暑くなると、毎年熱中症に関するニュースが流れる。実際、街中を歩いていても救急車で運ばれていく人々に遭遇することがある。
ところで、今では「熱中症」という言葉が主流であるが、昔は「熱射病」や「日射病」という言葉をよく耳にしなかったであろうか? 実は、これら3つの単語にはそれぞれ違いがあるのだ。
今回は、熱射病・日射病・熱中症についての雑学を紹介していくぞ!
【人体雑学】熱中症・熱射病・日射病の違いとは?
【雑学解説】熱中症と熱射病・日射病は違う
熱中症とは、「気温が高い環境のもとで起こる健康障害の総称」のことである。
症状としては、めまいや立ちくらみから始まり、吐き気や全身の倦怠感。重度のものだと意識障害に陥ってしまうこともある、夏に特に注意したい病気である。実際に、毎年何人もの方がこの病気によって命を落としている。
ところで、以前はテレビなどで熱射病・日射病という言葉が使われていたこともあった。これらと熱中症は違うということをご存知であろうか?
- 熱射病は「温度や湿度が高い環境で作業を行うことによって発症する病気」のことを指す。
- 日射病は「直射日光のもとで作業を行うことによって発症する病気」のことを指す。
そして、熱中症は温度や湿度・炎天下などの条件とは関係なく起こりうる病気なのである。たとえ日陰や室内にいたとしても、発症させてしまうことがあるのだ。
まとめると、熱射病は高い気温や湿度が原因のもの。日射病は直射日光が原因のもの。そして、熱中症は、それらを含む「気温が高い環境のもとで起こる健康障害の総称」ことである。
それでは、熱中症が起きる原因とはいったいなんなのであろうか?
【追加雑学①】熱中症になる原因とは?
熱中症といえば、炎天下でのスポーツや作業時などに発症するというイメージをもたれている方も多いだろう。しかし、日常生活の中にもその危険性は潜んでいるのだ。
熱中症にかかってしまう原因は、急激な温度変化に体がついていけないこと・熱が発散されずに体内にこもってしまうこと・水分不足による脱水症状などが考えられる。
暑い夏には、たとえ室内にいようが知らず知らずのうちにこれらの状態に陥ってしまい、気づいたときには熱中症を発症させてしまう…というパターンが後を絶たない。特に、室内であまり暑さを感じないがゆえに水分摂取を怠ってしまい、倒れてしまうことも少なくはない。
さらに、たとえ例年に比べて冷夏であっても、急激な温度変化によって病院に担ぎ込まれてしまうというケースもある。熱中症め、本当にやっかいなヤツだ。
特に、体の体温調節がうまくできない子供や高齢者が熱中症にかかってしまうケースは多いので、ご家族の方は気を付けていただきたい。
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【追加雑学②】熱中症の対策
熱中症にかかってしまわないようにするには、日々の心がけが大切である。
たまに「エアコンは体に悪いから、使わないようにしている」という人がいるが、むしろエアコンを使わずに暑さを我慢する方が危険である。エアコンを正しく使うことは、熱中症予防につながるのだ。
ただし、室内を冷やし過ぎてしまうことは逆効果である。室温28℃・湿度60%程度を目安にするとよいであろう。とにかく冷やせばよい…というわけではない。
また、冷えた室内から暑い室外へ出たときにその温度差に体がついていけず、気分が悪くなったりめまいを起こしてしまったりすることがあるので、注意してほしい。
もちろん、こまめに水分を摂取することも忘れないでいただきたい。成人が一日に必要な水分は1.2~1.5リットル程度といわれている。
ただし、高齢者の水分摂取には少々気を配っていただきたい。実は、高齢者が水分を摂りすぎてしまうと、心臓に負担をかけてしまうこともあるといわれているのだ。心臓に疾患のある方は、医者にどのくらい水分を摂取するべきか相談してみることをおすすめする。
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雑学まとめ
今回は、暑くなると深刻になる熱中症などの違いの雑学を解説した。調べてみると意外に細かい…。
ところで、筆者は晩秋に熱中症にかかってしまったことがある。
中二病を患っていた中学生の筆者は、当時「人類の限界を超える」ことを目標に、定期的に食事を抜いたり、謎の瞑想トレーニングを行ったりしていた。その中で、ある時、「人はどこまで水分を取らずに生きていけるか?」という疑問にぶち当たり、限界まで水分摂取をやめることにしたのである。
結果、一日でフラフラになり、その夜には倒れてしまった。読者の皆さん、水分は一日たりとも絶ってはいけないぞ! これ、マジで危ないからな!!
ちなみに、前述の「人類の限界超えるシリーズ」の一環で、筆者は息をひたすら止める訓練もしたことがある。これは脳に酸素が回らなくなって最悪意識不明になる可能性もあるので、みなさんはとにかく人類の限界を超えようなんて思わないように!
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