登場している。まさかとは思うが、名前にへそと入っているこの石がおへそなのか? しかし、石がおへそといわれてもいまいちピンとこない。そもそも、へそ石とはどういう石なのだろう?
へそ石は昔の六角堂の本堂の、礎石と呼ばれる土台の石だったと考えられている。現在の六角堂の本堂は、明治10年に建てられたものだ。
明治10年でもずいぶんと昔に思えるが、六角堂の歴史は古く聖徳太子の頃に建てられたという言い伝えもある。
ただの古い土台の石ならば、なぜへそ石なんてふしぎなあだ名がついたのか。へそ石の名前の由来には、昔の六角堂が京都市民にとってどういう存在だったのかが関係している。
六角堂はお寺という信仰の場であったと同時に、京都に住む人々にとって集会所のような場所だったそうだ。飢饉のときには六角堂で炊き出しが行われた記録もある。地域の人が集まる、京都市の中心地ともいえる場所が六角堂だったのだ。
京都の中心を体の中心であるおへそになぞらえて、へそ石と呼ぶようになった。へそ石は昔はお寺の門の前にあったが、明治初期にお寺の境内へ移設されている。昔から少し場所が変わった今のへそ石は、京都市のほぼ中心地点を示しているのである。
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【追加雑学①】北海道富良野市では「北海へそ祭り」が開かれている
京都以外にも日本には各地におへその町がある。北海道のほぼ中心に位置する「富良野市(ふらのし)」は、「北海道のへそ」と呼ばれているのだ。
北海道のへそという特徴をいかし、富良野市では「北海へそ祭り」というお祭りが開かれている。へそ祭りって、何をするんだ? おへその美しさを競うコンテストでもするのだろうか?
北海へそ祭りのメインイベントは、「北海へそ踊り大会」らしい。お腹に絵を描いて踊る人と、浴衣姿で踊る人がいるようだ。お腹に絵を描いて踊るなんて、宴会芸でしか見られない光景だと思っていた…。
日本にはいろいろなお祭りがあるが、おへそのお祭りがあるとは知らなかった。今のたるんだお腹を人前に出すのは恥ずかしいので、参加を検討する前に筋トレをしよう。
【追加雑学②】日本のおへそは兵庫県西脇市の「日本へそ公園」
京都市のおへそや北海道のおへそがあるなら、日本のおへそもどこかにあるに違いない。日本のおへそを探してみた結果、「日本へそ公園」を発見した。
日本へそ公園は、兵庫県西脇市という町に造られた公園である。公園内にはジャンボすべり台や美術館などいろいろな設備があるが、一風変わったのが「日本へそのモニュメント」だ。
日本へそのモニュメントは、日本の中心であるおへその位置に建てられている。ここで新たな疑問が誕生した。日本のおへそって、どうやって決めるのだろう?
おへそとなる日本の中心地は、日本の緯度と経度から求めることができる。日本の南北の中心の北緯35度線と、東西の中心の東経135度線の交差する場所が、日本の中心のおへそなのである。
兵庫県西脇市には北緯35度線と東経135度線の交差する場所があり、その場所が日本へそ公園内の日本へそのモニュメントだ。日本へそのモニュメントは、GPS測量で求めた北緯35度・東経135度の地点に、1994年に建てられた。
公園内には、GPS測量をする前に日本のおへそと考えられていた場所も存在する。新旧の日本のおへそがそろっているのか…! 日本の中心に立ちたい人は、日本へそ公園に行くといいぞ!
雑学まとめ
今回は京都市にはおへそがあるという雑学と、日本のおへそについて解説した。人間の体にはおへそは一つなのに、日本にはたくさんのおへそがあると思うと、ちょっとおもしろい。
あなたの住んでいる町も、何かのおへその可能性がある。住んでいる町のおへそとなる中心地を、自分で探してみるのも楽しそうだ。おへそ探しに出かけよう!