世界史

Vサイン(ピース)の変遷。挑発/勝利から平和のポーズへ【チャーチル】

雑学カンパニー編集部

雑学カンパニーは「日常に楽しみを」をテーマに、様々なジャンルの雑学情報を発信しています。

Vサイン(ピース)はもともと挑発・勝利のポーズだったという雑学

写真に写るとき、勝負の決めポーズとしてよく使われるVサイン。カメラを向けられると反射的にVサインをしてしまう、なんて人もいるかもしれない。

日本ではおなじみのVサインだが、実はもともと挑発の意味があることを知っているだろうか? 外国の中には、Vサインをすると命の危険が迫ることもあるという。

今回は日ごろ何気なく使っている「Vサイン」の雑学について紹介していこう。外国によく行くという人は、特に注意して読んでほしい

【歴史雑学】Vサイン(ピース)はもともと挑発・勝利のポーズだった

秀吉くん
カメラを向けられるとついついVサインしちゃうんっすけど、あれってどんな意味があるんっすかね?
信長さん
俺に向けてVサインはするなよ。あれはもともと相手を挑発するポーズだったんだからな。

【雑学解説】Vサインは百年戦争での挑発説が有名

Vサインは百年戦争での挑発説が有名というトリビア

アジンコートの戦い

勝利や喜びを表す意味で使われているVサインは、日本では写真を撮るときのおなじみのポーズとして知られている。しかし、もともとは相手を挑発するためのポーズだというのだ

Vサインの由来は複数あるが、最有力候補といわれているのが百年戦争だ。1337年~1453年で起こった百年戦争の中の「アジンコートの戦い」で、イングランド軍がフランス軍に対してとった行動がVサインの発祥と考えられている

では、イングランド軍の兵士は何をしたのか? 当時百年戦争においてイングランドは、ロングボウと呼ばれる威力抜群の弓を使っていた。フランス軍からすれば、ロングボウはまさに脅威。

そこで、イングランド軍の兵がフランス軍に捕虜にされたときにロングボウを使えなくするために人差し指と中指の2本の指を切り落としていたという。しかし、イングランド軍の兵も負けてはいない。

指を切り落とされるというこの行為を逆手にとり、イングランド軍の兵士たちが自分の人差し指と中指を立て「切り落とせるものなら切り落としてみろ!」とフランス軍を挑発したのだ

秀吉くん
けっこうエグイ由来なんっすね。
信長さん
戦国の現役時代を思い出すな…。

百年戦争にまつわるもう1つの説

百年戦争にまつわるもう1つの説についてのトリビア

百年戦争ではVサインのもう1つの説がある。上記の「指を切り落とされる」というエピソードに基づき、イングランド軍が無事に生還した際「指が残ってるぞ(生きて帰ってきたぞ)」というアピールでVサインをした。これがそのまま、勝利のVサインとして定着していったという説もある。

ちなみに、百年戦争の「アジンコートの戦い」の決着はというと、ロングボウの威力でイングランド軍の圧勝で終わったという。

信長さん
ロングボウは長弓の一種で、扱いにはしっかりとした訓練が必要だったそうだ。

スポンサーリンク

チャーチル首相の「V for Victory」説も

イギリスのチャーチル首相がヒトラー率いるドイツとの戦いでの運動で…というものだ。実は、Vサインの由来は百年戦争が有名だがこのチャーチル首相のエピソードが定説といわれている。

戦争の相手はなんといっても、独裁者として有名なヒトラー。当初ドイツの勢いはすさまじく、これに負けまいとイギリスの放送局BBCがドイツに占領された国々に向かって「ドイツなんかに負けてたまるか!」という意思表示のためにVの字を使うよう呼び掛ける「V for Victory」(勝利のV)キャンペーンを始める。

このキャンペーンをきっかけに、ドイツに占領されていた国々のいたる場所で「V」という打倒ドイツの意味を込めた落書きが見られるようになる。この運動をチャーチル首相は支持をして自らがいろいろな場所で士気を高めるため、Vサインをしていった

このチャーチル首相の活躍を表したのが、映画化されている。

秀吉くん
あ、Vサインしてるっすね!

この映画でもVサインは登場しており、これをみるとチャーチル首相の活躍や苦悩がよく分かる。観たことがない人は、時間があるときに観て損はない作品といえるだろう。

【追加雑学①】反戦運動から平和を願うVサインへと変わっていった

ここで疑問がでてくる。勝利のVサインは、いつから平和を意味するVサインへと変わっていったのだろうか?

平和を意味するVサインへ変わったのは、1960年代のベトナム戦争に対する反戦運動といわれている。かつてチャーチル首相が戦争の士気を高めるために使用したVサインを、デモの参加者たちはあえて平和を願うポーズとして使用したのだ

こうして勝利のVサインは、現在の平和を願うVサインに変わっていった。

ちなみに日本では、1972年に井上順さんがカメラのCMで決めポーズとして使っていたのがきっかけといわれている

信長さん
タレントの井上順がコニカ(現・コニカミノルタ)のCMでVサインをしたのだ。これはアドリブだったらしいぞ。

【追加雑学②】ギリシャではVサインはNG!?

平和のVサイン、世界各国で共通だと思ってしまうかもしれないが、実はVサインを使うと危険な場合がある

その1つがギリシャ。ギリシャでは我々が日頃行っている、手の平を相手に向けたピースサインはNG

もともと犯罪者に2本指で物を投げつける習慣があった。そこからVサインには「くたばれ」という物騒な意味が込められているそう。相手を侮辱する意味になるので、絶対に使わないようにしよう

またイギリス・オーストラリア・ニュージーランド・アイルランド。これらの国では手のひらを内側に向けた「裏ピース」は使うと卑猥・性的な侮辱という意味になる。旅先でうっかり使わないよう、十分注意してほしい。

秀吉くん
何の気なしに使ったジェスチャーで揉めたりしたら怖いっすよね…。

雑学まとめ

Vサイン(ピース)の変遷。挑発/勝利から平和のポーズへ【チャーチル】についての雑学まとめ

Vサインについての雑学をご紹介した。写真の決めポーズで使っているVサインには、実は深い意味があることがわかった。なんとなくVサインは世界共通と思っている人もいたかもしれないが、世界共通どころか使ってはいけない国もある

日本に近い中国や韓国ではVサインが比較的よく使われているらしいが、海外旅行へ行く際はあらかじめ現地の情報を調べておくことをおすすめしよう

秀吉くん
僕、これからは嫌いな相手には何も言わずに笑顔でVサイン向けることにするっす。
信長さん
お前、本当に性格ゆがんでるよな。

おすすめ記事

親指を立てるGOODサインはイタリアで使ってはいけないという雑学
イタリアで使うな!親指を立てるグッドサインは"強烈な侮辱"…!

続きを見る

いま読まれている記事

  • この記事を書いた人

雑学カンパニー編集部

雑学カンパニーは「日常に楽しみを」をテーマに、様々なジャンルの雑学情報を発信しています。