食べ物がのどに詰まった経験、皆さん、一度はあるに違いない。たいていの場合は、水を飲んだり背中を叩いてもらえば助かるが、窒息死に発展するケースも少なくない。
食べ物がのどに詰まるのを防ぐために、のどに詰まりやすい食品を知っておくことは大切だ。この雑学記事では、食品による窒息死発生件数で最も多いものを紹介する。1位は皆さん納得のあの食品だ!
【食べ物雑学】食品による窒息死発生件数で最も多いものは?
【雑学解説】お餅による窒息事故が一番多い
東京消防庁などが2010年に行った調査によると、食品による窒息死の件数はとても多く、2010年は窒息死が9,727人だった。この数字は、交通事故の7,144件、転倒・転落の7,063人を超えているのだ。
このように窒息死事故が頻発している現状に危機感を覚えた政府は、東京消防庁と連携して、食品を起因とする窒息事故に関する調査を実施した。
その結果によると、食品による窒息事故の原因で最も多いものは「お餅」だった。調査対象の全4,137件のうち、406件がお餅による窒息事故である。
その406件のうち、死亡にいたったケースも19件あり、死亡件数においても最も多い食品だった。
2番目に窒息件数が多かったのは「ご飯」で、260件。死亡事故件数でも14件で、こちらも2位。
3番目に窒息件数が多いのは「飴」の256件。こちらは死亡事故にいたったケースは0件だった。
その次がパンで238件、死亡事故は12件と続く。
このように、お餅がもっとも窒息事故を起こしやすい食品という結果となった。お餅に限らず、ご飯やパンなどの炭水化物系も窒息事故発生件数は多い。
お餅は、重症以上の割合が54.7%であり、そこまで重症率が高い食品ではない。しかし死亡事故にいたるケースは多い(死亡事故19件)ので、ひとたび重症となると致命的な事態に発展するという特徴があるといえる。
そのため、食べる際には窒息しないよう細心の注意を払っていただきたい。
炭水化物は大きな塊のまま口に運ばれるので、窒息事故を起こしやすいのだろう。炭水化物を食べる際はよく噛むことを心がけねばならない。
また、窒息事故において重症に発展するケースが多い食品の調査結果もあるので、そちらも紹介しておく。
生命に危険を及ぼすような重症の事例を引き起こした食品のなかで、もっとも多いものはコンニャク入りゼリーだ。事故件数自体は7件と多いわけではないが、そのうちの6件が重症以上となっている。
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【追加雑学】窒息が起きたときの応急手当の方法【動画】
窒息事故を予防するのも大事だが、万が一起きてしまったときのために応急手当の方法を知っておく必要がある。
まず、窒息した人を目撃したら「窒息ですか!? 何かのどに詰まっていますか!?」と確認しよう。これは意識があるか判断するためのもので、うなずくなど意思疎通ができる状況にある場合は気道確保の応急処置を実施する。
気道確保の手段は「腹部突き上げ法」と「背部叩打法」の2種類がある。腹部突き上げ法と背部叩打法のどちらを優先すべきというのはない。どちらかの方法を繰り返し試しても効果が出ない場合、もう片方を試すなど、柔軟に対応してもらいたい。
ただし腹部突き上げ法は、窒息しているのが明らかに妊婦とみてとれる場合、また肥満の方だった場合などは危険であり、効果が出ないことも多いので背部叩打法を実施してもらいたい。
2つの方法のやり方については、下記の動画をご覧いただきたい。
また、119番通報も忘れずに行おう。周りに人がいるならAEDをもってくるよう、周囲の人に依頼しておこう。
「食品と窒息死」の雑学まとめ
一番窒息死を起こしやすいのは、やはり「お餅」だった。たしかに正月は、高齢者がお餅をのどに詰まらせ救急車で運ばれるというニュースをよく耳にする。
お餅は粘り気があるし1個1個が大きい場合が多いので、のどに詰まりやすいのは容易に想像がつくところだ。
正月はどうしてもお餅を食べたいという人が多いので、食べるなとまではいわないが、よく噛んだり、一つ一つを小さくするなど工夫して食べてもらいたい。