夜の観光やデートでは、夜景がきれいに見える場所が人気だ。クリスマスに夜景の見えるレストランで夕食なんて、ロマンチックすぎて羨ましい。
夜景を評価する言葉で、「100万ドルの夜景」というものがある。よく耳にする言葉だが、なぜ100万ドル? 100万ドル払ってでも見たい夜景なのだろうか? そこで今回の雑学では、100万がなんの数なのかを調べてみた。予想外に、現実的な数字だったぞ…!
【生活雑学】100万ドルの夜景の100万ってなんの数?
【雑学解説】夜景から計算された1ヶ月の電気料金が約100万ドル
100万ドルの夜景という言葉が誕生したのは、1953年のことだ。当時の関西電力の副社長が広報誌に書いた文章の中で、「百万弗(ドル)の夜景」という表現を使ったのが始まりである。
関西電力の副社長は、兵庫県神戸市の六甲山(ろっこうさん)から見た夜景を、100万ドルの夜景と表現した。山の上からなら、きっと夜景が綺麗に見えたのだろう。やはり、100万は夜景の美しさを称賛したからこその数字なのか?
しかし、100万ドルの100万が何の数なのかを調べてみると、意外な真実が明らかになった。六甲山から見える夜景の電気料金1ヶ月分を計算し、1953年当時のレートで円からドルに換算すると、約100万ドルだったのである。まさかの電気料金…!
六甲山からの夜景の電気料金は、兵庫県の神戸市・尼崎市・芦屋市(あしやし)と、大阪府の大阪市の4つの市で計算したそうだ。
たった4つの市で1ヶ月の電気料金が100万ドルになるなら、日本全体だと1ヶ月の電気料金はとんでもない金額になりそう。
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【追加雑学①】現在は100万ドルを超え「1000万ドルの夜景」
100万ドルの夜景といわれた六甲山からの夜景だが、現在はその金額がさらに上がっているらしい。なんと、「1000万ドルの夜景」になったのだ! ゼロが1つ増えた…!
1953年から現在までの数十年の間に、なぜそこまで金額が上がったのか? 推測だが、街路灯などが増えて町が整備されたこと。また、高層建築の増加と家電の普及によって、土地あたりで消費される電力が増え、電気料金も高くなったからだと考えられる。
夜景を見て電気料金を考えるなんて、ムードが台無しだと思う人もいるだろう。だが、兵庫県は1995年に起きた阪神・淡路大震災という地震で、大きな被害を受けた地域だ。1000万ドルの夜景は、震災を乗り越えて暮らしている復興の証なのかも。
【追加雑学②】日本の優れた夜景を認定した「日本夜景遺産」がある
夜景の名所は人気の観光スポットだ。山などの自然の夜景スポットもあれば、展望台を備えたタワーもあり、いろいろな場所から夜景を楽しむことができる。
日本各地のたくさんの夜景の中から、特に優れた夜景を認定する「日本夜景遺産」があるのを、ご存知だろうか? 日本夜景遺産は美しい夜景をアピールし、観光資源として活用しようという企画だ。日本夜景遺産に認定された夜景を、動画で見てみよう。
この動画は茨城県つくば市にある、筑波山(つくばさん)から見える夜景を撮影したものだ。さえぎるものがなく、広大な夜景が見える…! 夜景だけでなく、星空もきれいに見えそう!
こんなにきれいな夜景が見られるなら、観光地としてアピールしないのはもったいない気がする。その土地に住む人々には、日本夜景遺産をうまく使い、地域の観光を盛り上げていってほしい。
「日本夜景遺産」と「日本三大夜景」は違うものなの?
雑学まとめ
100万ドルの夜景の100万はなんの数なのか、夜景の雑学を解説した。この数十年で1000万ドルまで上昇したのなら、さらに年月が経てば1億ドルの夜景になるのでは?
自分の住んでいる町も、高い場所から見ると美しい夜景スポットの可能性がある。ロマンチックな夜景を見たい人は、まずは近場から探してみるのもおすすめだぞ!