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50年以上!セントラリアの火災が消火されない理由とは?【動画】

雑学カンパニー編集部

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セントラリアの火災に関する雑学

動物は火を怖がり、人間は火を駆使する…。火は人類の発展には欠かせないエネルギー源として、太古の昔から文明の発展を支えてきた。

しかし火を操る人間にとっても、火災となると人生を一変させてしまう脅威になり得る。ちびまる子ちゃんの永沢くんも性格が変わってしまうぐらいだ。

そして…この世界には、我々がおよそ想像もつかない規模の火災が存在する。何十年も燃え続け、約1000人にも上る人々の人生を狂わせてしまった火災のことをあなたは知っているだろうか。

今回はアメリカで今も燃え続ける、セントラリアの火災の雑学をお届けしよう。

【世界雑学】セントラリアの火災が50年以上消火されない理由とは?

ロバート
おいおい…50年以上も燃えていたら、何も燃えるものがなくなっちゃうんじゃないのかい!?
エイミー
実は燃えるものがあるのよ…! それで50年以上も火災が続いてるの!

【雑学解説】石炭の町・セントラリアで起こった大火災

石炭の町・セントラリアで起こった大火災についてのトリビア

1962年のこと、以降50年以上も燃え続ける大火災が、アメリカ・ペンシルベニア州のセントラリアという町で発生した。

セントラリアは広さ約0.6平方キロメートルという、東京ディズニーランドより少し大きいぐらいのこじんまりとした町だ。主要な都市だとニューヨークやフィラデルフィアが近い(といっても、140kmほど離れているが…アメリカ広し)。

セントラリアで発生したこの火災は、どうして50年以上も燃え続けているのか…? そんなに燃え続けていたら、こんな小さな町に燃えるものなど無くなってしまうのではないか。また常に燃え続けている町なんて危ないものを、国が放置しておくとも思えない…。

どういうカラクリかというと、セントラリアの火災は地上にあらず、地下で発生したのである。燃え続けているのは、地下に埋まっている大量の石炭だ。

燃えているのは大規模な地下炭鉱

セントラリアは、無煙炭という、煙や臭いの出にくい良質の石炭が獲れる場所として、1854年に鉱山技師のアレキサンダー・W・レアが開拓を進めた町である。

セントラリアは1890年ごろ、石炭の需要が全盛にあったころには、約2700人が暮らす街になっていた。無煙炭は当時、家庭用暖房器具を燃料として重宝され、生産地であるセントラリアは瞬く間に繁栄していったのだ。

しかし1950年ごろには家庭用の燃料が石油になり、セントラリアの石炭は火力発電など、工業用のものには適さなかったため需要がなくなってしまう。

こうしてセントラリアの石炭会社は、大規模な炭鉱だけを残して撤退。以降住民は1000人ほどに減少したが、セントラリアの地下には、過去の繁栄の証ともいえる石炭が、今もゴッソリと埋まっているのだ。

ロバート
なんてこった…燃焼剤がたんまりかよ…

1962年5月、アメリカの休日「メモリアルデー(戦役将兵追悼記念日)」直前のこと、セントラリアの炭鉱跡地に火が燃え移り、深刻な地下火災へと発展。以降50年、燃料となる石炭は尽きることなく燃え続け、その規模は現在で160ヘクタールにも及ぶ。

月並みな表現だが、これは東京ドーム約34個分の規模である。深さは地下100メートルに及ぶ地点もあるといわれ、想像を絶する果てしなさだ。

火災の原因は正確には不明だが、一説には、メモリアルデーを前にボランティアで町の清掃に訪れた消防隊員が、廃鉱近くのゴミ集積所にてゴミを燃やしたのが燃え移ったのだといわれている。

悪意はないので責められる話ではないが、消防士が逆に火をつけてしまうとは…なんだか皮肉な話だ。

セントラリア火災の長期化の理由

セントラリア火災の長期化の理由についてのトリビア

燃料がふんだんにあるから燃え続けているということはわかったけど、そんな大規模な火災…国は鎮火させようとは思わなかったのか? いやいや…思わなかったわけがない。鎮火できなかったのだ。

火災発生からすぐに鎮火は試みられたが、通常の火災と違い燃料が燃えているのだから、消火より燃え広がる速度のほうが普通に速い。

またここまで激しい火災にむやみに水をかければ、水蒸気爆発による二次災害を起こす危険性もある。

水が一気に蒸発するときの反応というのは意外と恐ろしい。あまり知られていないが、水は水蒸気に変わると体積が1700倍にも増える。大量の水が一瞬のうちに蒸発すれば、体積が増大する際の衝撃で大惨事を招きかねないのだ。

炭鉱の入り口を塞ぎ、酸素の供給を減らすことで火の勢いを弱める方法もあるが、セントラリアの炭鉱は規模が大きすぎて、空気の流れをシャットアウトするのは容易ではない。

こうして火災発生の翌年、1963年には「こりゃあ経済的にも、技術的にも消すのは無理だわ」と、政府は鎮火を諦めてしまったのだ。

エイミー
アメリカらしいといえばらしいけど…大胆すぎる政策ね。。

そしてあくまでも地下で燃えているわけだから、すぐに住民が危険にさらされるわけでもない。このような理由から、セントラリアの地下火災は「自然に治まるのを待ちましょうか」という結論を下されてしまったのだ。

のんきに思えて、これ以外に方法がないのが現状である…。

ちなみに自然に治まるのを待つなんていっても、今後1000年燃え続けるなどといわれている。そのころには未来の技術でなんとかなってるかも…?

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【追加雑学①】火災による健康被害でゴーストタウンとなったセントラリア

現在のセントラリアの様子

セントラリアの現在

地下のことだからすぐに被害はないと思われていたが、1980年代になると、そのまま燃え広がり続けた火災はいよいよ地上にまで影響をもたらし始める。

火災の熱は地表にも伝わるようになり、柔らかくなった地面はひび割れ、地下水が水蒸気となり、その隙間から噴き出してくるように…。この水蒸気には有毒ガスも含まれており、急に倒れる人や不調を訴える人が現れだしたのだ。

炭鉱火災がの煙には、60種類ほどの有毒物質が含まれると専門家は話す。

一酸化炭素・二酸化炭素・水銀・ヒ素・硫化水素・メタン・鉛・スズ…などなど。ざっと挙げただけでも、吸って身体にいいものでないことは一目でわかるぞ…。

ロバート
こりゃヤバいぜ…!!

セントラリアでも調査が行われた結果、政府が定める規定値の30倍以上、生活をおびやかすほどの一酸化炭素・二酸化炭素濃度が検出された。

これを受けた政府は1983年、住民の立ち退きを決行。その際、立ち退き費用として用意された予算は日本円にして、約38億円にも上る。

ちなみに問題となったのは有毒ガスだけではなく、突然ひび割れた地面の隙間に12歳の少年が落下するという事故も起こった。彼は木の根っこに捕まって助けを呼び、一命を取り留めたという。映画のなかの話みたいだぞ…。

地面自体の温度も70~80℃の高熱を帯びているというし…もはや今のセントラリアは、我々が住んでいる町とは同じ地球とも思えない、まるで別世界なのである。

以下の動画でセントラリアがどのような変貌を遂げてきたのかを見ることができる。

約1000人居た住人はほとんどが立ち去り、建物は500件以上も取り壊された…。こうしてセントラリアは廃墟のような町と化してしまったのだ。

ロバート
まさにゴーストタウンだな…

街のなかを通っていた旧ペンシルベニア州道61号線も今は封鎖され、以下のような有様…こんな落書きだらけの道路見たことないぞ…。

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今でも数人が住み続けるセントラリア

1992年にはペンシルベニア州知事から避難命令も出され、順次行われていたセントラリアの立ち退きも佳境に入る。しかしそんななかでも、故郷への愛を捨てきれない住民がいた。

なんと彼らは政府から立ち退きの命令が出ているにも関わらず、セントラリアに残ることを選んだのだ。結果、かたくなに退かなかった彼らの主張は受け入れられ、2013年時点でも7人の住民が残っていることが確認されている。

彼らの生存中は土地や家屋の所有権が保証されているが、120日間家を離れればその権利も剥奪されるという特例付きだ。やはり政府としては、「いくら郷土愛が強くても、できれば立ち退いてほしい」という思いなのだな…。複雑である。

エイミー
ずっとセントラリアに住んできた人からしたら納得できないのかもね…。
郵便番号も廃止に…

2002年にはセントラリアの郵便番号が廃止されたので、手紙などを出す場合、住民たちは2~3キロ離れた隣町・アッシュランドまで出向かなければならない。

というか手紙を出してもセントラリアには届かないわけだし、出すのはよくても受け取るのはどうしてるんだ? 隣町の郵便局で預かっておいてもらうとか?

住民の生活水準は低くないということで、仕事は別の町でしているみたいだから、自宅近くに郵便局がなくてもあまり困らないのかもしれない。

もちろん人が住んでいる以上、観光客だって行くことはできるが、主要都市からは離れているし、けっこう田舎の町なので車は必須である。

【追加雑学②】炭鉱火災はセントラリアだけの問題ではない

炭鉱火災はセントラリアだけの問題ではないというトリビア

地下炭鉱の火災はなにもセントラリアだけではなく、ペンシルバニア州だけで38件も発生している。上には上が居て、ペンシルバニア州のウィルクスバリ近郊・ローレルランで発生した炭鉱火災は1915年以来、100年以上も燃え続けているぞ…!

アメリカ全体なら数百件、さらにインドや中国など、炭鉱を多く有する地域では総じて問題視されているのだ。…炭鉱ってそんなに頻繁に燃えるもんなの…マジで怖え…。

特に問題になっているのは二酸化炭素の排出量だ。オランダの国際研究所・ITCエンスヘーデの調査によると、中国の炭鉱火災による二酸化炭素の排出量は11億トンにも上るという。

これはだいたい近年の日本の二酸化炭素排出量と同じぐらい。火災が原因で国一個分の排出量が増えてしまう計算になる。

健康被害もそうだが、この炭鉱火災によって、地球は絶えず、膨大な温室効果ガスを出し続けているわけだ。地球温暖化の深刻な原因となっていることも容易に想像がつく。人間社会で排出されるものとは違い、現状で打つ手がないというのが歯がゆい…。

【追加雑学③】セントラリアは『サイレントヒル』のモデルになった

セントラリアの大火災は我々にはおよそ想像も及ばない、もはや非日常の世界といっていい。そんな非日常に目を付けたゲームソフトが、1999年にコナミから発売された『サイレントヒル』だ。

サイレントヒルは霧に包まれたゴーストタウンを舞台にしたホラーゲームで、町には恐ろしい化け物が徘徊している。2006年には映画化もされた。以下がその際のトレーラー映像だ。

霧に包まれた町…なんていうが、上の動画ではすすが舞っているような描写が見られる。そう、この作品に登場するサイレントヒルという町のモデルはセントラリアなのだ。

エイミー
サイレントヒルの舞台がセントラリアだったとはね…。

ただ、地面から煙が噴き出しているのは同じでも、セントラリアに化け物は住んでいないのでご安心を。

https://twitter.com/telemari_315/status/1153682648453148672

ちなみにサイレントヒルはスティーブン・キングの中編小説『霧』から着想を得たゲームで、こちらも2007年に『ミスト』というタイトルで映画化されている。

筆者はサイレントヒルはやったことがないが、ミストは観てきた映画でも忘れられない作品となっている。こちらも霧に包まれた町が舞台だが、かなりの鬱展開なので観るのにけっこう覚悟がいる。病みたい人はぜひ…。

ロバート
ひぃーーー!オレ、こういうのはダメなんだ!!
エイミー
動画を再生したのはアンタでしょ…

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【追加雑学④】世界の長期化した火災シリーズ

セントラリアの50年以上もかなりすごいが、世界にはもっと長い期間燃えている、あるいは燃えていた場所も当然ある。以下よりそれぞれ紹介していこう。

【中国】リュウファンゴウ炭鉱

中国のウイグル自治区にあるリュウファンゴウ炭鉱では、1874年に火災が発生し、以降130年間燃え続けた。

約4年間の消火活動の末、2004年に鎮火されたこの火災は1.83平方キロメートルの広域に渡る火災で、セントラリアより規模が大きい。

よくもまあ鎮火できたな…と感心させられるばかりだ。

エイミー
中国では、下の記事で紹介してる大規模火災もあったのよ。

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【トルクメニスタン】地獄の門

トルクメニスタンのダルヴァザという村には、「地獄の門」と名付けられた、延々と燃え続ける大きな穴がある。

こちらは1971年に天然ガスの採掘作業をしていた折、落盤事故で空いてしまった、100メートル以上にもなる巨大な穴だ。穴からは有毒なガスが漏れだしていたため、この拡散を抑えるため、やむを得ず点火することになったのである。

こちらも地中の天然ガスがどれだけ残っているかわからないため、鎮火の目途が立っていない。しかしながら燃え盛る様子が美しく、観光スポットのひとつとして人気を博している。地獄といわれている割にまだ救いのある火災だ。

ロバート
うおおおお!!たしかにこれは実際に見たら迫力がスゴそうだぜ!!

荒野の真ん中に突如としてポツンと現れる真っ赤に燃える穴。

トルクメニスタンというとあまり聞き慣れない国だが、これだけでも観に行ってみる価値はある。ダルヴァザはちょうど国の中心ぐらいにある村だ。

【オーストラリア】燃える山

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州のウィンジェンという地域にある「燃える山」では、地中深くで起きている炭層火災がなんと約6000年も続いているという、現存する最古の火災が起きている。

何それ…。セントラリアが「1000年燃え続ける」なんて言われてるのが可愛く思えてくるぞ…。

こちらもセントラリアと同じく地中の火災なので、地表で見られるのは煙が噴き出てくる様子のみだ。火災の地点は山のなかの自然公園で、人が暮らすような場所ではないので、セントラリアほど深刻な事態になっていることはない。

…と思いきや、周辺地域で地盤沈下などの問題もあるようだから、楽観視もできない。年間1メートルずつ南へ移動しているといい、これも長い目で見ればけっこう怖いことに思える。

しかし原住民のアボリジニなんかは、熱風を利用して料理したりなんかもするみたいだ。6000年も続いていれば、もはや文化の一部なのか。

以下の動画で現地の様子が紹介されている。煙というより砂漠の陽炎みたいなのが、ユラユラ上がっている感じだ。

エイミー
火災と共存するっていう手段もあるのね。

燃える山は主要都市ならシドニーからが近い。とはいえ都会ではないので、こちらも車で行く必要がある。

セントラリアの雑学まとめ

セントラリアの火事に関する雑学まとめ

今回はアメリカ・ペンシルベニア州の町、セントラリアで50年以上も燃え続ける火災の雑学をお届けした。

突如として起こる火災は人の手に負えないことも多い。それが何十年も消えないなんて、想像するにも末恐ろしいことだ。

案の定、セントラリアの火災は町を壊滅に追い込んでいる。わずかに残った住民たちが健康に過ごせるように、ただただ祈るばかりだ。

ロバート
故郷が火災で住めなくなったら…オレも居残るかもしれないぜ…
エイミー
そんなわけないでしょ。アンタ真っ先に逃げるタイプじゃないの。

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