唐突だが、みなさんのなかに離島に住んでいる人はいるだろうか。筆者も瀬戸内海で長年、島暮らしをしている。とはいっても、本州とは車の通れる橋でつながっているため、離島というほどではない。
だが、免許のない学生のころはちょっとした買出しでも、フェリーで本州まで渡る必要があったので、なにかと不便だった。
みなさんのなかにも似たような生活をしている人がいるかもしれない。しかし、世界には日本の離島よりもレベルが段違いなほど、孤立している有人島があるという。なかでも、世界で一番孤立しているという島をご存知だろうか。
そんな島で人々は一体、どんな生活を送っているのだろう。今回はこの雑学について詳しく調べてみた!
【世界雑学】世界で一番孤立している有人島はどこ?
【雑学解説】世界で一番孤立している有人島はトリスタンダクーニャ島
世界で一番孤立しているという有人島。その名は「トリスタンダクーニャ島」だ。周辺の小島を含めれば「トリスタンダクーニャ諸島」と呼ばれている。
一体どこにあるのかというと、なんと南大西洋のど真ん中だ。アフリカ大陸と南アメリカ大陸のちょうど中間の海に位置している。どちらの大陸からもおおよそ3,000km前後は離れているという、すさまじい孤立っぷりだ。実際にギネスブックにも「世界一孤立した有人島」として記録されている。
周辺を大海に囲まれたそんな島の生活ぶりはどのようなものなのだろうか。詳しく見ていこう。
まず、人口はたったの260人ほどといわれている。そのため、国としての形態はなしておらず、イギリス領としてポンドなどの通貨が使われているそうだ。公用語も英語である。
島の主な産業は農業と漁業。島民は放牧用のヒツジも割り当てられており、完全に自給自足が可能だそうだ。表現が正しいかはわからないが、離島らしい自然に囲まれた生活を営んでいるということだろう。
ちなみにトリスタンダクーニャ島の名産はロブスター。島内で冷凍加工されて、日本にもかなりの量を輸出しているらしい。つまり、日本人は知らないうちににトリスタンダクーニャ産のロブスターを口にしていることがあるということだ。筆者ももしかしたら食べたことがあったのかもしれない。
こうした1次産業を営んで生活している島民たちだが、実は島内ではラジオやインターネットが使えるので、近代化されていないわけではない(Amazonも使えるのだろうか?)
ただし、トリスタンダクーニャ島と大陸を結ぶ交通手段は船しかないため、島から出るにも、島へ行くにも、かなりの苦労がいる。なんと、船の定期便では片道、1週間以上もかかるらしい。(Amazonが使えたとしても、離島料金が高そうだ…)
うーむ、生活自体はよくある田舎という感じだったが、やはり交通面の不便さは世界一といった感じである。しかし、筆者の勝手なイメージではあるが、ストレスとかけ離れたのどかな生活ができそうだ。田舎暮らしに興味のある人は1度、観光に行ってみてもいいかもしれない。
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【追加雑学①】世界一孤立している無人島とは
さて、世界一孤立している有人島を紹介したので、同時に世界一孤立している無人島も解説しよう。その名も「ブーベ島」だ。
ブーベ島は南アフリカから南南西2,500kmほど離れた場所に浮かぶ無人島である。もはや、南極が近いような位置だ。
周辺には小島などもないため、まさに絶海の孤島といった土地である。もともとは誰も住んでいなかった。しかし、1927年にノルウェーの船の乗組員たちが、上陸して数ヶ月の生活を送ったことからノルウェー領土と認められている。それ以後は定住している人はいないそうだ。
そもそも島の大半は氷河に覆われており、定住するには過酷すぎる環境。住もうと思ったら住めるのかまで調べてみたが、自然保護区ということで、島の訪問すら許可が必要とのことである。
ちなみに一番近くの人が住んでいる場所は、先に紹介したトリスタンダクーニャ島だ。つまり、訪問の許可が出たとしても、ブーベ島に行くにはトリスタンダクーニャ島以上の苦労がいるということである。
さすがにそこまでして行く人はいないと思うので、こういった無人島があるということだけ覚えておいてほしい。
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【追加雑学②】島の定義とは
これまで島についての話題をお届けしたが、そもそも島の定義をご存知の人はいるだろうか。イメージとしては海に囲まれた小さな土地といった感じだが、はたしてその基準とは…。
調べてみたところ国際上では、
- 四方が海に囲まれている
- 自然に形成された陸地である
- 高潮時でも水没しない
との定義だそうだ。
しかし、この定義では大陸なども当てはまるのでは? という疑問がある。さらに調べてみたが、陸地の大きさまで言及している資料は見つからなかった。
だが、おおむね一般的に知られている6つの大陸より小さい陸地が島として認識されているようだ。ちなみに世界で一番大きな島とされているのは「グリーンランド」である。
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雑学まとめ
今回は孤立している島というテーマで雑学をお届けした。筆者も長らく島暮らしをしているので、その苦労はなんとなくわかるが、世界一ともなるとレベルが違うものである。トリスタンダクーニャ島の人々の先祖はどんな経緯でその場所に住むことを決意したのだろうか。気になるばかりだ。
だが、筆者の経験上、離島は海も山もあるので、自然が好きな人にとっては最高の場所である。あとは「どこでもドア」さえあれば…といったところだ。みなさんのなかの誰かが開発してくれたら幸いだ。