人間も動物も、体が大きくなっていくのは「成長の証」。
子どもの身長は成長とともに伸びていくし、子犬や子猫もどんどん大きくなる。植物だってぐんぐん伸びていく。
私たちは当たり前のように、大きくなることこそ成長だと信じている。しかし、世の中にはそんな常識を覆してしまう動物がいるのだ。
その動物とは…カエル! 今回はカエルの成長にまつわる驚きの雑学を紹介していくぞ!
【面白い雑学】成長するにつれて小さくなるカエル「アベコベガエル」とは?
【雑学解説】南米に棲むアベコベガエル…おたまじゃくしのころは超巨大!
さっそく、アベコベガエルの姿を見てみよう!
でかっっっ!!
南米はアマゾン川流域などに生息しているアベコベガエル、別名「パラドックス・フロッグ」。日本語にすると「逆説のカエル」だ。おたまじゃくしはものすごく大きく、全長25cmほどにもなる。
25cmといえば500mlのペットボトルの高さほど。両手でやっと持てるサイズだ。もうおたまじゃくしというか、そこそこデカイ魚である。世界一大きいカエル、ゴライアスガエルのおたまじゃくしでも4cmほどだというのに…。
実はそうなのだ。「あべこべ」だの「パラドックス」だの言われ放題なアベコベガエルは、なんと成長した姿がおよそ6cmしかない。プッチンプリンの高さほどのかわいいサイズになってしまうのだ。
500mlペットボトルからプッチンプリン…縮むにしても縮みすぎじゃないか!?
なぜこんなあべこべな成長を遂げるのだろう…。実はその理由については、未だに解明されていない。まさに謎の生き物なのである。
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アベコベガエルが小さくなるのはなぜ?
解明されていないとはいえ、アベコベガエルが小さくなることに対しては、さまざまな説がある。
ここでも2つほど挙げておこう。
おたまじゃくしの期間が長いから
カエルはおたまじゃくしから変態する際に、一時的に身体のサイズが小さくなる。
おたまじゃくしのころに身体の大部分を占めていた尻尾が、身体のなかに引っ込むからだ。普通のカエルなら、そこからおたまじゃくしのころより大きく成長する。
しかしアベコベガエルはおたまじゃくしの期間が非常に長く、尻尾も巨大に成長するため、それが引っ込んだぶん小さくなってしまうというのだ。
たしかにアベコベガエルのおたまじゃくしは、7割がた尻尾ぐらいなイメージである。つまり「縮んだというよりは、でっかい尻尾がなくなっただけ」という感じか。
塩水に順応するため
アベコベガエルは川で暮らしているが、そのなかでも塩分濃度の濃い、海の近くに棲んでいることが多い。塩水が苦手なほかの両生類との競合を避けるためだ。
アベコベガエルは大人になると肺呼吸だが、おたまじゃくしのころはエラ呼吸をしている。
エラ呼吸の両生類というのは、肺呼吸の両生類よりも塩水に弱く、抵抗するためには大きな身体が必要になるという。
つまりアベコベガエルのおたまじゃくしは塩水に順応するために巨大化し、大人になって肺呼吸になるとその必要がなくなるので、小さくなるということだ。おお、これは説得力がある!
しかし結局、正確には解明されてはいないので、どちらの説も憶測の域を出ないのだが…。
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【追加雑学①】子供の方が大きい動物はほかにもいるぞ!
大人になると小さくなるという信じられない成長をするアベコベガエル。そのレアな生態には驚かされるが、実のところ、成長して小さくなるのはアベコベガエルだけじゃない。
世界で2番目に大きいペンギン、子供たちに大人気な「キングペンギン」も、大人のほうが小さいのだ。
ペンギンの親子というと「ピングー」みたいなそっくりでかわいらしい家族を想像する。ところが、キングペンギンの親子は見た目が全然違う。
以下の動画では、子供が親より一回り大きく、見た目も茶色くモフモフしていることが確認できるぞ! 子ペンギンは、ザ・ペンギンな親たちとまるで違う動物のように見える。
さすがにアベコベガエルほどのサイズチェンジとはいかないが、子どものキングペンギンはけっこうなおデブちゃんだ。
キングペンギンが暮らす南極では、冬場は寒すぎてエサが獲れないことがある。そのため、ヒナたちは冬の前に脂肪と栄養を蓄えなくてはいけないのだ。アベコベガエルみたいに生態の問題ではなく、マジのおデブちゃんってことか。
これでもかってくらいに栄養を溜め込んだヒナは、親よりも大きくモフモフに。ヒナ同士で集まって暖をとり、蓄えた栄養を消費しながら寒さと飢えをしのぐ。
そして冬が終わったころには体重が半分ほどになり、じきに茶色い毛も落ちて、すっきりとした大人の姿になっていくのだ。
体が半分になってしまうほどの寒〜い冬…とても厳しい環境なのがわかる。断食修行を経た大人のキングペンギンたちは、きっと悟りを開いているはずだ。
【追加雑学②】心臓まで丸見え!スケルトンなカエルもいる
成長すると小さくなる世にも不思議なカエルを紹介したが、世の中にはまだまだ摩訶不思議なカエルがいる。
それが中南米に生息する「グラスフロッグ」。なんとスケスケのスケルトンなカエルだ。
ガラスのように透き通った皮膚を持ち、外からでも内臓を見ることができる。
気持ち悪いような綺麗なような…。透明な理由は専門家でもわからないらしい。アベコベガエルといい、カエルの生態にはほんとに謎が多い。
ちなみにグラスフロッグの種類は多く、現在までに150種以上見つかっている…って、そんなにいるの!? もっと珍しいもんかと思っていたぞ。
日本でもたまーに通販などで売っている場合があるので、上手くいけばペットとして飼うこともできる。
雑学まとめ
今回はあべこべな成長をするカエル「アベコベガエル」についての雑学を紹介した。
大人になると小さくなる生態はやっぱり不思議すぎる。こんな常識を覆す不思議な生物がいるとは、まだまだ世界には変わった動物が見つかりそうだ!
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