わたしたち日本人にはかかせないお米。お米には産地によってたくさんの種類が存在するが、お米界の有名どころといえばやはり「コシヒカリ」だろう。
その歴史は古く、1956年に誕生したコシヒカリは国産米の代表格で、日本で最も作られているブランド米だ。
さて、みなさんは、そんなコシヒカリに最高級コシヒカリとよばれる「天空米(てんくうまい)」という品種があるのをご存じだろうか。
「最高級」とよばれるだけあって、なかなかに手を出しにくい価格で販売される貴重なものだが、天空米は他とは違うおもしろい作り方をしている。
今回の雑学では、そんな天空米にスポットをあて、その素晴らしさをお伝えしていくぞ!
【食べ物雑学】最高級コシヒカリ「天空米」の名前と高級な理由
【雑学解説】最高級のコシヒカリである天空米は、どんなお米でなぜ高い?
全国的にも有名な米の産地である、新潟県南魚沼。そこで作られている天空米は、コシヒカリを収穫したあと、「スキー場の4人乗りスキーリフト」に吊るして乾燥させてつくるという、めずらしいお米だ。
こちらの動画は、収穫された稲をスキーリフトに逆さに吊るし、高低差200メートルの斜面をいったりきたりして乾燥させているところを、上空から撮影したものである。
冬場にはわたしたち人間が乗る、あのスキーリフトに「稲」が乗っているのはなんとも不思議な光景だ。ちなみにこの「天空米」という名前は、動画のようにリフトに吊るされている稲穂の様子が、空を飛んでいるように見えることからきている。
【追加雑学①】天日干しにスキーリフトを使うことがお米に与えるよい影響
乾燥はお米づくりにおいて大切な工程のひとつだ。通常であれば稲の乾燥は機械による人工乾燥か、秋の収穫時期の田んぼで見かけるような昔ながらの竹や丸太を組んだものに引っかけて稲を干す「かけぼし」とよばれるやり方が一般的だ。
天空米のように、天日干しにリフトを使うと、リフトが自動で往復するので稲にまんべんなく日が当たる。すると、人工乾燥やかけぼしするよりも乾燥のムラができにくく、栄養豊富でとても美味しいお米に仕上がるのだ。
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【追加雑学②】天空米が普通のコシヒカリよりも高額な理由
天空米の値段は5キロで1万円ほどと、普通のコシヒカリと比べてとても高価だ。それはいったいなぜなのか。その理由のひとつは、生産している農家が少ないこと。天空米を生産しているのは現在3軒の農家しかいない。
2つめの理由は、天空米を作る作業の工程のほとんどを、人が手作業で行なっているからである。とても手間暇かけてつくられるものなので、どうしても価格は上がってしまうのだとか。
それでも毎年天空米は、予約受付を開始されると完売してしまうほどに人気がある。大切な人への贈り物として贈る方が多いとのこと。こんなにいいお米をもらったら、めちゃめちゃ嬉しいよね!
雑学まとめ
天空米についての雑学、いかがだっただろうか。スキーリフトで天日干しされる稲穂の動画は、ふしぎと心が惹きつけられる光景で、筆者は2度、3度と再生してながめてしまった…。手間暇かけて作られる天空米。死ぬまでに一度くらい、口にしてみたいものだ。
しかし…どうやらその貴重さゆえに、天空米のラベルだけコピーした偽物を販売する不届き者も存在する、という情報を天空米農家さんの公式サイトで見かけた。
みなさんもネット注文をする際には十分注意してもらいたい。できることなら産地である南魚沼まで行き、リフトで天日干しされる稲穂を直に眺めてから農家さんの顔をみて、直で買いたいところだ。