1990年代初頭に、女の子を中心に絶大な人気を誇ったアニメシリーズ「美少女戦士セーラームーン」。セーラームーンを筆頭に、セーラー戦士に選ばれた女の子たちが、悪に立ち向かうストーリーだ。
アニメ「セーラームーン」シリーズは、1992年から1997年までの5年間続いていたが、なかでも第1作目の「美少女戦士セーラームーン」では衝撃的な最終回となり、社会問題となったことがある。
一体どのような話だったのか? 今回はそんな「セーラームーン」に関する雑学を紹介しよう。
【サブカル雑学】アニメ「美少女戦士セーラームーン」の最終回がつらすぎ…
【雑学解説】全国の女の子がショックを受けたセーラームーンの最終回とは?
シリーズ第1作目「美少女戦士セーラームーン」のラスト2話は、とても衝撃的なものだった。なんと、「主要キャラが全員死ぬ」というものだったのだ!
「美少女戦士セーラームーン」は全部で46話あったのだが、45話でセーラームーン以外のセーラー戦士が敵の攻撃により死亡。そして、46話でセーラームーンも激闘の末に死んでしまうのだ。
「美少女戦士セーラームーン」は1年間放送されたアニメで、メイン視聴者だった女の子たちは、大好きなセーラームーンたちの戦いを応援していた。それが、ラストバトルで全員死亡することとなり、衝撃が広がったのだ。
私自身もリアルタイムで見ていたのだが、親からの話では「セーラームーンが死んじゃった~!」と大泣きしたそうだ。このほかにも、子供によっては食事を受け付けられなくなったり、学校に行けなくなったりした子も出たほどだった。
主要キャラが全員死んでしまうという衝撃的なラストから、女の子たちの親から苦情が殺到! このことから、その後の「セーラームーン」シリーズの最終回では、主要キャラが死ぬという衝撃的な展開を迎えることはなくなった。
実は生き返ったセーラームーンたち
ちなみに、セーラームーンたちは1度死んでしまったが、彼女たちは生き返っている。
というのも、作品の重要アイテムである「幻の銀水晶」が、セーラームーンである月野ウサギの「みんなと普通の生活に戻りたい」という願いに反応したからだ。
この奇跡が起こったことで、セーラームーンたちは生き返ることができたのである。
しかしだ。当時セーラームーンといえば、今でいうプリキュアのようなもので、女の子の憧れのヒロインだった。そんな彼女たちが悲惨な最期を遂げるというのは、メインターゲットである女の子たちは望んでいない。
結果的には生き返るオチがあったとしても、もう少し何とかならなかったのだろうか…。
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セーラームーンの最終回が衝撃的な内容になった理由とは?
なぜ「美少女戦士セーラームーン」の制作陣は、このような衝撃的な最終回にしたのだろうか? 実はこれには、大人の事情が絡んでいる。
アニメ最終回を作るにあたって、アニメ版が原作版のストーリーに追いついてしまっていたのだ。つまり、あの最終回はアニメオリジナルの展開だったのである。
そして、この時にはもう「セーラームーン」シリーズの次回作が決まっていたので、次の作品につなげるためのインパクトが欲しかった。それが「主要キャラが1度死ぬ」というものだ。
ある意味でインパクトが残った最終回だったが、さすがにやりすぎだろう…。全国の女の子は、セーラームーンたちが死んでしまう展開なんて見たくなかったのだ…! 私もだ! そんなのは大人向けのアニメで充分じゃないか。
ちなみにこの反省を踏まえてか、「プリキュア」シリーズでは主要キャラが死ぬという展開を避けている。敵に倒されたプリキュアは「封印された」といった表現がされているので、小さな女の子でも安心できる仕様となっているのだ。
「セーラームーン」第1作目の場合は大人の事情が絡んでいたが、その後のセーラームーンシリーズや「プリキュア」では、視聴者のことを考えてくれるようになって良かった…。
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【追加雑学】セーラームーンの最終回の声優は三石琴乃ではない!
「美少女戦士セーラームーン」の最終回について、もう1つトリビアを紹介しよう。実は「美少女戦士セーラームーン」の最終回は、セーラームーン役の声が代役となっていた。
厳密には、「美少女戦士セーラームーン」ラスト3話と、第2作の「美少女戦士セーラームーンR」の4話までが代役によるものだ。
なぜ代役を起用することになったのか。
それは、セーラームーン役の三石琴乃(みついしことの)が急病にかかってしまったからだ。そこで、代役として荒木香恵(あらきかえ)がセーラームーンを演じることになった。
ちなみに、代役を務めた荒木香恵は「美少女戦士セーラームーンR」にて、ウサギの未来の娘であるちびうさ役を演じている。
こちらは、荒木香恵がセーラームーンの代役をしている回の「美少女戦士セーラームーンR」の動画だ。見てみよう。
荒木香恵演じるセーラームーンはこんな感じだった。当時は代役だったことは分からなかったものだ。改めて聞いてみると「なんとなく違うかな?」という印象だが、それでも違和感がない。
ラストスパートに差し掛かっての代役だったので、荒木香恵はとてつもないプレッシャーを感じただろう。それでもしっかりとセーラームーンを務めてくれたのだから、ファンとして感謝したい。
「セーラームーンの最終回」の雑学まとめ
「セーラームーン」シリーズの第1作目は、女の子向けのアニメとは思えないシリアスなラストを迎えていたという雑学を紹介した。
このラストは、「次回作につなげるためのインパクトが欲しい」という大人の事情だったのだが、視聴者はそれを知らない。大きなショックを受けた女の子たちの親が、抗議の電話を制作側にかけたという社会現象まで発展した。
しかしこの反省が、シリーズの最終回の展開や、今の女の子たちのヒロインである「プリキュア」シリーズに繋がっている。ある意味では、良い失敗だったのかもしれない。
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