宇宙船に乗って宇宙へ…。老若男女を問わず、1度は誰もが宇宙への旅を夢見ることだろう。
宇宙は我々にとって未知の世界。当然、地上では考えられないようなことも起こる。
なんと、宇宙船の中では背が伸びるといわれているのだ。いくら地上と環境が違うとはいえ、そんな急激に身長が伸びるものなのだろうか?
今回の雑学では、宇宙船の中では本当に背が伸びるのか? ということについて解説していく。
【宇宙雑学】宇宙船の中では「背が伸びる」?
【雑学解説】重力の関係で身長が伸びる
身長を伸ばしたい人には、朗報だ。個人差はあるが、宇宙に行くと本当に身長が伸びるのだ。え? 信じられない?
実際に日本人宇宙飛行士・金井宣茂さんが「宇宙に行ったら身長が伸びた」といっている映像がある。まずは、これを観てほしい。
いくらなんでも9センチは伸びすぎじゃないかということになり、再度計測したところ実際は2センチだったというオチ。それでも、2センチは伸びているのだ。
ではなぜ、宇宙に行くと身長が伸びるのか?
これには、地球の重力が関係している。我々の背骨は椎骨(ついこつ)と呼ばれる小さな骨が重なってできている。
この重なっている部分が宇宙に行くと重力から解放され、1つの椎間板あたり1センチ程度伸びるのだ。その結果として、宇宙にいくと身長が伸びるということになる。
ちなみに地上でも、重力の影響で朝が最も背が高く、夜になると背は縮む。身長を少しでも高くしたければ、朝に身長を測ることをおすすめするぞ。
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【追加雑学①】地球に戻ると身長は元に戻る
では宇宙飛行士は、宇宙に行くたびにどんどん身長が伸びていくのか? と思った人もいるだろう。
残念ながら、宇宙で伸びた身長は地球に戻ると重力が働いて元に戻ってしまう。つまり、出発前と後では身長は変わらないということだ。
宇宙と地球を行き来し、身長が伸び縮みするため人によっては、背中や腰に痛みを感じることもあるという。
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【追加雑学②】宇宙船では運動が大切な日課
地球と宇宙では大きく環境が異なる。その大きな要因の1つが、重力の有無だ。
大半の人が知っているとおり、宇宙は無重力だ。宇宙飛行士がフワフワと動く様子にあこがれる人も多いかもしれないが、実はこの無重力がくせもの。
無重力空間の中では体が浮いているため地上と同じように歩く必要もなく、重い荷物を持ち上げることもない。そんな状態が続いていくと筋肉が使われないため、どんどん衰えていってしまうのだ。
また、筋肉と同じく骨への影響もある。通常、骨は刺激が加わることで破壊と再生が繰り返される。
しかし、無重力の宇宙では骨への刺激はない。そうするとどうなるか?
骨のカルシウムが尿として体外へ排出され、骨も衰えてしまうのだ。
そこで、骨や筋肉が衰えないよう宇宙飛行士たちは、1日2時間を運動の時間にあてている。運動といっても宇宙船の中だから、エアロバイクやルームランナーといったものが大半だ。そこに自身の体調に合わせてスクワット・片足立ちトレーニングといった筋トレを組み合わせて、毎日トレーニングに励んでいるという。
素人から見ると楽しそうな宇宙船の無重力空間も、実は健康面のデメリットが大きいということだ。
【追加雑学③】宇宙に行くと顔が大きくなる!?
重力は体の内側にも影響する。その1つが体液だ。
地上では重力で体液は下に向かって流れるが、無重力空間の宇宙では頭に体液が集中する傾向があるという。体液が頭に集中するとどうなるか?
頭に体液が集中して顔がむくむため、地上にいるときよりも大きくなる。そして頭に体液が集中するぶん、足は細くなるのだ。まるで、宇宙人をイメージさせるような体型に近づく。
といっても、ずっと頭が大きい状態ではなく宇宙への滞在時間が長くなるにつれ、体が環境に順応して地上と同じ大きさ・太さになるから安心してほしい。
このほかにも、乗り物酔いに似た吐き気や頭痛といった症状を感じる「宇宙酔い」というものを、多くの宇宙飛行士が体験するという。
雑学まとめ
今回は宇宙についてのちょっと不思議な雑学をご紹介してきた。無重力空間の宇宙は身長が伸びるという嬉しい変化以外にも、体にさまざまな影響を与えることが分かった。
宇宙なんて関係ないよと思っている君。アメリカでは、2018年以降に民間人が参加できる宇宙旅行が実現しようとしている。
つまり、日本でも将来実現できる可能性が十分にある。そう考えると宇宙は意外に身近な場所なのかもしれない。