バナナを好きな人は多いと思う。日本人にとって身近な食べ物といえば、バナナだろう。一年中手に入るし、他の果物と比べても安い。なんだか栄養がある感じがするし、お腹もふくれる。なにより、甘くて美味しい。
バナナは割と最強の果物な気がする。そんな最強の果物、バナナは何色をしているだろうか…。
もちろん、黄色だと答える人が多いだろう。スーパーで売っているバナナは黄色いし、バナナといえば黄色い果物だ。きれいな黄色いバナナを買ってきて、甘さMAXの食べごろまで待つのは楽しい。
でも、実は輸入された時のバナナは黄色くないことをご存知だろうか…。今回はそんな、バナナにまつわる雑学をご紹介していくぞ!
【食べ物雑学】黄色いバナナは輸入が禁止されている
【雑学解説】バナナは青色で輸入される!
ご存知のようにバナナは青色から黄色に、そして茶色、黒と熟れていくにつれ色が変わっていく。
そんなバナナを輸入していいタイミングは最初の青色の頃だけだ。これは植物防疫法で定められている。
もちろん青バナナのままでは硬いし、甘くないし、渋いしで食べられたものではないので、日本に着いた後に黄色くなるまで熟成させるのだ。
その過程も放っておけば勝手に黄色くなるわけではない。発酵させるための部屋に入れて、温度管理をしながらエチレンガスを浴びさせる、という手順を経て黄色バナナに進化するのだ。
この作業を追熟という。人工的に熟成させているわけだ。
ちなみに、バナナが浴びるエチレンガスはリンゴからも出ているものだ。バナナとリンゴを一緒に保管しておくと早く熟すのはエチレン効果なのである。
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でも、どうしてそんな面倒なことをしているのか少し疑問に思わないだろうか。最初から黄色バナナを輸入すればそんな手間をかけずに済むのに…。
害虫を避けるために黄色のバナナを輸入しない
黄色バナナの輸入には大きな危険が伴うのだ。それは害虫である。
バナナは暑くて雨の多い地域でよく育つ。熱帯雨林のような場所だ。実際、日本に輸入されてくるバナナの8割近くがフィリピン産。
そうした暑くて湿度が高い地域には、日本には生息しない生物が多く生息する。果物にいたっては害虫がついていることも多いのだ。
万が一、輸入によってそうした外来種の害虫が入ってきてしまったら…日本の生態系に影響を及ぼす可能性が十二分にある。
そして、黄色バナナには害虫がついていることが多い。人が食べても甘くて美味しいバナナなのだから当たり前だ。バナナ畑なんて虫からしたら天国である。
ところがなんと青バナナには害虫はよりつかないのだ! 青バナナには糖分が全く入っておらず、これでもかというぐらい渋い味のため、虫たちも寄り付かないのである。…虫たちのグルメさには脱帽だ。
よって、青いうちに収穫して輸入まで行ってしまえば、日本に外来種が入ってくるリスクをうんと減らすことができるのだ。
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【追加雑学①】色で体への効果が変わる?
熟し具合によって色が変化していくバナナ。実は、栄養も色の変化とともに変わっていくのだ。
どんな変化が見られるのか、色ごとに見ていこう。
青バナナ
真っ青なバナナはまず流通しないし渋くて食べられない。ここでいう青バナナとは買った後すぐの姿。茎の部分が青くて全体的に青みがかった黄、つやつやでまだ少し硬い時期だ。
まだ熟しきっていない青バナナは「整腸効果」が期待できる。熟しにつれて消えていく「レジスタントスターチ」というデンプンがこの段階ではまだ多く含まれているのだ。
これは食物繊維と似た作用をもつ消化されにくいデンプンで、腸までそのまま届いて善玉菌の栄養となる。善玉菌を増やして腸内環境を整える効果が期待できるのだ。
バナナが便秘解消に効くとはよく聞くが、便秘にはこの青バナナがいちばん効果的なのである。
黄色バナナ
茎の部分も黄色くなって、程よい弾力と鮮やかな色をした黄色バナナ。この段階で食べる人も多いはず。
程よく熟した黄色バナナには「美肌効果」が期待できるのだ。ビタミンB2・B3・B6が断トツで含まれているのがこの時期。
代謝を良くするこれらのビタミンは肌のターンオーバーを助けてくれる効果が期待できるのだ。特にビタミンB6は皮脂のコントロールをする働きがあるので、ニキビに悩む人におすすめ。
また、むくみ解消に効果的なカリウム、アンチエイジング作用を期待できる抗酸化物質も多く含まれている。
茶色バナナ
茶色い斑点(シュガースポット)がぽつぽつと増えて全体的に柔らかくなってきた茶色バナナ。完熟と言いたくなるようなふにゃふにゃのバナナが甘くて好きという人も少なくない。
茶色バナナに期待できる効果は「免疫力UP」。甘いバナナの証拠であるシュガースポットには「リン脂質」という成分が含まれている。
この「リン脂質」は他の果物にはほとんど見られない成分で、胃の粘膜を保護してくれる役割があるのだ。他にも免疫細胞を活性化させる働きがあるとされている。
このストレス社会で胃が荒れがちな人には特にうれしい効果だ。
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【追加雑学②】バナナの保存に「バナナハンガー」
バナナは、油断しているとすぐに茶色くなってしまう。食べたくなって一房買ってみても、一人暮らしで余ったり、食べる機会を忘れたりとあっというまに傷んでいく…。
そんなバナナを長持ちさせる保存方法があるのだ。「バナナハンガー」である。
バナナを置いて保存すると接地面からどんどん傷んでしまうのだ。そこで、効果的な保存方法が「吊るす」こと。
バナナを吊るして保存することで生えているときと近い状態を保てるため、日持ちしやすい。さらに甘みも増すのだとか。
バナナを吊るすための「バナナハンガー」「バナナスタンド」と呼ばれる商品が実はたくさん出回っている。長く美味しくバナナを楽しむために取り入れてみるといいかもしれない。
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雑学まとめ
今回はバナナについての雑学を紹介した。
日本ではほとんど見られない真っ青なバナナ。写真や映画でしか見たことがなかったので、生産地でしか見られないものだと思っていたが、実は流通していないだけで日本にもたくさん青バナナに来ていたのだ。
青から黄色、そして茶色とバナナの色の変化はとても鮮やか。色の変化で栄養も変わるとは驚きだ。体調に合わせて上手に食べわけることでますますバナナ効果を高めていきたい。