人類の永遠のテーマの一つが不老長寿ではないだろうか。そんな人類の夢を叶えてくれるかもしれないものがある。それは食物繊維である。意外と身近な栄養素に長生きの効果があったのだ。
とはいえ、現代人は食物繊維が不足しがちである。
今回は、長生きにつながるかもしれない食物繊維についての雑学を紹介しよう。これをきっかけに、食物繊維が豊富な食生活に切り替えてみてはどうだろうか。
【人体雑学】食物繊維の摂取量を増やすと長生きできる可能性がある
【雑学解説】食物繊維を10g増やすと死亡率が11%減少する
2015年に発表された論文で、食物繊維で長生きできるのかを調べたものがある。これは中国で行われた研究で、過去に実施された67件の実験から180万人分のデータをメタ分析したものになる。
その結果、食物繊維の摂取量が多い人は、食物繊維の摂取量が少ない人に比べて、死亡率が23%も低い傾向があった。また、心疾患の発症率も23%も低かったのである。
さらに具体的に見ていくと、食物繊維の摂取量が1日10g増えるごとに、死亡率が11%下がった。そして、心疾患の発症率は、なんと20%も下がったのだ。
けっこう衝撃的な事実である。食物繊維だけでこれだけの効果があるとは。病気の予防として、食物繊維はかなり効果が期待できるかもしれない。
もちろん、食物繊維を摂り過ぎればお腹を下してしまうので、まずは普段の食生活の中で少しずつ食物繊維を増やしていき、自分のお腹にあった食物繊維量を見つけてみてほしい。
【追加雑学①】食物繊維には2種類ある
長生きに効果があるかもしれない食物繊維だが、食物繊維には大きく分けて2つのタイプに分かれる。水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維だ。
水溶性食物繊維は、果物・野菜に含まれるペクチンや昆布・ワカメのぬるぬる成分であるアルギン酸などがあって、その名の通り、水に溶けてゼリー状となる性質がある。
特徴としては、小腸での栄養素の吸収を緩やかにするため、血糖値の上昇を抑える効果があったり、コレステロールを吸着するため、コレステロールを体外に排出する効果があったりする。また、ナトリウムを排出してくれるので、高血圧の予防効果もある。
一方、不溶性食物繊維には、植物の細胞壁を構成しているセルロースやカニ・エビの殻に含まれるキチンなどがある。
特徴としては、水分を吸収して便の容積を増やすことで、大腸を刺激して排便をスムーズにしてくれる。また、有害物質を吸着して便と一緒に体外に排出してくれるため、腸内をきれいにして大腸がんのリスクを減らしてくれる効果がある。
どちらの食物繊維も健康にはかかせないということか。両方をバランス良く摂っていくことが大切になるだろう。
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【追加雑学②】食物繊維が豊富な食べ物
では、どんな食べ物に食物繊維が多く含まれているのだろうか。食物繊維が豊富な食べ物をジャンルごとにまとめて紹介しよう。
① 野菜類
切り干し大根・グリーンピース・モロヘイヤ・ごぼう・ほうれん草
② 果物類
干し柿・干しいちじく・プルーン・アボカド・りんご・バナナ・いちご
③ きのこ類
乾燥きくらげ・干ししいたけ・なめこ・本しめじ
④ 豆類
きなこ・あずき・枝豆・いんげん豆・納豆
⑤ 海藻類
ひじき・のり・わかめ・昆布
⑥ 穀類
オートミール・ライ麦パン・そば・中華めん・じゃがいも
こうして見てみると、様々な食品から食物繊維が摂れることが分かる。特に海藻類には、より多くの食物繊維が含まれている。そう考えると、味噌汁やひじきの煮物などの和食が長生きへの秘訣になるかもしれない。
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雑学まとめ
今回は食物繊維を増やすことで長生きできるかもしれない、という雑学についてご紹介した。
食物繊維を1日10g増やすことで、死亡率が11%も減少することには、かなり驚いた。ここまではっきりとした違いが出るのは衝撃的だ。
長生きをしたいと考えている人は、食物繊維の多い食生活に切り替えてみてはどうだろう。ついでに、便の出も良くなるはずなので、試してみて損はないはずだ。
私も、ごぼう・大根・納豆などは良く食べているが、海藻類が足りていない気がするので、少し見直してみようと思う。
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