日本には生活に密着した迷信や風習がたくさんある。みなさんも祖父母や両親からいくつか聞いたことがあるだろう。子供のころは素直に受け入れていた話も多いが、大人になってみるとその根拠に疑問をもつことはないだろうか。
たとえば「夜に爪を切ってはいけない」という話。地域によって多少、内容が違うかもしれないが昔からよくいわれている。
だが、そもそも「夜」と「爪を切る」に何の関係があるのだろう。あまりに不思議だったので調べてみた。今回の雑学ではその結果を詳しく紹介していこう。
【生活雑学】夜に爪を切ってはいけないのはなぜ?
【雑学解説】夜に爪を切ってはいけない根拠にはいくつか説がある
なぜ「夜に爪を切ってはいけない」のか。詳しく調べてみたところ、具体的な根拠やいつからそういう言い伝えがあるのかは定かではなかった。そのため、ここからの話はあくまで1つの説ということに注意してほしい。
まず、最も目立った意見が「昔は照明器具が今ほど発達していなかった」という根拠である。具体的には近代化以前の照明といえば、せいぜいロウソクなどだ。
想像してもらえればわかると思うが、真っ暗な部屋をロウソクで照らしたところで明るいとはいえない。そんな視界が悪い状況で爪を切ったらどうなるだろうか。当然、あやまって深爪したり、指先を切ってしまう危険がある。
今のような便利な「爪切り」といった道具であれば大げさにするほどの話ではないかもしれない。しかし、昔はハサミのような道具で爪を切っていたそうだ。そのため、薄暗いなかで爪を切れば、指ごと切ってしまう恐れがあった。
それだけではなく、今ほど医療が発達していなかったこともあり、ただの切り傷でも病原菌が感染して命を落とすリスクもあったそうだ。
こういった経緯があって「夜に爪を切ってはいけない」と全国各地で広まったという。
うーむ、たしかに理屈としては納得できる…が! 先述したようにこれはあくまで1つの仮説。他にもいろいろな説がある。
たとえば、戦乱の時代の「夜詰め(よづめ)」という言葉と語呂が同じなので、縁起が悪いという説。夜詰めというのはお城や屋敷を夜に警備することである。
戦いが日常的な時代に城に警備が必要ということはそれだけ状況が危ないということだ。そのため、警備係は身内に不幸があったとしても欠勤は許されなかったとのこと。
そのため、夜詰めを連想させる「夜に爪を切ること」、つまり「夜爪(よづめ)」は縁起が悪いので禁止になったという話だ。こちらも聞けばある程度、納得できる内容であるが、あくまで1つの説にしか過ぎない。
ただ、どちらも地域の歴史に根付いた内容だ。もしかしたら各地の郷土資料などを見れば、詳しいことがわかるかもしれない。興味のある人はぜひ独自に調査してみてはどうだろうか。
おすすめ記事
-
指によって爪の伸びる速度が違う!速い順番、当てられますか〜?
続きを見る
スポンサーリンク
【追加雑学】夜にまつわる迷信の根拠とされる説を紹介
さて、夜にまつわる迷信といえば「爪を切ってはいけない」以外にもあるだろう。それらに関しても興味深い説がいくつかあったので紹介したいと思う。
「夜に口笛を吹いてはいけない」理由
夜に口笛を吹いてはいけないのは、泥棒がやってくるからといわれている。具体的には「口笛を吹くほど機嫌がいいのだから、金目のものでも手に入ったに違いない」と解釈されるからだそうだ。つまり、泥棒に狙われやすくなるということ。うーむ、本当だろうか。
ちなみに地域によっては泥棒ではなく「蛇」のパターンもある。これはいわゆる蛇使いの人が、笛の音で蛇を操っていることが由来という説があるそうだ。
「蛇」は「じゃ=邪」とも読めるので、口笛を吹けば蛇を操るように悪いことを寄せつけてしまう。そのため、縁起が悪いと考えられたのだとか。
どちらの説もこじつけのような気もする…。このあたりは別の機会に書籍などを漁って個人的に調べたいと思う。
「夜に火遊びをしてはいけない」理由
続いて「夜に火遊びをしてはいけない」理由を紹介しよう。この迷信は筆者は初耳だった。単純に火事を防止するためかと思ったが、他の理由があるらしい。
それは、子供が夜に火のような明るいものを見ることで神経が活性化してしまうという説。その影響で眠れなくなったり、オネショをしてしまったりするそうだ。ただし、科学的根拠に基づいた話ではないので、注意してほしい。
理由はなんにせよ、火遊び自体は危ないのでみなさんも注意しよう。
以上が夜にまつわる迷信の根拠だ。信じるか信じないかは各自の判断である。
雑学まとめ
今回の雑学では夜にまつわる迷信についてお届けした。筆者は、こういった昔から言い伝えられていることは守りたい派なので、親戚の子供たちには教えるようにしている。
世間でいわれている説が正しいかは別として、何かしら昔の人の知恵によって生まれた話だと思うからだ。
おすすめ記事
-
意外と合理的…。"雷が鳴るとへそを隠す"の理由と由来とは?
続きを見る