皆さんは毎日、ぐっすりと眠れているだろうか。熟睡できない、あるいは寝ているのに眠気がとれないという人もいるだろう。そんな人におすすめなのが、寝室の空気を見直すことである。
今回の雑学記事では、寝室の空気による睡眠の質の変化について紹介しよう。枕や布団を変えずとも、寝室の空気に少し気を配るだけで、ぐっすりと眠ることができるかもしれない。
【人体雑学】ぐっすりと寝るには寝室の空気が大切
【雑学解説】寝室の二酸化炭素量を減らすと睡眠の質があがる
デンマーク工科大学が、寝室の空気と睡眠についての研究を行った。この実験では、30名の男女を対象にして、室内の温度がすべて等しい2種類の部屋で睡眠をとってもらった。
- 換気した部屋で1週間寝る(二酸化炭素量が少ない)
- 換気の悪い部屋で1週間寝る(二酸化炭素量が多い)
換気の方法は非常に簡単なもので、寝る前にドアや窓を開けて換気するか、専用のファンを使用して換気するかの2通りだけだった。つまり、二酸化炭素の量だけで睡眠の質が変わるかどうかを調べたのである。
その結果、換気をした部屋で寝たときには、睡眠の質が改善し、翌朝の気分も良くなった。具体的には、眠気も少なくなり、集中力もアップしていたのである。そのうえ、論理的な思考力テストの成績も向上したのだ。
寝る前に寝室の換気をしただけで、これだけの効果が得られるとは。なんとも驚きである。
研究チームは、「客観的に計測した睡眠の質と、主観的な寝室の快適さは、二酸化炭素のレベルが低くなるほど改善した」といっている。
つまり、しっかりと換気をして寝室の二酸化炭素の量を減らすほど、質の高い睡眠ができるということか。そう考えると、寝室に観葉植物を置いて、空気をきれいにするのも効果的かもしれない。
スポンサーリンク
【追加雑学①】寝る前に白米を食べるとぐっすり眠れる?
『PLoS ONE』という科学雑誌に面白い論文があった。この実験では、20歳~60歳の男女1848名を対象に、米・パン・パスタを食べてもらい、どの炭水化物が睡眠に良いのかを調べたものである。しかも、参加者はすべて日本人なので、非常に参考になるだろう。
その結果、パンとパスタは睡眠の質が下がってしまったが、米だけは睡眠の質を上げてくれた。なんとも日本人らしい結果である。
この実験では、GI値が高いほど睡眠の質が上がる傾向が見られており、糖質が血中に流れるスピードが速いほど、よく眠れるようになるそうだ。
いわれてみれば、きつめの糖質制限ダイエットをしている人は不眠になるケースがちょくちょくあるので、米を食べると睡眠の質が上がるのは分かる気がする。
だとしても、寝る前に大量の米を食べるのは、体型維持や健康の面からもよろしくないと思われるので、寝る2時間前までに、お茶碗1杯分の米を食べるくらいにとどめておくのが良いだろう。
【追加雑学②】その他のぐっすり眠るための3つのポイント
その他にも、ぐっすり眠るためのポイントがいくつかあるので紹介しよう。
ブルーライトをカット
スマホやテレビが出しているブルーライトは、眠気を誘う「メラトニン」というホルモンの分泌バランスを崩してしまう。そのため、寝る前にはスマホやテレビなど、ブルーライトを発するものを避けた方が快眠しやすくなる。
理想は、寝る2時間前くらいからスマホなどに触れないようにすることだ。なかなか難しいかもしれないが…。
ぬるめのお風呂に入る
熱めのお風呂に入ると体が覚醒してしまうので、寝付きにくくなる。熱いお風呂は身体の負担も大きいので、38度くらいのぬるめのお風呂に5分~30分ほど入るくらいがいいだろう。
体がゆっくりと温まり、緊張がほぐれる。リラックス効果も得られて、快眠につながる。
おすすめ記事
-
日本が珍しい!?海外ではほとんど湯船に浸からない【お風呂】
続きを見る
温かい飲み物で眠気を促す
温かい飲み物で、一度内臓から体温上昇を促そう。体温が下がり始めるときに自然な眠気が生まれるので、睡眠前に飲むことで快眠につながる。快眠効果を得るには、ノンカフェインのものを飲むと良いだろう。
ちなみに、寝酒という言葉があるように、眠りやすくしてくれるといわれているアルコール類だが、実際には、睡眠が浅くなる。つまり、睡眠の質が下がるのだ。
その理由として、アルコールの利尿作用によりトイレに行く回数が増えて、快眠を妨げてしまうためである。寝る前は、白湯や生姜湯などを飲むのがおすすめである。
「睡眠の質」の雑学まとめ
今回は、寝室の空気を換気すると睡眠の質が上がる雑学についてご紹介した。意外と盲点だったが、寝室を換気するという簡単方法で、睡眠の質を上げられることがわかった。
今日からでも取り組める方法なので、ぜひ試してみてほしい。今までもよりも、スッキリとした朝を迎えられるだろう。実際、私は寝起きが良くなった。
また、寝る2時間に米を食べる・ブルーライトをカットするなど、取り組むには少し努力がいるものもあるが、ぬるめのお風呂に入る・温かい飲み物を飲むなどの取り組みやすい方法でもいいので、寝室の換気にプラスしてもらうと、よりぐっすりと眠れるだろう。
日々の疲れを睡眠でしっかりとって、毎日を充実した1日にできるように心掛けていきたい。
おすすめ記事
-
睡眠って大事…!人生80年の場合、一生の睡眠時間は25年。
続きを見る