旅行や出張で飛行機に乗ったことがある人も多いと思うが、離陸後や着陸前にこんなアナウンスを聞いたことがないだろうか?
「ドアモードを変更してください」
このアナウンスで客室乗務員が、飛行機の扉の前でなにやら行動を始める。いったい、何をやっているんだろう? そこで今回の雑学では、この飛行機アナウンス「ドアモード変更」の意味について解説していくぞ。
【生活雑学】飛行機アナウンスで聞く「ドアモードを変更してください」の意味は?
【雑学解説】飛行機アナウンスの「ドアモードの変更」は「緊急脱出用装置が作動するように変更」
「ドアモードの変更をしてください」というアナウンスの後、客室乗務員がドアの前で何やら作業をしているため、ドアのロックを外していると思う人も多いかもしれない。
え? まず、そんなアナウンスを聞いたことがないって? そんな人のために、アナウンスの動画を用意した。まずはこれを観てほしい。
このアナウンス、ドアのロックを外すのではないとしたらいったい何なのか?
実はドアモードの変更とは、非常事態で使うときの緊急脱出装置(スライダー)が作動するように操作しろ、ということなのだ。ちなみに、緊急脱出装置とは緊急事態になったときに、乗客が脱出する滑り台のようなものである。
この緊急脱出装置はそれぞれのドアについており、客室乗務員はアナウンスでこのスライダーの操作をしているというわけだ。ドアモード変更具操作は、具体的に次の2つの操作がある。
- アームドモード…乗客の搭乗完了後に行う操作で、この状態でドアを開けるとスライダーが出てすぐに脱出可能な状態になっている。
- ディスアームドモード…ドアを開けてもスライダーが作動しないため、乗客の搭乗中はこの設定にするのが基本。
上記の名称は航空会社によって、アームド=オートマチック、ディスアームド=マニュアルといった呼び方をする場合もある。この作業は、客室乗務員が全て手作業で行う。もしも忘れてしまうと、万が一のとき装置が働かず、我々乗客の命が危なくなるというわけだ。
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【追加雑学①】飛行機の窓が丸くて小さな理由
飛行機に乗ったことがある人なら分かると思うが、飛行機の窓はなぜか小さくて丸い。これはなぜなのか?
飛行機の窓が小さくて丸い理由…。それは気圧で窓が割れないようにするためなのだ。飛行機が高度1万メートルで飛行しているとき、飛行機の窓1枚あたりには何百キロもの力がかかっている。
実際に、1973年に飛行機の窓が外れて乗客が圧力で、外に吸いだされるという事件が起こっている。このような悲惨な事件を繰り返さないようにするためにも、力が分散されやすくなるように小さな丸い窓にしているというわけだ。
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【追加雑学②】飛行機の搭乗口が左なのは船の習慣に由来しているから
飛行機は左右にドアがあっても、機体への乗り降りはなぜか左側から。これはなぜなのか?
飛行機の左側から乗り降りするのは、船の習慣に由来しているからといわれている。昔の船は現在の船と比べると、船体の右側に舵がはみ出すという構造をしていた。そのため、いつも左側を港に寄せ乗り降りをしていた。
船と同様に多くの物や人を運ぶ飛行機の役割から、船の習慣を飛行機も引き継ぎ、左側の乗り降りになったといわれている。
ちなみに、乗客が乗り降りで使う以外のドアは、機内清掃や機内食の積み込みに使われている。飾りではなくちゃんと使っているから、安心してくれ。
雑学まとめ
今回は飛行機のアナウンスにまつわる雑学をご紹介してきた。なにげなく機内で聞いているアナウンスは、乗客の命を守るために重要なものだった。今まで意識していなかったという人は、機会があったらぜひ機内アナウンスと客室乗務員の動きに注目してみよう。
ちなみにドアモードの変更を間違えると、ドアが開いたときに脱出用のスライダーが乗客の目の前に広がるという事態が起こる。一度でも間違えてスライダーを広げてしまうと、その機体は一旦使えなくなり修理に何百万もかかるのだとか。
客室乗務員も人間だから、上記のようなミスは年に数回おこるらしい…。もしもその光景を見たら、その客室乗務員のクビが飛ばないように祈りたいものである。
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