あなたの地域では、お盆になるとどのような風習があるだろうか? 多くの地域では、キュウリやナスで精霊馬(しょうりょううま)を作ったり、家にお坊さんを呼んでお経をあげてもらったりすることだろう。
しかし、中には一風変わった風習でお盆を過ごす地域もあるようだ。いったいどのような風習があるのだろうか?
今回は、聞くとびっくりするようなお盆の風習の雑学について紹介しよう。
【生活雑学】長崎県ではお盆にお墓で爆竹をする
【雑学解説】中国から伝わった悪魔祓い「お墓で爆竹」
お墓で爆竹を鳴らすというと、びっくりする人は多いかもしれない。私も初めて聞いたときは、「えっ、それって良いの?」と思ってしまったものだ。しかし、これは中国から伝わった風習で、きちんとした意味をもっている。
長崎県のお盆に爆竹を鳴らす風習が生まれたのは、江戸時代。当時は「鎖国」といって、日本は中国や朝鮮、オランダとしか貿易ができなかった時代だった。特に長崎県は、唯一貿易ができる街として、海外との交流が盛んだった地域だ。
そこで、中国から長崎にあるものが伝わってきた。それが爆竹や花火だった。そして、中国では花火や爆竹は「故人を喜ばせる」「派手な音で魔除けをする」という意味があり、そのことから長崎では、お盆にお墓で爆竹や花火をするようになったのだ。
動画で長崎のお盆のお墓参りを見てみよう!
実際にどんな感じなのか、動画を見つけたので確認しよう。
私のお墓参りのイメージといえば、墓石を綺麗にして、お線香をお供えして…という、ちょっとしんみりした空気のものがある。しかし、長崎のお墓参りは、にぎやかで楽しそうな印象がある。
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【追加雑学】精霊流しの爆竹はさらにド派手!
ちなみに、お墓参り以外でも「精霊(しょうりょう)流し」という行事でも爆竹が派手に鳴らされる。「精霊流し」というのは、毎年8月15日に行われる行事で、1年前に亡くなった人を弔う意味があるものだ。
盆提灯などで装飾された精霊船(しょうりょうぶね)に故人の霊を乗せて、流し場までもっていくのだが、そこでも爆竹が使われる。
一見すると派手なので、知らない人から見ればお祭りか何かに思えるかもしれない。しかし、これは故人をしのぶ立派な仏教行事なのだ。
こちらも動画があるので、どんなものか見てみよう。
もしもこの時期に、長崎を訪れることがあったら、長崎ならではの精霊流しを見てみるのも良いかもしれない。
雑学まとめ
今回はお盆にまつわる驚きの雑学をご紹介した。一口に「お盆」といっても、その風習は地域によってさまざまである。その中でも長崎では、お盆のお墓参りや精霊流しに、派手に爆竹や花火をするという風習があるからびっくりだ。
しかし、そこには故人を喜ばせるという意味や、悪魔を追い払うという意味がある。他の地域の人から見ればとんでもない風習かもしれないが、長崎ならではの故人を思った文化なのだ。
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