虫・昆虫

クモは糸を使って空を飛べる。長距離の移動も可能!

雑学カンパニー編集部

雑学カンパニーは「日常に楽しみを」をテーマに、様々なジャンルの雑学情報を発信しています。

クモは羽がなくても空を飛ぶことができるという雑学

空を飛べる動物といえば、鳥や昆虫を頭に浮かべる人がほとんどだろう。空を飛ぶ生き物はコウモリもいるが、基本的に羽や翼をもたない生物は空を飛ぶことができないと考えられている。

しかし、羽ももたないのに、数百キロもの距離を空を飛んで移動する生物が存在する。それはなんとクモである。

クモは一体どうやって空を飛ぶのだろうか? クモは空を飛べるという雑学をご紹介しよう。

【動物雑学】クモは羽がなくても空を飛ぶことができる

ライオンくん
クモが空を飛べるだって?!糸でも使うのか?
ウサギちゃん
ライオンくん、その通りだよ。クモは糸を使って風に乗り、信じられないような距離を移動することができるんだ。

【雑学解説】クモは糸を使い風に乗って空を飛ぶ

クモは糸を使い風に乗って空を飛ぶというトリビア

空を飛べる生物といえば、羽をもつ鳥や昆虫を想像する人がほとんどだろう。しかし、クモは羽ももたないのに、鳥類や昆虫に負けていない。

実は、空を飛ぶことができる。クモが空を飛ぶ方法とは、なんと糸を吐いて風に吹かれて飛んでいくというものだ。自由自在に飛べるわけではないが、上昇気流にのることで信じられない距離を移動するクモも存在している。

空を飛ぶことができるのは体重の軽い子供のクモが多い。しかし、大人のクモでも小さな種類なら空を飛んで移動することができるという。

ウサギちゃん
ちなみに、クモや一部のガの幼虫が糸を使って空中を飛ぶことを『バルーニング』っていうんだよ。

インドネシアで噴火によって新しい島ができた時、どんな生物が島にやってくるかが調査された。最初にやってきた生物は空を飛んだクモだったという。

非常に長い距離を移動することで、クモは生息域を広げているのだ。しかも、クモは風の力だけで空を飛んでいるわけではなかった…。

クモは風がなくても空を飛べる

クモは風がなくても空を飛べるというトリビア

クモが空を飛ぶ手段は、風に乗ることしかないと考えられていた。しかし、静電気の力を利用すれば風がなくても、空を飛ぶことができる可能性があるという。

昔からクモは無風の状態でも空を飛ぶ姿が目撃されていた。しかし、風もないのに空を飛ぶ原理がわからなかった。本当に無風の状態で飛んでいるのか確認できなかったため、信憑性が疑われていたのである。

しかし、イギリスのブリストル大学の研究クモは静電気と糸の力で宙に浮くことが確認された。地球の空は常に電気が流れており、空中電場(くうちゅうでんば)と呼ばれる電界が存在している。この空中電場を利用してクモは、空を飛ぶことができるというのだ。

ライオンくん
電界…?空中電場…?よく分からないけど、とにかく静電気でクモの糸は浮くんだな?!
ウサギちゃん
そうだね。例を挙げると、人間が下敷きに頭にこすりつけると髪の毛が浮き上がるのと同じ理由といえるよ。

ブリストル大学の研究室内で空中電場と同じ状況を作り出した結果、クモが飛ぶ姿を確認している。ただし、あくまで研究室内で確認されただけなので、自然界でもこの原理で空を飛んでいるのかはわからない。

とはいえ、無風でも宙を移動することが可能であることは間違いない。クモは風がなくても空を飛べる可能性は高そうだ。

スポンサーリンク

【追加雑学】クモの糸は非常に便利

クモの糸は非常に便利というトリビア

クモの糸獲物を捕らえる罠を作るためのものと考える人が多いだろう。しかし、空を飛ぶためにも利用されているように、クモの糸は応用範囲非常に広いのだ。

脱皮や産卵の際は糸で作った巣に身を隠したり卵を運ぶために糸を利用するクモも少なくない。クモの糸はタンパク質で作られており、糸自体は全くの無害である。クモの糸は粘着性が強いと思われるが、糸そのものに粘着性はほとんどない。

クモの網は一部の糸粘液がつけられているため、粘着性をもっているのである。大部分の糸粘着性は強くないのだ。また、クモは糸を食料として再利用することもある。

ウサギちゃん
クモは自分の糸を食べて、また糸に還元することができるんだ。

クモの糸は強度が高く、伸縮性も高いことが知られている。クモの糸は同じ太さの鉄の5倍の強さがあるといわれている。糸の太さを鉛筆と同じにしたクモの網があれば、飛行機でも絡めとられてしまうという。

おすすめ記事

蜘蛛は7種類の糸を使い分けているという雑学
図解!蜘蛛は7種類の糸を使い分ける。能力者っぽくていいな…!

続きを見る

この驚くほど強靭なクモの糸を、カイコの糸のように利用しようとする考えは昔から存在した。

だが、クモの糸を大量に生産することは難しい。クモの糸で布製品を作ることは、非常にコストと時間がかかるのだ。

19世紀にマダガスカルでクモの糸を使った絨毯が作られた。現在、アメリカ自然史博物館に展示されているのだが、絨毯を作る際にクモを捕まる人間が70人絨毯を作る人間が12人が必要だったという。これだけの数の人間が協力して、完成には4年もの歳月がかかっているのだ。

ライオンくん
めちゃくちゃ手間がかかってるな…!

クモの糸をカイコの糸のように利用するにはコストも時間もかかり過ぎて、実用は難しい…。

しかし、2013年5月に日本の繊維企業・Spiber株式会社が、人工のクモの糸の量産化に成功したと発表した。Spiberはクモの糸の量産化と製品化を目的に設立された会社で、6年もかけて実用化のめどがたったという。

糸を量産する技術を開発したことで、クモの糸を利用した製品が作られる可能性が高くなった。下の動画はクモの糸の可能性について解説したものだ。

ウサギちゃん
人工クモの糸が、人間たちの生活をより安全にするかもしれないね!

人工のクモの糸で作られたパーカーも作られており、日本でも発売される予定だという。クモの糸を利用することで、人間にぶつかっても安全な自動車の開発も予定されている。

ぶつかっても安全な自動車がどんなものなのかイメージがわかないが、実用化されれば交通事故が激減しそうである。人間にとってもクモの糸はありがたいものになりつつあるようだ。

雑学まとめ

クモは糸を使って空を飛ぶという雑学をご紹介した。クモは糸を使ってグライダーのように空を飛ぶ。翼もないのに、大陸間を飛んで移動するクモもいるというのだから驚きである。

空を飛べるのは小さなクモに限定されるが、クモにとって糸は生きるために不可欠な道具といえるだろう。今後は、人間にとってもクモの糸を利用する機会が増えそうだ。

クモの糸は夢の素材のようにいわれることが多い。懐疑的な意見もあるが、ぶつかっても安全な自動車など、どこまで実現できるのか楽しみである。

ライオンくん
そのうち本当に『スパイダーマン』だって登場するんじゃないのか?!
ウサギちゃん
ライオンくん、キミは人間の娯楽のことをよく知っているけれど、いったいどこでそんな情報を仕入れてるの…?

いま読まれている記事

  • この記事を書いた人

雑学カンパニー編集部

雑学カンパニーは「日常に楽しみを」をテーマに、様々なジャンルの雑学情報を発信しています。