女性の病気として悪名高い「乳がん」。
続々と著名人が乳がんを公表したり、セルフチェックや検診の重要さが叫ばれたり、なにかと注目を浴びている病気だ。がんのなかでも特に身近なイメージのある乳がんは、女性からしたら恐怖の対象である。
でも実は、乳がんは女性だけの病気ではない。男性だって十分に注意をしたい病気なのだ。今回はそんな「乳がん」に関する雑学をご紹介していく。
【人体雑学】男性にも「乳がん」がある
【雑学解説】全乳がんの1%が男性乳がん!
男性乳がんの発症は稀で、全乳がんの0.5〜1%。乳がん患者の100人から150人に1人という割合だ。特に60〜70歳の高齢の患者が多いよう。
この傾向は男性乳がん特有で、女性の乳がん患者より10歳ほど高齢だ。とはいえあらゆる年齢の男性に発症する可能性があるので油断はできない。
女性の乳がん発症には、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンが関係しているとされているが、男性乳がんの原因は未だに解明されていない。
だが、発症のリスクを高めるリスク因子はいくつか考えられている。
- 乳がんになった近親者がいる
- 胸部に放射線療法を受けた
- 肝硬変など肝臓の障害がある
- 遺伝子の差異が生じている
これらのリスク因子に当てはまるからといって必ずがんになるとは限らないが、リスクを高める要因にはなるとされている。
乳がんの症状
では実際にどんな症状が現れるのだろうか。乳がんにも様々な種類があるので症状もいろいろだが、主な症状はこんな感じ。
- 乳房やわきの下に痛くないしこり
- 乳頭の陥没
- 乳房のくぼみ、形の変化
- 乳首からの血液が混じった分泌液
- 乳房の腫れ、熱感(炎症性乳がん)
- 乳頭のただれ(乳房パジェット病)
女性に比べて乳線の組織が薄い男性は、症状の進みや他の部位への転移が早いとされている。早く発見し治療することがとても重要だ。
診断や治療は、基本的に女性の乳がんと同じだ。
男性乳がんは、認知度が高くなく乳房の状態を気にすることも少ないため、発見した時には進行していることが多いようだ。たしかに、女性は乳がんに対する危機感をもちやすいが、男性はそうではないだろう。男女ともに男よりも女のおっぱいのほうが注目されやすい。
だが、最悪の事態を免れるためには「男のおっぱい」にも目を向けることが必要なのだ。
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【追加雑学①】月1はしたい!乳がんセルフチェック!
乳がんは定期的にセルフチェックをすることで、発見の確率を上げることができる。
基本的には乳房やわきの下を触ってしこりがないかチェックすることだ。定期的に触ることによって違和感に気づきやすくなる。痛みを伴わない、硬いしこりが見つかったら要注意だ。
また鏡の前で両腕を上げたり下げたりしながら、ひきつりやへこみ、乳房の変形がないか視覚的にチェックすることも効果的。
以下の動画は女性向けにセルフチェックの方法を示しているが、基本的には男女ともに変わらないので男性もぜひ同様にチェックしてもらいたい。
もし、違和感を感じたら乳腺外科。あるいは内科へGOだ。
【追加雑学②】いちばん多いがんの部位って?
ところで、「がん」とはよく聞く病気だが、実際にどの部分のがんが多いのだろう…。
国立がん研究センターの統計によると、2014年のがん罹患数は次のようになっている。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
男性 | 胃 | 肺 | 大腸 | 前立腺 | 肝臓 |
女性 | 乳房 | 大腸 | 胃 | 肺 | 子宮 |
男女計 | 大腸 | 胃 | 肺 | 乳房 | 前立腺 |
女性1位は乳がん。これほど多いがんとなると一層セルフチェックの重要さを感じる。
他には大腸や胃など、消化器系のがんが多いことがわかる。自分の体を守るためにも定期的な検診は絶対に必要だ。
雑学まとめ
今回は男性乳がんについての雑学を紹介した。
女性特有の病気のイメージが強い乳がんだが、男性も油断ならないとは恐ろしい。乳がん患者は年々増加傾向にあり、男性乳がんも増えているようだ。
男性も女性も、他人事と思わずに、危機感をもっておきたい。セルフチェックも忘れずに行うようにしよう。
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