旅行のプランを考えていると、どこを観光するのかと同じくらい、どこに泊まるのかも重要な問題になる。宿泊費や設備など、こだわりのポイントは人それぞれだろう。
宿泊先選びでは、温泉旅館を選ぶ人もいるかと思う。旅先での疲れをゆっくりと癒せる温泉は最高だ。昔ながらの日本の宿といった、風情ある建物で心が休まる。
日本には長い歴史をもつ旅館も多いが、世界で最も歴史ある旅館はいつ建てられたのだろう? そんな雑学を調べてみると、世界で最も歴史ある旅館は日本にあるとわかった。重ねてきた歴史の長さに圧倒されるぞ…!
【世界雑学】世界で最も古い歴史をもつ宿は日本にある
ところで、山梨県にはギネスに認定された「世界で最も古い歴史をもつ宿」があるらしいんだけど、なんと開業したのは705年らしいわよ。
【雑学解説】山梨県の慶雲館は705年から続く世界最古の旅館
世界で最も歴史ある旅館は、山梨県にある「慶雲館(けいうんかん)」という旅館だ。南アルプス山麓の2つの渓谷に挟まれた大自然の中にあり、山梨県の町としては最も西となる早川町に位置している。
慶雲館は今から1,300年以上も前の705年に、温泉が発見されたのが始まりである。天智天皇の側近であった藤原鎌足の長男・藤原真人が、狩猟を行った際に川の岩のあいだより盛んに噴き出す温泉を発見し、発掘・開湯されたのだ。歴史の長さも驚きだが、それほど昔の記録が残っているのもすごい…。
慶雲館の名前の由来は、温泉が発見された705年が元号にすると慶雲2年だからだ。昭和に開業していたら、昭和館だったのだろうか? 単純なネーミングセンスなのに、慶雲という今まで知らなかった元号だと、かっこいい名前に思える。
世界で最も歴史ある旅館なのだから、きっと歴史上のすごい人も宿泊しているに違いない。慶雲館の利用者を調査すると、教科書にのるレベルのすごい人が宿泊していた…!
- 武田信玄
- 徳川家康
武田信玄は慶雲館のある、山梨県出身の武将だ。地元の武将なら温泉に入りにきていてもふしぎではないが、天下統一で有名な徳川家康までもが慶雲館を利用していたとは…。慶雲館に宿泊したら大物になれそうだ。
慶雲館の様子がわかる動画がこちらだ。
一度でいいから泊まってみたい…!
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【追加雑学①】ギネスにものっている
「慶雲館」は、日本だけでなく、世界で最も古い旅館として海外でも報じられて、世界中から注目されている。52代にわたり同族経営であることも併せて紹介されており、その長い歴史と伝統に、圧倒される外国人が続出しているようだ。
「慶雲館」への海外の反応を少しだけご紹介しておこう!
- 自分の国だったら、とっくに人の手に渡っている。(ナイジェリア)
- 日本人だからこそこの偉業を可能に出来たのだと思う。(オーストラリア)
- 家族の遺産を守るべく尽力してきた人たちの想い。私はそこに美しさを見出しました。(アメリカ)
参考:facebook Unbelievable facts
このように、自国では成しえることのできない日本独自の伝統に関して、高い評価が集まっているようだ。
このように世界中の人々から注目を集めている理由は、2011年にギネスワールドレコーズで「世界で最も古い歴史をもつ宿」に認定されたからである。
「慶雲館」は、ただ歴史があるだけでなく、開湯してから一度も涸れることのない温泉や、窓から見える山並みと渓谷の眺めなどが堪能できるので、年間約4万人が訪れるほど人気の宿。そのうえで、ギネスにも認定されたのだから、今や世界中から予約が殺到しているのはいうまでもない。
【追加雑学②】あの徳川家康の隠し湯だった!
世界で一番歴史がある旅館だけあって、多くの名将や文人、都人も利用した記録が残っている。前述した通り、あの徳川家康の隠し湯としても利用されていたというのだから、歴史好きには堪らない宿であろう。
温泉好きとしても有名な家康は、戦いや旅路での疲れたときに、温泉にゆっくりと浸かり、次の戦に備えていたそうだ。
日頃から健康に気をつかい、身体も鍛錬していたので、戦国時代では奇跡的なほどの長寿を得た家康。そこには、「鳴くまで待とうホトトギス」という句に現されているように、「長生きをしなければ天下統一を成し遂げることができない!」という家康ならではの考えがあったからだ。
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この「慶雲館」の温泉も、家康の天下統一にひと役もふた役も買っていたのではないかと想像するだけで、その重みのある歴史に鳥肌が立つと同時に、一度同じ温泉に浸かってみたいと思うのは筆者だけではないだろう。
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【追加雑学③】日本一大きな混浴露天風呂は島根県の旅館にある
旅館にかかせないものといえば、温泉だ。旅館選びでは、大浴場の広さや温泉の効能に注目する人も多いのではないだろうか。広い温泉でゆっくりと体を癒したい人におすすめの温泉を、動画で紹介しよう!
この動画は、島根県松江市にある玉造温泉(たまつくりおんせん)の「長楽園(ちょうらくえん)」で撮影されたものだ。たくさんの人が温泉に入っているのに、スペースにはまだまだ余裕がある。
長楽園の露天風呂は龍宮(りゅうぐう)の湯という名前がつけられている。龍宮の湯は120坪もの広さを誇る、広大な露天風呂である。しかも、混浴露天風呂なのだ…!
その広さと混浴という特徴から、龍宮の湯は「日本一大きな混浴露天風呂」に認定された。温泉は隣の人と距離が近いと気まずいが、広いとリラックスして入れそうだ。しかし、混浴は恥ずかしい気もする…。
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長楽園は混浴でも入りやすいように、濃い色の着るタイプのバスタオルのようなものが用意されている。着用したまま温泉に入れるので、安心して家族や恋人と温泉ですごせるぞ。恋人と温泉とは…うらやましい。
【追加雑学④】ヨーロッパではお城に宿泊できる
旅館のような、その国の歴史と伝統を感じられる宿泊施設が海外にも存在する。フランスやドイツなどのヨーロッパの国では、お城に宿泊できるのだ。
宿泊可能なヨーロッパのお城は、古城ホテルと呼ばれている。昔建てられたお城を整備し、一般の人が宿泊可能なホテルにしたのだ。お城に泊まれるのは、貴族だけだと思っていた…!
一般の人が泊まれるといっても、宿泊料金が高くて手が届かないのでは? 料金については高いお城もあるが、日本でちょっといい旅館に泊まるくらいの値段のお城もあった。
交通アクセスが不便などの理由で、豪華な部屋でも宿泊料金は安めに設定しているお城があるようだ。また、スペインでは国営の古城ホテルがあり、利益よりも地域活性や建物の保存を目的としているため、宿泊料金がおさえられているらしい。
幽霊の出そうなボロボロのお城だから安く泊まれるのかと不安になったが、きちんとした理由があったのか。ヨーロッパへ行くことがあれば、お城に泊まり王様気分を味わうのも楽しそう!
雑学まとめ
今回は世界で最も歴史ある旅館など、宿に関連した雑学を解説した。観光メインの旅もいいけれど、旅館でゆっくりすごすための旅行もいいかもしれない。
仕事や学業が忙しく、なかなか旅行に行く時間をとれない人もいるだろう。そんな忙しいときにこそ、旅行に行って心身ともにリフレッシュするのも大事だぞ!