ドラえもんは1969年に原作がスタートし、アニメも2019年で40周年を迎えている。原作は最終回を迎えないまま原作者が亡くなったため、1996年に未完で終了となっている。
しかし、ドラえもんには真の最終回があるという都市伝説が存在する。その最終回ではのび太が植物人間で病院のベッドで寝ていることがわかるという。
一体どういうことだろうか? ドラえもんの最終回に関する雑学についてご紹介しよう。
【サブカル雑学】ドラえもんの最終回でのび太が植物人間だと発覚する?
【雑学解説】ドラえもんの最終回に関する都市伝説が存在する
国民的人気漫画ドラえもんは、原作者の藤子・F・不二雄が亡くなったため、未完のままである。そのため、最終回は存在しないはずだが、真の最終回が存在するという噂が流れたことがある。
その最終回とは、ドラえもんの物語は植物人間になったのび太が病院のベットで見た夢だったと発覚するという驚きの内容だ。
パターンがいくつもあるが、ドラえもんが未来に帰ってしまい、いなくなってしまったドラえもんを想い、悲しむのび太。そして、場面が切り替わると寝たきりになった姿が…。
実はのび太は交通事故で、植物人間になってしまったのだという。つまり、ドラえもんは寝たきりののび太が見た夢だったというオチだ。
しかし、この話は1986年に子供たちの噂になったもので、根も葉もない偽の最終回である。当時、藤子・F・不二雄は自分の子供にこの最終回の話を聞かされて、ドラえもんの最終回は明るい話にすると約束したという。
さまざまな最終回が作り出されていった
のび太が植物人間だったという最終回は小学生の噂話に過ぎないため、それほど詳しい内容が決まっていたわけではない。
しかし、この噂は長い間語り継がれることになり、1990年代にはチェーンメールとして様々なパターンの最終回が増えていった。
ドラえもんが植物人間ののび太を背負って天国へ連れていく話、ドラえもんの物語は身体障害者ののび太が考えた願望だったという話など。
また、動かなくなったのび太に、ドラえもんが全エネルギーを与えて助けるという話もある。この話では、エネルギーを与えたドラえもんは動けなくなってしまうが、のび太の涙がドラえもんに触れるとドラえもんは再び動き出すというハッピーエンドになっている。
しかし、この話は、1991年から放送された「丸出だめ夫」の最終回とほとんど変わらないないようだ。
最終回ではのび太がドラえもんを作る?
ドラえもん最終回の都市伝説は、他にも有名なものが存在する。それは、ドラえもんの制作者がのび太だったという話である。電池切れで動けなくなったドラえもんは、さまざまな理由で修理することができなくなってしまう。
のび太は猛勉強を重ね、数十年後にドラえもんを修理するという話である。修理しただけなので開発者ではない気がするが…。下の動画はこの話をもとに作成されたものだ。
この話はファンが勝手に考えた最終回であり、誰が考えたのかも判明している。この話は別のファンによって同人誌化され、同人誌としては異例のヒットとなった。
そのため、不二子プロや小学館に著作権侵害で訴えられ、テレビのニュースになったこともある。さらにこの話は、テレビの深夜番組で芸能人が最終回として紹介したこともあったため、本当の最終回だと勘違いしている人も少なくないようだ。
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【追加雑学①】ドラえもんには公式の最終回がいくつもある?
ドラえもんの最終回は都市伝説ではなく、公式に作られたものが存在している。ドラえもんは小学館の「小学四年生」などの学年誌に連載されているが、学年が上がる前の3月号で便宜上の最終回が描かれていた時期がある。
「ドラえもん未来へ帰る」は1971年の「小学四年生3月号」に。「ドラえもんがいなくなっちゃう!?」は1972年の「小学四年生3月号」に便宜上の最終回として掲載された。
どちらも、ドラえもんが未来の世界に帰り、のび太に別れを告げる内容になっている。当時、「小学五年生」にはドラえもんは連載されていなかったので、「小学四年生」の読者にとっては本当の最終回だったともいえる。
その後、「小学五年生」と「小学六年生」にもドラえもんの連載が拡大されたが、各学年誌の3月号には最終回的なエピソードが掲載されることが恒例になった。
このように3月号で最終回的なエピソードが掲載されて、4月号でドラえもんが戻ってくる展開を繰り返すのが当たり前だった時期があったのだ。
ドラえもんが連載終了!?最終回を予定して書かれた話
しかし、こういった経緯とは無関係にドラえもんが本当に連載終了しそうになったこともあった。藤子・F・不二雄も最終回のつもりで描いたエピソードが存在するのである。
それが、映画「STAND BY ME ドラえもん」の原作にもなった「さようなら、ドラえもん」だ。その後、ドラえもんの連載が継続することになったため、「帰ってきたドラえもん」が描かれ、ドラえもんは復活した。
「さようなら、ドラえもん」はてんとう虫コミックスの6巻に、「帰ってきたドラえもん」は7巻に掲載されている。結局、本当の最終回は存在しないことになる。
【追加雑学②】事実上の最終回「ガラパ星から来た男」とは?
ドラえもんには、事実上の最終回となった「ガラパ星から来た男」が存在する。このエピソードは、藤子・F・不二雄が描いた最後の中編だ。
その後、大長編が制作されているが、「のび太のねじ巻き都市冒険記」の制作中に藤子・F・不二雄は亡くなってしまった。
物語は未来の世界のガラパ星という場所で、生物を進化させる研究所ができたことから始まる。
のび太はガラパ星の研究所に頼んで、ドラえもんに無断でさまざまな生物を進化させてしまう。ドラえもんの事実上の最終回なのに、ドラえもんの新しい秘密道具は登場しない。
話は、のび太がガラパ星で進化させた生物のせいで起こるドタバタ劇を描いたものだ。地球制服を企む侵略者が登場したり、タイムパラドックスを描いたSF色の強い物語になっていて、かなり読み応えのある。
このエピソードで一番インパクトがあるのは、ネコに負けないように進化したカナリアだろう。のび太は、しずかの飼っているカナリアがネコに狙われて困っていると相談を受ける。
のび太はカナリアを強く進化させる。しかし、進化したカナリアは強くなりすぎてしまう。ネコを撃退した後は逃げ出してしまい、地球を侵略しようとする敵のUFOを打ち落としてしまうシーンまで描かれた。
この敵はドラえもんのタイムマシンを原始的な構造と馬鹿にするほどの科学力をもっているが、強くなり過ぎたカナリアの攻撃にはなすすべもなかった。
進化したカナリアがあまりに強いため、ドラえもんの作中最強キャラと呼ぶファンも存在する。ガラパ星は危険な生物を作ると判断されて閉鎖され、進化した生物を元に戻す道具がのび太の元に届けられた。
ドラえもんとのび太は元に戻す道具を使って、進化した生物のほとんどを元に戻した。しかし、進化したカナリアは最後まで元に戻ることはなかったのである。
ドラえもんは進化したカナリアの存在自体を知らず、のび太はカナリアが逃げ出したことを忘れてしまったかのように物語は終わってしまう。きっとカナリアは、その後ものび太の家の近所の空を飛んでいるのだろう。最強のカナリアがどうなってしまったのか、気になるところである。
ガラパ星は事実上の最終回となったが、物語は完結してはいない。
「ガラパ星から来た男」はてんとう虫コミックスの45巻の最後に収録されているが、45巻の初版本には46巻に続くと書かれていた。
ドラえもんは、続く予定だったのだ。ちなみに「ガラパ星から来た男」はコロコロコミックの別冊付録として「ドラえもん 44.5巻」という形で発表された。
この44.5巻はプレミアがついており、数万円で取引されることもある。
雑学まとめ
ドラえもんの最終回の都市伝説や実際に描かれた最終回についての雑学をご紹介した。のび太が植物人間だったという話やのび太がドラえもんの開発者という話は、全てファンの作った創作物だということが分かっている。
ドラえもんの最終回は公式に描かれたものも存在するが、本当の意味で最終回と呼べるものは存在しないのだ。
今後、アニメでドラえもんの最終回が描かれる可能性はあるが、原作者が亡くなった今、漫画で最終回が描かれる可能性は低いだろう。
ドラえもんの最終回には「ガラパ星から来た男」のように、日常が続いていく終わり方がふさわしいのかもしれない。
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